2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, エネルギー, 環境, 国際理解

近年の貧困、環境、およびエネルギー問題は国際的な社会問題に発展し、解決のためには様々な国が協働して持続可能な社会を構築することが求められている。これらは、持続可能な開発目標(SDGs)として示され、本校でも身近なところから何かできないかと学校行事や課外活動として取り組みを開始している。本校では、その活動の一つに「バイオメタン」に関する環境教育プログラムを取り入れている。バイオメタンとは、生ゴミなどの有機性廃棄物を微生物のはたらきで生成できる可燃性のガスで、再生可能エネルギーとして利用できる。また、バイオメタン生成後の残渣は消化液と呼ばれ、作物栽培の際の液体肥料として利用することができる。この嫌気発酵処理は、生成したガスと残渣の両方を活用できるため、無駄のないシステムとなる。しかし、この消化液はバイオメタン施設に投入する原料と同量が発生することから、農地が十分にない地域にとっては経済性や効率を優位にする大規模化した施設の導入は大きな課題になる。そのため、本校では小規模のバイオメタン施設を開発し、地域に分散して配置するシステムの普及の検討を行う活動を実践している。地域内の狭い範囲の資源循環を可能にすることで、広い地域全体の資源循環も可能になると考えている。今年度は、生徒により身近にバイオメタンについて考えてもらうため、環境学習や消化液を用いたグリーンカーテンの制作を行った。校舎の昇降口付近にプランターを設置し、ゴーヤやアサガオの苗を定植した。日々の管理や消化液の施肥は、本校のユネスコ委員会が分担して行った。新型コロナウィルス感染予防の休校措置や活動の自粛の影響により、例年よりも活動時間が少なかったが、グリーンカーテンの制作を成功させることができた。

来年度の活動計画

持続可能な社会の構築に向け、グローバルな視点で問題を発見し、ローカルな活動を通して生徒の能力の育成に取り組む計画をしている。バイオメタンについては、校内での活動をさらに活性化させ、特徴ある環境教育プログラムとしての体制整備を行いたい。グリーンカーテンや校内のプランターや花壇での緑化と環境意識の向上に取り組みたいと考えている。さらに、SDGsをテーマにした理科や社会などの教科を横断した教材の開発を行い、生徒の21世紀型スキルの育成に力を入れたい。