2021年度活動報告

本年度の活動内容

本校は、「人・社会・未来とつながる子どもの育成～ユネスコスクールとしてのESDの取り組みから～」を活動テーマとして、今年度は研究活動に取り組んできた。「将来を見据え、多様な他者や、身近な地域から社会まで、広くつながりを求めながら、積極的に課題解決に向かい、自らの手で未来を創り出していくことのできる子どもたちを育成すること。」をESDと捉え、ESDの実践を通して、将来、自ら未来を切り拓いていくために必要な資質・能力の育成を目標とした。
具体的には、「つながり」を柱に、①総合的な学習の時間、②委員会活動に取り組んだ。
① 総合的な学習の時間
SDGs「11.住み続けられるまちづくり」を中心に置き、系統立てた総合的な学習の時間の展開の実現を目指した。１・２年生でまちづくりの土台となる「まちを知る」学習に取り組み、３年生は環境、４年生は防災の視点からまちづくりに取り組んだ。それらの経験をもって、５年生では「今」のまちの魅力と課題から、６年生では「歴史」的な地域の文化財から、住み続けられるまちづくりを実践した。総合的な学習の時間を軸として、各教科・各活動との関連性を図り、多面的・多角的に問題や事象を捉えることで、学び続けることができるよう工夫した。また、対話的な学習を積み上げることでコミュニケーション能力の育成を図り、より人とつながる力を伸ばすようにした。
② 委員会活動
児童会とユネスコ委員会の子どもたちがユネスコスクールのリーダーとなって、様々な活動に取り組んでいる。例えば、あいさつ週間や廊下を歩こう週間など、SDGs「11.住み続けられるまちづくり」を見据えた、自分たちで安心安全な学校を創り出す活動に、持続的に取り組んでいる。世界の子どもたちや自然災害などからの復興を目指す人々を思った、SDGs「1.貧困をなくそう」「3.すべての人に健康と福祉を」の一環となる活動にも取り組んでいる。活動の延長線上にあるSDGsを意識させながら取り組むことで、様々な人たちとのつながりを深めたり、広げたりするだけでなく、社会や未来とのつながりも感じることができるようにした。また、ユネスコスクールとしての行動基準をSDGsをもとにして作成している。

来年度の活動計画

（１）総合的な学習の時間を軸としたカリキュラムマネジメント
本校のユネスコスクールとしての一番の長所は、地域の文化財との関わりである。自分の地域に誇りや愛着をもち、持続可能なものとして文化財を位置付けていくために、SDGs「11.住み続けられるまちづくり」に、引き続き、学校全体で取り組んでいきたい。
今年度系統立てた総合的な学習の時間の実践を、３月の教育課程編成員会にてESDカレンダーを用いて集約する。そうして、横のつながりだけでなく、縦のつながりも意識しながら、研究活動・授業実践に取り組むことで、ユネスコスクールとしての働きをより一層促進したい。ESDカレンダーの加除訂正、研究授業などに年間を通して取り組むことで、持続可能なよりよいユネスコスクールへの歩みを進める。
（２）委員会活動
今年度は、主に、児童会とユネスコ委員会が中心となって、SDGsの視点から活動を展開することで、「自分たちはユネスコスクールの一員だ」という意識・姿勢を育んできた。
このベースを生かして来年度は、全委員会活動において、各々のよさにSDGsをリンクさせた活動を展開し、つなぐことで、「みんなが、みんなのために、よりよい学校づくりに取り組んでいる。」という誇り、「自分たちの活動は、未来につながっている。」という希望を、子どもたちがもつことができるようにしたい。
そのために、年度当初、ユネスコスクールの理念、学校のスローガンを確認したうえで、各種委員会活動のよさを生かした目標を、SDGsに根差して設定する。その後、随時、校内で活動したり、外部(ユネスコスクール・企業等)と手を取り合ったりすることで、人や社会とのつながりを広げたり深めたりし、持続可能な社会づくりを自分たちのできる範囲で実践する。