2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・地域の文化財等

本校は小規模校であり校区も狭いため,限られた人間関係の中で生活している児童が多い。そのため、固定観念や偏見にとらわれやすく、コミュニケーション力にも課題がある。また、多様な視点で物事を見る力が弱く、ともすれば排他的になりがちである。そこで、奈良市が進めている世界遺産学習を通して、多面的なものの見方・考え方を育む取り組みをしている。世界遺産学習は大きな効果が期待できる。多面的かつ総合的なものの見方を身につけさせていくために、自分と異なる意見を容認したり異文化を尊重したりする学習を進めている。

① 事前学習
奈良市教育委員会から配布される「奈良大好き世界遺産学習」を使って、奈良の8つの文化財について知ると共に、現地学習に向けて、自分たちが「見たい」「聞きたい」ことを確認した。

②現地学習
各グループに分かれ、ガイドさんに教えていただきながら、奈良の文化財について学んだ。

③事後学習
各グループで学んできたことをポスターセッション形式でまとめ、発表した。各グループ学んできたことを発表し合うことで、より深い学びとなった。

④他教科との関連
図工の学習では、世界遺産を水墨画で表現した。自分たちが直接見た文化財を、奈良の伝統工芸品である墨、筆を用いて描いた。濃淡を墨で表現し、味のある作品に仕上がった。絵手紙を作成する題材として、「奈良」をテーマに取り組んだ。奈良の特産品や風景、工芸品などを描き、その絵の中に俳句を添えた。

⑤児童の様子
 学習する前は、自分たちが暮らす奈良に、世界遺産があるということを知らない児童が多く、世界遺産というものがどういったものかを知らない児童も多くいた。学習を進める中で、世界遺産がどんなものであるか、奈良にある文化財が貴重な日本の宝であることに気付き、「奈良ってすごいやん。」という声がでてくるようになった。現地学習やポスターセッションを終え、奈良の文化財について詳しく学ぶ中で、奈良の文化財を守り続けてきた人がいること、歴史を受け継いできた人がいることを知り、自分たちがその役目を担っていかなければならないという使命感を持つ児童もいた。

⑥成果と課題
 児童が世界遺産に興味・関心を抱き、ガイドさんのお力をお借りすることで、奈良の文化財といい出会いができた。また、実際に訪れ、目で見て、肌で感じれたことで、主体的に学びを深めていくことができた。一方で、教師側が提供できる情報が少なかったのが課題である。図書館の本、インターネットなどを活用して、学習を進めれば、より深い学びになったのではないかと思う。

来年度の活動計画

引き続き世界遺産学習を中心に、地域教材を活用した学習活動を進めていく。学習指導要領の改訂に伴い、年間指導計画を新たな目標、評価に合った系統立てられたものへ改善していく必要がある。その中で、プログラミング教育など新しい学習も意識していく。