2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, 福祉

本校は、「夢を形にする 夢が形になる」を活動テーマとして、ESDを各教科・領域の根底に流れる理念と捉え、ESDの実践を通して未来の自分の姿を描き、実現に向けて行動する実践力の育成を目標とした。

具体的には、人権・環境を柱に、①国際理解に係わる活動、②文化多様性に係わる教育、③福祉に係わる学習、④環境に係わる学習を行った。

①  国際理解に係わる活動

ラグビーワールドカップの際、北九州市がウェールズ代表のホストとなった。本校では、2年前からウェールズのウィットチャーチ小学校との交流がある。そのご縁で、代表チームのキャプテンをはじめ、コーチの皆さんの訪問を受けることとなった。

全校児童で歓迎集会を行った。子どもたちの歓迎の心をキャプテンがウェールズ流の最敬礼のポーズで受け取ってくれたり、パスやタックル、ラグビーボールを使ったミニゲーム等を通して交流をしたりする活動を行い、ウェールズの文化や人々の素晴らしさに触れることができた。

②   文化多様性に係わる教育

6年生は、車いすバスケットボールのドイツ代表チームと交流を行った。4年生のときに行った車いすの方との交流活動、外国語科の学習等これまでの学習や経験を活かして、積極的にコミュニケーションを取っていた。中には、言葉での表現が通じずに困っていたグループもあったが、歌を歌ってみたり、ジェスチャーをしたりして、何とかして話したい、相手を理解したいという気持ちが溢れる交流会となった。実際に車いすバスケットボールを体験する活動では、競技用車いすを動かす難しさ、乗車しながらのドリブルやパスの難しさを実感していた。

子どもたちは、交流を通して、様々な文化があること、日本の文化を伝えることへの手応えを感じ、相互理解の大切さを実感することができた。

③  福祉に係わる学習

4年生は、社会とつながる自分の生き方をデザインする力を育てる「生き方デザイン」の学習を行った。車いすの生活、盲導犬との生活など、様々な生き方があることを、実際に人と触れ合うことを通して学んでいった。

ブラインド給食も実施し、アイマスクをした友達に給食を食べさせたり、見えない状態で食べることを体験したりした。この活動を通して、障害のある方々の実際の生活を体験し、不便さと介助の重要性を実感することができた。

④  環境に係わる学習

本校にはホタル飼育舎があり、ホタルの人工飼育を35年以上続けている。

日頃は、ホタル環境委員会の児童が地域の指導者と一緒にホタルの世話をしている。初夏には児童と保護者、地域の方々を招いてホタル観賞会を行い、ホタルの生態や飼育の説明と、実際に飼育したホタルの乱舞を披露した。

   また、3年生が総合的な学習の時間に自分たちの手でホタルの幼虫を人工川
に放流する活動を行った。さらに、4年生がホタルの舞う地域の川の環境を守
るため、地域の方々とともに花植え活動も行っている。このように、身近にホ
タルの舞う環境の素晴らしさを実感する活動を経験することを通して、環境を
守る大切さを実感し、行動できる子どもたちを育成している。

来年度の活動計画

 これまで行ってきた活動は、それぞれ、素晴らしく、価値のあるものである。この活動を継続するとともに、人権と環境という二つの大きな柱で、子どもたちが6年間を通して繰り返し関わることができるような体系化を行いたい。特に、人との関わりや体験活動を重視し、地域から世界へと視野を広げられるようにしていく。

 1.人権 ①福祉:生き方デザイン(4年)、さやっこ保育士(5年)

      ②文化多様性・国際理解:車いすバスケットボール交流(6年)

      ③平和:修学旅行での平和学習(6年)

      ④国際理解:世界の人々と交流しよう(5,6年)

 2.環境 ①生物多様性:ホタル飼育(全学年)

      ②環境保護:地域の人とまちの環境を守ろう(4年)

            北九州市環境検定にチャレンジ(6年)