2022年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 環境
活動分野:環境
本校は熊谷市東部に位置し、田畑が学校の周囲を取り巻く中、食品工場や新しい住宅が学校周辺には増えてきている。学校敷地内には「埼玉県の魚ムサシトミヨ」の繁殖活動を行うための「トミヨ池」があり、トミヨ池に注ぐ地下水が「佐谷田川」へと流れ、植え込みの「佐谷田森」に沿って一年中流れている。休み時間には児童が遊ぶことができ、自然体験のできるよい遊び場となっている。このような自然に恵まれた環境のもとで、本校はESD(持続可能な開発のための教育)の視点に立った「ムサシトミヨの繁殖活動」を通して、「身近な環境問題に気づき、環境を守ろうとする心と態度の育成」を目標として活動している。具体的には、①保護・繁殖に関わる活動、②環境問題について学習する活動を行った。
- 保護・繁殖に関わる活動
現在ムサシトミヨは絶滅の危機にあり、環境省のレッドリストでは絶滅危惧IA類に指定されている。昭和62年11月から、本校では環境保護の大切さを受け継ぎ、ムサシトミヨ繁殖委員会を中心に、ムサシトミヨの保護・繁殖活動を行っている。
具体的には、ムサシトミヨの住むトミヨ池の水質管理やムサシトミヨの外敵の駆除、佐谷田川の清掃等の活動を行っている。さらに、年に1度ムサシトミヨの繁殖数を調査する「繁殖調査」を行っている。
2022年度の繁殖調査は、11月3日に行われた。今年度の調査結果は、繁殖数226匹で、昭和62年度からの累計では8687匹となった。
また、令和3年11月3日には、繁殖活動に対する日々の取り組みが認められ、熊谷東中学校・久下小学校とともに「熊谷市教育特別賞」を受賞することができた。
- 環境問題について学習する活動
本校の総合的な学習の時間の学習では、「ぼくらができること」というテーマで環境問題について学習している。絶滅危惧種であるムサシトミヨの生態について学ぶところにはじまり、身近な環境問題について目を向け、自ら問題を解決し、持続可能な自然環境を守っていこうとする態度及び実践力を育むことをねらいとしている。
来年度の活動計画
4月 ムサシトミヨ繁殖委員会の組織作り。
以降、委員会が中心となり、毎朝トミヨ池の環境測定、およびトミヨ池の清掃を実施。
6月 4年生「総合的な学習の時間」にてムサシトミヨの生態について学習。
11月 ムサシトミヨ繁殖調査。元荒川への放流。
2月 ムサシトミヨ繁殖調査報告会での報告。