2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 食育, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

※本校は学校目標の一つ「多様な価値観を受容し、他者を認める寛容な心を持ち、豊かな人間関係を築ける生徒を育てる」を実現すべく、多文化交流会議を中心にESDの実践を通して「異なる価値観を持った他者を受容できる」生徒育成を目標に活動している。今年度は昨年に引き続きコロナ禍で国際交流が中止となったが、校外での活動が徐々に再開されてきた。本校の総合的な探究の時間を中心にしたESD、教科横断型学習、渡日帰国生徒支援、文化交流や国際協力活動を行う遊語部の具体的活動は以下の通りである。

①総合的な探究の時間を中心にしたESD

総合的な探究の時間の活動は以下のとおりである。1年次ではJICA出前授業で元海外青年協力隊員を講師に招き、発展途上国での体験談を通して異文化理解・国際理解への意識付けを行った。その後「大通高校×SDGs」と題し、SDGsと本校の教育活動とSDGsの関連について理解を深め、今後の学習への動機づけとした。2年次では「札幌と水」と題し、水をキーワードに札幌の歴史や産業について学習し、環境保全への動機づけとした。3年次では「カンボジアと水」と題し、水をキーワードにポルポト政権による虐殺で社会資本が整備されず、学校教育の普及を阻害していることを学び、国際支援への動機づけとした。4年次では「くらしと防災」と題し、胆振東部地震を教訓に災害時における要支援者(外国人、子ども、お年寄り)への対応について考え、防災の原点である命を守る意義を再認識した。そして「キャリアプランニング」2年では、未来の仕事とSDGsというテーマで、各企業のSDGsの取り組みを学び将来の職業選択について考えた。その他学校設定科目の「異文化研究」では、ジェンダー・難民・エシカル消費・アイヌ民族をテーマに、「くらしと法」では夫婦別姓や同性婚をテーマに授業を展開した。倫理では原爆被爆者を講師に核兵器問題やヒグマ研究者を講師にヒグマとの共生問題について授業を展開した。

②ミツバチプロジェクト

養蜂を活用したミツバチプロジェクトは、幼稚園や市の生涯学習講座、理科、商業、芸術、家庭等の教科、生物部でミツバチ・ハチミツを教材として校内外で活用。生物多様性や環境問題と都市の生活、職業のあり方などSDGsと関連させた学習を続けている。

③渡日帰国生徒支援(海外にルーツを持つ生徒)と遊語部の連動

渡日帰国生徒対象に日本語、母語授業を日常的に行っている他、渡日帰国生徒同士、日本人生徒との交流の場である遊語部は、学校祭・札幌市フェアトレードフェスタ・北海道国際協力フェスタでフェアトレード商品販売をし、売上をウクライナ支援に寄付した。コロナ禍で中断していた渡日帰国生徒の自国文化紹介も、今年度近隣小学校の総合的な探究の時間で実現し、彼らの自己肯定感の高揚につながった。また2年前から試験栽培してきたオーガニックコットンは、今年度栽培に成功し綿を収穫することができた。第3回 SB Student Ambassador 全国大会 in サステナブル・ブランド国際会議2023東京・丸の内において、商品化のアイデアを発表した。ミツバチプロジェクトの蜜蝋を使用したエコラップは引き続き社会福祉法人に製作・販売を委託し、蜜蝋の採取・提供を行った。

 

来年度の活動計画

①総合的な探究の時間を活用したESD。

1年次:JICA出前授業「青年海外協力隊員講演」と「大通高校×SDGs」、2年次:「札幌と水」、3年次:「カンボジアと水」、4年次:「くらしと防災」

授業内容を本校や身近な地域から世界へと拡大していき、また水をキーワードにしてSDGsについて考えていく。

②キャリア教育を担うキャリアプランニング(2年次対象)における、SDGsの学習。

③学校設定科目をはじめ各教科科目におけるESDの実践。

④教科横断型学習であるミツバチプロジェクトにおける、環境教育、消費者教育、食育。

⑤渡日帰国生徒が参加する遊語部における、国際交流・国際協力活動。

⑥校内掲示板や学校ホームページにおける、ESDやSDGsへの取り組みの発信。