2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

エネルギー, 環境, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 減災・防災, 健康, 食育

本校の今年度の取り組みを「過去・現在・未来という時間や時代、世代をつなぐ『たて糸』と、友達・教師・保護者・地域・もの・ことをつなぐ『よこ糸』で織りなす教育活動」と定め、テーマを「つなぐ~Hataori~」とした。またねらいを「心に残る授業・未来の自分や社会に生かせる学びの実現」とし、【友達の意見を聴きたい、自分の意見を伝えたいという思いをもって授業に取り組める子】【人とのつながりをたくさんつくるために、挨拶ができる子】【思い切って、自分の声や自分の思いを表現できる子】を目ざす子どもの姿とした。

 具体的には①心に残る授業の実践、②あいさつ運動、③合唱・群読・お話タイムを活動の柱に、ねらいに迫る教育活動に取り組んだ。

①心に残る授業の実践

  「持続可能な社会づくりの担い手を育てる」というESDの視点を本校なりに上記のねらいと捉え、そのために教職員どうしが授業改善に努めた。

 ≪実践例≫「6年 総合的な学習「防災・そのときどうする?」

  近い将来来るといわれている南海トラフ地震を取り上げた。まず、調べ学習によって、インターネット、書籍、聞き取りなどで南海トラフ地震について調べ、調べたことをもとに話し合いを進めた。すると、「栄校区は大丈夫なのか」という声が出されたことから、校区の危険個所を確認するため学年で校区探検に出かけた。校区探検で危険個所を確認した子どもたちは、3年前の校区コミュニティマップと比較して、防災という視点で校区に変化があったかどうか確認し合い、『栄校区の防災はこのままでよいのだろうか』というテーマで話し合った。「地震に対する準備が足りない」、「危険な場所が増えている」などの意見が出された。そして、「このことを大人に知ってもらった方がよいのではないか」という思いをもつ子が増えていった。そこで、12月に行われる校区防災訓練に時間を設けてもらい、調べたこと、話し合ったことを、地域住民を相手に発信した。

子どもたちにとって、学校や地域で過ごしている時間は長い。家での地震対策ができていても、実際に地震に遭遇するタイミングは在宅中であるとは限らない。また、小学校6年生・12歳という年齢は、被災時、共助という視点で「助けられる」だけの立場ではない。地域の中で、小学校最高学年として「助ける」立場でもある。そのためには「地域を知ること」、「地域に知らせること」が大切である。この授業を機会に、地域の一員として、いざというときのために自分は何をしていくべきか考えられる人になってくれることを期待している。

②あいさつ運動・SKE会議

  今年で5年目を迎える「目ざせあいさつ日本一」。児童会、特活部会が中心となって、さまざまな方法で挨拶ができる子の育成に取り組んでいる。今まで“形”で盛り上げていく「あいさつ運動」と、挨拶の大切さを考え、“内面”を育てていく「あいさつ会議」を両輪として挨拶の実践力を高めてきた。「あいさつ会議」とは、毎週木曜日の朝の活動「お話タイム」の中で、月に一度全校統一テーマで行う話し合い活動である。毎回、話し合いの板書を写真に撮り、全学級、2階渡り廊下に掲示し、各学級でどのような考えが出されているか、子どもも教師もわかるようにしている。今年度は「あいさつ会議」を「SKE会議」と名称を変更した。内容もテーマを挨拶に限定するのではなく、運営委員会の子どもたちが、日頃の学校の様子から課題を見つけ、話し合いのテーマを決めていく形をとった。「学校を創っていくのは自分たちである」という意識を高める目的である。

③全校合唱・全校群読

昨年度のユネスコスクールの研究発表を機会に歩み始めたこの活動も、子どもたちが誇りをもって取り組める活動となってきている。各学級で朝の会や帰りの会で練習したものを持ち寄り、全校でリズムを合わせたり、気持ちを合わせたりして一つの作品を創りあげてきた。特に群読については、今年度、リズムと勢いのある詩だけでなく、「こだまでしょうか」、「生きる」など、言葉を大切にした詩の群読にも取り組んだ。詩のイメージを大切にするため、決まったリズムがなく、各連の出だしをそろえることに苦労した。しかし、言葉に気持ちを込めた800人の群読は、学習発表会等の場で披露した際、保護者・参観者を感動させる作品となった。

来年度の活動計画

本年度の活動を継続発展していく。

○ 心に残る授業の実践

 ・ESDの視点で見直しを図った大単元表をもとに、各学年団一人ずつの全体研究授業を行う。その際、【心に残る授業をつくり、振り返るための6つの視点  ①追究意欲を持続する単元構想 ②五感を使う本物体験 ③やりたい!知りたい!という切実感のわく課題設定 ④伝えたい!聴きたい!という思いが高まった話し合い ⑤本時の教師支援 ⑥人の話をよく聴き、思い切りアウトプットする姿】により、授業づくり・協議会を行い、授業改善を図る。

○ あいさつ運動・SKE会議

 ・今年度同様、「SKE会議」と「あいさつ運動」の双方を充実させる。昨年度途中から結成した「あいさつ盛り上げ隊」の意識の高揚を図るとともに、今年度手付かずであった2階渡り廊下「スマイルロード」の充実を図る。

○ 全校合唱・全校群読

 ・声を出すことを楽しめる場、全校で声やリズムを合わせることで一つの作品をつくっていく達成感を得られる場として発展継続していく。