2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

国際理解, 平和

本校は,学校教育目標を「チャレンジ ~知りたい!伝えたい!やってみたい!~」として,教育活動を行っている。ESDを「個に応じた主体的な学びを行う」と捉え,ESDの実践を通して「肢体不自由特別支援学校として,保護者や隣接の施設・病院,地域との緊密な連携・協働のもと,児童生徒の可能性を最大限に伸ばし,主体的に生きる力を育てる」をミッションとした教育活動に取り組んでいる。具体的には,①平和学習に関わる活動,②国際交流に関わる活動,③地域との協働学習,④ESD教育に関わる校内研修を行った。

 

① 平和学習に関わる活動

本校では,平和学習の一つとして約10年前から,「NPO法人ひろしま点灯虫の会」が主催しているピースキャンドルの制作に参加している。今年度は,新型コロナウイルスの影響もあり,主に,各学年やクラスごとに児童生徒の発達段階に応じた平和学習に取り組んだ。歌や絵本,映画,調べ学習等を通して,児童生徒が戦争や平和について考えたり,自分たちの想いを発信したりすることができた。その後,学習した内容や作品,使用教材を校内に掲示し,全校で学習の成果を共有する場を設けた。一人一人が「平和って素晴らしいな」「もっとみんなと楽しく過ごしたいな」と感じることができた。また,11月の文化祭まで掲示したことで,多くの保護者にも学習の成果を発表することができた。

 

② 国際交流に関わる教育

本校は,平成24年度から多様な文化を受け入れる意識を育むために,スウェーデンのタルバッカ特別支援学校と姉妹校提携を結び,メールや手紙,作品等での交流を深めている。送られてきた作品は,児童生徒の目に留りやすい玄関前廊下に展示し,作品を見たり触れたりできる場を設定している。今年度も,各学年やクラスごとに,外国についての学習を行った後に作品を制作し,2月に作品を送る予定である。

毎年,外国について学習し作品を制作したり,届いた作品を見たり触れたりすることで,日本以外の文化を知り,多様な文化を受け入れていく意識を育むとともに,他者を意識し仲間と共に生きていくための態度の育成にもつながってきている。

 

③ 地域との協働学習

毎年12月に,児童生徒が授業等で制作した作品を「こころのいずみ作品展」として東広島芸術文化ホールに展示している。児童生徒の作品を東広島市で発表することで,表現活動の成果を地域に向け発信することができた。

今年度から,校内で「こころのいずみプロジェクト」を立ち上げ,近隣にある高校や大学,スポーツ施設等,地域と協働した取組実現に向けて,定期的に協議を行っている。3学期には,本校高等部の生徒と近隣の高等学校の生徒が協力し,パンジーの植え付け等の活動を行う予定である。

こころのいずみプロジェクトでの取組を通して,児童生徒一人一人が主体的に考え行動できる力を身に付けたり,さらには,人のため,地域のために何ができるかを,自分なりに考えたりすることができるように,地域や様々な関係機関に働きかけ,連携していきたいと考えている。

 

④ ESD教育に関わる校内研修

ESD教育を学校全体で行って行くために,今年度は3回に分けて,研修を設定した。第1回目は,ESDやSDGs,ユネスコスクールに関する知識を深めるための研修を行った。第2回目は,他校の実践例を紹介し,第3回目で,本校としてどんな取組ができるかを協議する予定である。短時間の研修を繰り返すことで,ユネスコスクールに加盟している意義の再確認やESD教育の視点に立った指導等を,学校全体で取り組んでいく意識を,教職員一人一人が持つことができるようにしていきたい。

来年度の活動計画

・各学部学年での平和学習,ピースキャンドルづくり等を通して,児童生徒一人一人が主体的に平和について考え,実践していく力を付ける。また,学習内容などを全校で共有する場を作る。

・クラスごとに外国についての学習を美術や生活単元学習,特別活動等で行い,姉妹校であるタルバッカ特別支援学校へ贈る作品作りやスウェーデンの文化に触れる活動を行う。

・教育活動全体を通じて,自分も人も大切にしながら,共に生きていくという人権感覚を育ていく取組を行う。

・地域と協働した取組を進めるために,校内組織である「こころのいずみプロジェクト」と連携し,近隣の広島県立西条農業高等学校や広島大学,東広島市内の企業や行政等に働きかける。

・校内ESD研修を12月~2月,全3回に分けて行うことで,全教職員でESDやユネスコスクール,SDGsについての知識と理解を深める。また,今年度,第12回ユネスコスクール全国大会や広島県ユネスコスクールESD研修会等に参加して学んだことを校内で共有して,他校の実践例を伝えることで,本校がユネスコスクール加盟校として役割を果たすことのできる活動を考える。

・取組を,保護者・地域に活動の主旨や活動内容について,学校だよりやHP等を活用し,情報発信していく。