2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

国際理解, 平和, 人権

本校は,「肢体不自由特別支援学校として,保護者や隣接の施設・病院と緊密な連携のもと,児童生徒の可能性を最大限に伸ばし,主体的に生きる力を育てる。」を学校理念として,ESDを「個に応じた主体的な学びを行う」と捉え,ESDの実践を通して「児童生徒が,自分自身を見つめ,個に応じた課題の発見と発展的な解決に向けた能力の育成」を目標とした。

具体的には,①平和学習に係わる活動,②国際交流に係わる教育を行った。

 

①  平和学習に係わる活動

本校では,平和学習の一つとして約8年前から,「NPO法人ひろしま点灯虫の会」が主催しているピースキャンドルの制作に参加している。ピースキャンドルの作成とともに,平和学習に取り組み,児童生徒の発達段階に応じた事前学習,事後学習を行い,平和の大切さを学習した。

・6月から7月にかけて各学年各クラスで平和学習を行い,7月上旬に平和集会(ピースキャンドル制作および,平和学習で学んだ内容を発表)を予定していたが,西日本豪雨災害のために平和集会は中止となり,児童生徒は教職員が作成したキャンドルの側面に,事前学習で学んだことを基に平和の願いを込めてメッセージや,絵を描いたりした。予定していた平和集会が実施できなかったため,ピースキャンドルを廊下に展示した。

 

 

・8月6日の広島原爆記念日には,本校で制作したピースキャンドルを原爆ドームの周りに他の参加校のピースキャンドルとともに並べ,点灯した。

・事後学習では,7月の校内ピースキャンドル作り(平和のメッセージの書き込み)について振り返り,8月6日のピースキャンドルの点灯の様子等をビデオ視聴することで「平和への願い」を新たにした。

 

・高等部の宿泊学習では,広島平和記念公園やおりづるタワーの見学も行い,事前事後の学習を通して学習を深めることができた。

 

 

 

②国際交流に係わる教育

 

国際理解学習として,多様な文化を受け入れる意識を育むために,スウェーデンのタルバッカ特別支援学校と姉妹校提携を結び,メールや手紙,作品などでの交流を深めている。

 

・今年度は年間に2回,手紙と作品での交流を行った。本校からはクラスごとに思い思いの作品を制作し贈った。タルバッカ特別支援学校からもたくさんの作品をいただいた。交流のための作品を制作すること,届いた作品を展示スペースで見ることで,児童生徒にとって日本以外の文化を知り,多様な文化を受け入れていく意識を育むことができている。

 

・今年度は,玄関ロビーと図書室にタルバッカ特別支援学校からの作品展示をするコーナーを設け,より児童生徒がタルバッカ特別支援学校からの作品に触れやすく,また,見やすくなるようにした。本校から送った作品の内容を踏まえて,「書」や「ピースキャンドル」に取り組まれ,作品が送られてくるなど,お互いが発信する内容に関わる交流も深まってきているのではないかと思われる。

 

 

 

中学部では,2年次に年間指導計画において校外学習で国際交流プラザ「JICA中国」の見学をおこなっている。

・国際交流プラザで,JICAの見学を行い,「JICA中国」の役割の説明を受け,民族衣装を着させてもらい,民族楽器を実際にふれたり音を出させてもらったり,東南アジアやアフリカの食事を食べたりするなど,体験的に学習でき,生徒個人個人にとっていろいろな方法で文化の違いを感じたり考えたりすることができた。

来年度の活動計画

年間指導計画の中の,美術や生活単元学習,特別活動等で作品作りやスウェーデンの文化に触れる活動,(6・7月及び1112月)平和学習(6・7・8月)を行う単元を設ける。

・ピースキャンドル作り,各学部学年での平和学習,平和集会を通して平和の大切さについて学び,表現していく活動を通して,児童生徒一人一人が主体的に平和について考え実践していく姿勢を育てる。また校外学習などで平和記念公園を見学するなどしながら学習の深化を図る。

・国際交流プラザの見学を通して,文化の違いを感じ,異文化の理解を深める取り組みを行う。

 

生徒指導部,海外交流推進委員会,児童生徒会より,児童生徒及び教職員に活動の主旨や活動内容についてを発信し,取り組む。

活動に関わるアンケートを行い,児童生徒の声や達成感が得られたかどうか反省と課題をまとめ,次年度に向けての検討を行う。