2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 貧困, グローバル・シチズンシップ教育(GCED)

聖心女子学院初等科

本校は、「一人一人がかけがえのない存在であること」を学校理念とし、ESDを「世界の一員としての連帯感と使命感をもって」と捉え、ESD、SDGsの実践を通して社会に貢献できるための力の育成を目標とした。
具体的には、国際理解、環境、人権を柱に、①ハイチ・デー(募金活動)の活動、②海外の姉妹校との文通の活動、③環境に関わる学習、④特別支援学校との交流、⑤東日本大震災被災地支援の活動、⑥フィリピンの貧困に苦しむ方々への支援活動等を行った。⑦大型台風の被害が大きかったフィリピンへ物資の支援活動

①ハイチ・デー(募金活動)の活動[国際理解、平和・人権、環境、気候変動]
昼食のお弁当をおにぎりなど簡素なものとし、おかず分、 日頃のおこづかいの節約などで貯めたお金を募金する。1984年ハイチより来日された日本人シスターより、貧困に苦しむハイチの現状を知った児童達により始められた。児童会の活動として年3回全校参加で行う。
寄付金はハイチやフィリピン他、支援を必要としているアジア、アフリカの地域で働く聖心会シスターのもとに送る。困難な状況をおにぎり弁当を通して共有し、送り先の状況についても学ぶ。
7月6日、11月30日、2月22日に実施。

②海外の姉妹校との文通の活動 [ 国際理解 ]
聖心姉妹校の世界に広がるネットワークを活かして、姉妹校間での継続的な交流活動を行い、世界に向けて視野を広げ、お互いの文化・生活の違いや多様性に気づき、 世界の一員として生きる意識を深める。英語科の授業で学んだことをもとに、英文の手紙による交流を行い、関係を築くことを楽しむ。
教師の指導のもとに、自己紹介、日本の生活の紹介などの手紙を書く。日本についての理解も深める。また、児童の委員会活動のひとつである 国際もゆる(委員会)でも日本からの発信をする。今年度は、学院の母体である聖心会のシスターがインドネシアから来校し、英語の授業で互いの文化を紹介し合う機会があった。

  1. 英語科授業での活動
    聖心会シスター Indonesiaより来校 5.6年Oral comunication
    海外転出児童との交流 Canada
  2. 国際もゆる(委員会)での活動
    Clark College : Vancouver  U.S.A                                                              Downtown Monttesori : Dallas Texas  U.S.A

海外転出児童 London  U.K 、 Illinois  U.S.A、  Dublin  IR.L

③環境に関わる学習 [ 環境・生物多様性 ]
今年度は、例年行っている丹沢、清里での宿泊校外学習は中止となったが、 2年生生活科で近隣にある国立科学博物館附属自然教育園の観察会を、研究員を招く新たなスタイルで行った。四季を通して研究員を招くことはできなかったが、校内の自然環境とそこに生きる生物とその多様性について学び、その後の活動に活かした。

2年生国立博物館附属自然教育園 見学  10月23日
都内でありながら、豊かな自然に恵まれた校内を研究員やボランティアの方と散策し、昆虫や植物などの生態について学ぶ。観察を通して、自然を味わう感性も育む。

④特別支援学校との交流 [人権 ]
視覚障害のある児童・ 生徒との交流を通して、障害のある方々への理解を深め、共に生きる姿勢を育てる。放送委員会は、音声にかかわる活動という観点から、視覚障害のある方々との交流を行っている。
11月12日 久我山青光学園寄宿舎とオンラインで交流
視覚に障害があるとは、 どのようなことか、 障害のある方と共に生きるにはどのようにしたらよいかについて具体的に学んだ。今年度は、オンラインを通しての交流とはなったが、互いに自己紹介し合い豊かな時間を過ごした。

⑤東日本大震災被災地支援の活動 [ 環境、工ネルギー、人権 ]
2020年12月、岩手県釜石市教育委員会を通じて、釜石市内幼稚園、小学校、中学校にクリスマスカードと図書券のプレゼントを贈った。初等科で約550通集まり、全校では約940通集まった。この活動は、震災の起きた2011年より継続されている。
釜石市には、保護者父親有志が春・秋に継続的にボランティアに行つており、児童・生徒も父親と一緒に参加している。
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染の被害を受けた福島県南相馬市立大甕小学校の女子児童との文通交流も初等科生有志によって継続されている。訪間の際に配布された。返信もあり、 継続的な交流となってきている。

⑥フィリピンの貧困に苦しむ方々への支援活動  [ 国際理解 ]
音楽道具袋、辞書カバー聖書カバーのフェアトレード品の購入
フィリピンにある聖心会が貧困に苦しむ家庭を対象にして運営している現地の幼稚園の保護者ならびに卒業生の保護者に、児童が使用する音楽道具袋(1年生)、辞書カバー、聖書カバー(5年生)の製作を委託し、フェアトレード品の購入を進めている。保護者会で意図・趣旨を説明し、保護者の理解を得て、購入を通じて経済的な自立支援に協力してもらっている。
上記⑥の活動は上記①のハイチ・デーの活動と同じ地域のものなので、児童は色々な角度から継続的に学ぶことができ、理解を深め、 親近感をもってかかわることができている。 共生の意識を高める重要な要素となっている。

⑦大型台風の被害が大きかったフィリピンへ物資の支援活動 [国際理解、平和・人権、環境、気候変動]

新型コロナウィルス感染症の拡大に加えて,大型台風の上陸による被害の大きかったフィリピンへ、①のハイチデ―で集めた募金と共に、物資の支援を行った。子どもへの支援を中心として、文房具、おもちゃ、幼児用下着、ビーチサンダルなど浸水の被害のため手に入らなくなった日用品を集めて送った。児童会メンバーの発案によるもので、放送朝礼や作成した手紙を通して児童だけでなく、保護者にも協力を仰いだ。

聖心女子学院中等科

本校は「世界の一員として連帯感と使命感をもって、より良い社会を築くことに貢献する」、を学校理念として、ESDをグローバルマインド育成に不可欠な指標と捉え、その実践を通して、共生の視点と主体的に課題解決に取り組む力の育成を目標とした。2018年度からSDGsに着目し、2019年度はアクションを起こすことを目指した。2020年度は新型コロナウイルスのために学校での活動は限られたものとなった。各学年で例年実施している活動の中で実施できないものもあったが、SDGsについて、自分たちが実施できることに取り組む意識は定着している。学校として電力を生成可能なエネルギーに転換した。

日常的にも、奉仕活動委員会の活動として、高等科と協力し、毎月の募金、リサイクル活動などを行い、支援の実践としての成果をあげることができた。

高齢者支援  クリスマスカード、年賀状等の送付

難民支援 ユニセフ、AARジャパンなどに対しても寄付活動を行った。

10円募金   奉仕活動委員会のリーダーシップで全校で取り組む。今年度はプランインターナショナル ガールズプロジェクトとし、ジェンダー平等の観点から女子の教育を支援した。

被災地支援  東日本大震災被災地の釜石教育委員会にクリスマスカードを送付 支援活動を続けている

 

 

①国際理解に関わる活動

実際の交流はほとんでできなかったが、オンラインにより世界各地の聖心姉妹校と繋がることができた。インドネシアからの来校者を1名1週間学校に受け入れることができ、交流を持つことができた。

②持続可能な生産と消費に関わる教育
中等科3年生が青森県南部町三八地区で農業体験を計画していたが、実施できなかった。

③人権・平和に関わる学習
中等科1年生の総合的学習 人権意識を高め、個性の多様性を認める姿勢を深める

「ハンナのかばん」の活動 第2次世界大戦中に迫害されたユダヤ人少女の所持していたかばんをもとにホロコーストについて書かれた本「ハンナのかばん」を題材に学ぶ。著者であり、NPO法人ホロコースト教育資料センター理事である石岡史子氏による講演会を行った。生徒は事前に本を読み、ホロコーストについて学ぶ。

④福祉に関わる学習
奉仕活動・ボランティアは全校的な活動としている。弱い立場にある人々への意識を高め、実践に取り組んでいる。
中等科2年生総合的な学習 テーマ「いのち」 障害のある人々との共生の姿勢の育成

視覚障害について専門家を招き、点字を学び、障害のある方の体験談を聞く

中等科3年生総合的な学習 高齢者体験  車いす実習、疑似体験を実施し、共感できる姿勢を育成する。

例年は学級ごとに高齢者施設を訪問しているが、今年度は実施できなかった。専門家を招いて、講演を実施した。

聖心女子学院高等科

学校全体としてSDGsの視点を大切にし、今年度は目標を「私から私たちへ」として、世界の一員の意識を育成しています。
1.模擬国連 国際関係について学んでいる日頃の活動の成果を活かし、ウクライナ侵攻の勃発に際し、情勢のレポートを全校にプレゼンして、生徒会・奉仕活動委員会と協力して支援のための募金活動を行ったこと。
2.PFC  これは企業との連携も進めています。エコ素材によるランチバッグの開発をしている。また、エコ素材のファイルの制作。ビニール傘のリサイクル活動。7月には女子校3校で海の環境などについてのワークショップも実施。
3.GBCP  発展途上校でフェアトレードに取り組んでいる企業家とのコラボレーション
4.生徒会  ユニクロの「服のチカラプロジェクト」への初・中高全体での参加
5.奉仕活動委員会 毎月の10円募金 日本動物愛護協会などへ寄付
6.11年生長崎研修旅行  被爆地訪問を通しての平和学習
7.ハンセン病について学ぶ 11年生の奉仕活動 ではハンセン病について学び、元ハンセン病患者の方々のための朗読ボランティアをしている。 12年生は国立ハンセン病資料館の見学を行う
8.カンボジア学習 カンボジアの平和構築、アンコールワット世界遺産、現地の中高生とのオンライン交流、SDGsの視点での開発理解、ACCUの寺子屋識字教育のオンラインワークショップの参加
9.SOFIS 姉妹校との合同で「持続可能な町づくり」についてのワークショップ
10.Sacred Heart LIVEやVirtual Collaboration Program 海外姉妹校とオンラインで繋ぎ、SDGsなどについて発表やディスカッションを実施
11.姉妹校短期交換留学 アイルランド、アメリカとメキシコの姉妹校と短期交換留学を実施
12.オーストラリア語学研修 ホームステーをしながら現地の学校の授業を体験

来年度の活動計画

聖心女子学院初等科

活動概要に示した以下の6つの項目について、さらに発展させていく。

  1. ハイチ・デー(募金活動)の活動  [国際理解・平和・人権]
  2. 海外の姉妹校との文通の活動 [国際理解]
  3. 環境に関わる学習 [環境・生物多様性]
  4. 特別支援学校との交流 [人権]
  5. 東日本大震災被災地支援の活動 [環境・エネルギー・人権]
  6. フィリピンの貧困に苦しむ方々への支援活動 [国際理解]

聖心女子学院中等科

2021年度も今年度に引き続き、SDGsについての取り組みを深める。

高等科と協力して、全校で難民支援、被災地支援、高齢者支援、障がいのある人との共生に関わる活動を行う

各学年の総合的な学習で学びを深める
中等科1年  ユダヤ人差別とホロコーストについて  「ハンナのかばん」
中等科2年  障がいについて学ぶ  手話、点字
自然との関わり    奥日光キャンプ・登山 あるいは代替の活動
中等科3年  高齢者について学ぶ
持続可能な消費    日本の農業について知る あるいは代替の活動

聖心女子学院高等科

今までの活動の継続、またコロナ前の活動の再開を計画しています。

1.11年の長崎研修旅行などの校外学習の実地開催
2.カンボジア体験学習の現地での実施
3. アイルランド、アメリカ(複数校)、オーストラリア(複数校)、台湾への姉妹校短期留学
4. カナダの提携校との短期留学
5. カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの姉妹校への一年留学
6. オーストラリアのFCJ Collegeの団体受け入れ
7. Virtual Collaboration Programなど姉妹校とのオンライン交流の継続
8. SOFIS、PFCなどの活動の継続