2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 持続可能な生産と消費

本園は「菜の花プロジェクト」を活動テーマとして、ユネスコスクールが重点的に取り組む ①環境教育、②世界遺産学習・無形文化遺産・地域の文化財、➂持続可能な生産と消費の3つの分野を通して、地域に誇りを持ち、思考力・判断力・表現力の育成を目標とした。

〇 菜の花プロジェクト

2010年より「菜の花プロジェクト」として菜の花を育て、油を搾って世界遺産の寺院に奉納として使い、その時に出る油の搾りかすを畑の肥料とするような循環型社会について学んでいる。

六条幼稚園の近くにある薬師寺や唐招提寺、ならまちにある元興寺の灯明の灯は、昔から菜の花の油を使っていることをお聞きし、子ども達が作った菜種油を灯明に使っていただくために奉納することで、歴史文化と自然、地域社会と子どもをつなぐことができると考えて取り組んでいる。このことを指導計画に位置づけ、地域やNPO、保護者の方々と協働して実施した。

(ねらい)

  1. 自分たちで作った油を薬師寺や唐招提寺、元興寺の灯明に使ってもらうことで、伝統を守り、受け継いできた奈良の人々の営みや心との重なりを感じる。
  2. 菜の花を見つめたり、触れたりする環境を準備し、毎日関わっているからこそ気付くことや、感じる思いを大切にする。
  3. 大人と園児たちの交流の中で、他者を受けとめたり、疑問を解決したりしながら活動を通して「受け継ぐ」事を体験する。

(年間の流れ)

  • 5/19 幼稚園・薬師寺菜の花の刈り取
  • 6/11 菜の花の種落し
  • 8/23 元興寺に油を奉納
  • 9/6 菜の花の種まき
  • 10/13 油搾り
  • 11/ 8 薬師寺に油を奉納
  • 菜の花の移植 (5歳児)
  • 唐招提寺に油の奉納 (4歳児)

菜の花を育て、油を搾り、世界遺産の寺院に菜種油を奉納し、灯明に使っていただく取り組みを継続し、感動することで、循環型社会を実体験として学び、また次の年へと引き継がれていくことを感じることができた。

今年度は新型コロナウィルス感染症のレベルが下がり、刈り取りや種落としは園児と行い、地域の世界遺産へは園から徒歩で行って、新生活様式の中での活動が定着してきた。その中でも身近な世界遺産に触れることで、地域に誇りを持つことにもつながり、地域や保護者の方など身近な大人とつながり、人や地域との絆の大切さを感じることができた。

菜の花の種落とし

唐箕(とうみ) 種がらと種の選別

NPO『宙(おおぞら)塾(じゅく)』『New』の方々

油奉納   薬師寺(5歳)

  油奉納   唐招提寺 (4歳)

 

○ 地域の赤膚焼きを作ろう (文化遺産の尊重 地域の文化に触れる)

赤膚焼きの窯元の方に来ていただき、赤膚焼き体験をした。初めて触る土粘土が色々な形に変化する土粘土の楽しさに気付き、自分の世界に浸りながら作品を作った。また焼き物になった作品を見て「色が変わってる!」と焼き物の不思議さに驚いたり、「硬くなって、本物のお皿になってる」と喜んだりしていました。地域の赤膚焼きを知り体験することで、自分たちの住んでいる地域に誇りを持つことに繋がっていった。

大塩 正史先生と一緒に

絵付け

園内作品展で展示

エリック・カールの世界

来年度の活動計画

○ 菜の花プロジェクト

令和4年度も継続して『菜の花プロジェクト』を行い、

  1. 菜の花を育てる。
  2. 刈り取って乾かす。
  3. 種を落として油を搾る。
  4. 油を奉納する。食用にする。
  5. 搾った油粕を肥料として、種を植える。

上記の循環で継続していく。このような循環型社会について学び、菜種油を世界遺産の薬師寺や唐招提寺・元興寺に奉納し、灯明として使ってもらうことで地域について学ぶことにもつながる。また、身近な大人と園児たちの世代間交流の中で、一緒に感じたり、疑問を解決しようとしたりする中で「受け継ぐ」ということを体験し理解する。

計画予定

  • 5/19 幼稚園・薬師寺の菜の花刈り取り
  • 6/15 種落し、油搾り
  • 8/23  元興寺に油の奉納
  • 9/15 菜の花の種まき
  • 10/20 菜の花を移植
  • 11/8 薬師寺に菜の花を移植 油の奉納 (5歳児) 唐招提寺に油の奉納 (4歳児)

○ 地域の文化財としての「大和のわらべうたで遊ぼう」

今年度はコロナの影響で触れ合い遊びができなかったが、レベルも下がってきたので、来年は奈良県内のわらべ歌を通して伝統行事や遊び、歌などに触れる機会をもち、私達の先祖から受け継いできた目に見えない文化財を引き継いでいきたい。