2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育

本校は、ESDの視点を取り入れたカリキュラム・マネジメントを中核として、「ESDを通して、人や自然や社会と意欲的にかかわり、自ら気づき、考え、行動できる児童の育成」を目標として掲げ、「誰一人取り残さない」という考えに立ち、学年に応じて、地球環境について自分が今できる活動を考え、実践できるように指導している。

ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野のうち「持続可能な開発および持続可能なライフスタイル」を受け、本校では特に「多面的・総合的に考える力」「コミュニケーションを行う力」「批判的に考える力」の育成に取り組んでいる。
具体的には、総合的な学習の時間を中心に教科横断的なつながりを示したESDカレンダーをもとに、SDGsを組み込んだ学習計画表を作成し、各教科、特別活動等も合わせ、教科横断的な学習を工夫している。

① 外部との連携を生かした環境教育

すべての学年で、地域や地元企業等と連携している。講師を招き、直接話を聞くことで、環境問題に興味をもち、主体的に自分の課題を設定するようにしている。
4年生の3R環境教室では、環境問題に取り組む地元の企業の方を講師として招き、学んだ。3Rについて意識を持ち、自分ができることを考えることができた。
6年生は、タカラトミーグループとの連携によるオンライン授業で、『SDGsを意識した人生ゲーム作り』を行った。タカラトミーグループの取組を通して、「誰一人取り残さない」というSDGsの目標を再確認し、環境問題に関心をもつことや自分らしく生きることに気付けた。多くの新たな視点をもつことができ、これからの自分の生活において、すぐにできそうなこと・頑張ったらできそうなこと・改善するべきことなどについて、深く考える機会となり、実践意欲が高まるとともに、「多面的・総合的に考える力」を養うことにつながった。

② 委員会活動を通した持続可能な未来に関わる活動

計画委員による「ヒーローマン活動」や「いっしょにあそび隊」では、児童主体でいじめ防止・なかよし活動を行い、人権尊重・協力・協働の精神を育んでいる。「つながりを尊重する態度」を養うことや「コミュニケーションを行う力」を培うことを目標の一つとしている。
環境委員会企画イベント「SDGsウィーク」は、クイズやぬり絵を通してSDGsについて親しめるような企画で、多くの児童が参加し大盛況だった。これらのイベントを通して、1年生のうちからSDGsに触れ、楽しみながら、未来のことを考えられる人に成長してほしいと願っている。

③ 防災に関わる活動

本校では、自分で自分の身を守る力、主体的に判断し行動する態度の育成を目的として、年間6回の避難訓練を行っている。年度当初には避難訓練の意義について、タブレットを活用して学んだ。児童は、緊急放送の際に自ら命を守るためにどうすればよいか判断し、正しい行動の仕方ができるようになってきている。
3年生では、公民館と連携し、地域の安全について調べ、5年生ではそれを発展させ、地域の防災士を講師として招き、防災学習を行っている。災害から身を守る術の一つとして、段ボール廃材を利用した簡易トイレやベッドを作成した。実際に体験し、感じたことや疑問に思ったことなどから課題追究を行った。「未来を予測し、計画する力」を身に付けさせることをねらいの一つとしている。

④ SDGsへの日常的な取組と外部への発信

児童は総合の学習の時間や特別活動等で、SDGsへの理解を深め、身近なできることから取り組んでいる。2階のユネスコホール(生活総合広場)には巨大なSDGsの達成掲示板があり、どのような取組を行ったかを紹介し合っている。互いの取組を見合うことで、自分の取組の範囲を広げている。
SDGsへの取組については、ユネスコスクール通信を通じて各家庭へ啓発し、保護者と児童がともに活動に取り組めるような機会を設けている。また、学校の活動については、学校だよりを配付したり、学校ホームページに掲載したりして、地域や外部への発信に努めている。児童だけでなく、家庭(保護者)への意識改革にもつながっている。

来年度の活動計画

引き続き、これまでの活動や実践を継続・深化・発展させていく。
コロナ禍の中、工夫しながら、外部との連携を促進し、児童が主体的・協働的に学習に取り組める環境を設定する。
ESDカレンダーをもとに、学びのつながりを意識しながら、児童が、自然のよさや大切さ、人や社会と関わる喜びを体感できるような体験活動を継続していく。
ユネスコスクールの一員という意識を持ち、さまざまな問題を自らの問題と主体的にとらえ、身近なこと、小さなことから取り組む姿勢を育んでいく。
これらの実践を通して、持続可能な社会の担い手の育成を図る。