2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, その他の関連分野

本校は、平成22年にユネスコスクールに加盟し、ESDについて研修・実践を始めた。「様々な課題解決に向け、知をつなぎ共に考え、より良い未来を創ろうと行動する子どもの育成」を学校目標、「よく考え共に学び合う子、心豊かで思いやりのある子、健康でたくましい子」を目指す児童像として、昨年度からは、ESDの視点を取り入れたカリキュラム・マネジメントを中核として、ESDの7つの能力・態度のうちでも特に「多面的・総合的に考える力」「コミュニケーションを行う力」「批判的に考える力」の育成に取り組んでいる。

具体的には、総合的な学習の時間を中心に教科横断的なつながりを示したESDカレンダーをもとに、SDGsを組み込んだ学習計画表を作成し、各教科、特別活動等も合わせ、教科横断的な学習を工夫し、①環境保全に係わる活動、②人権に係わる教育、③防災に係わる学習、④持続可能な未来に係わる学習を行った。

① 環境保全に係わる活動

生活科や総合的な学習の時間等の学習を通して、全ての学年で自然や環境保全に係わる体験的な活動を行っている。環境委員会の児童を中心 『コエ出し、エゴなし、エコ活動』というスローガンを掲げ、『エコパトロール』を行い、節電・節水・ゴミの減量化を推進している。また、今年度はSDGsウォークラリーを行い、低学年児童にもSDGsアイコンについて、楽しく活動しながら知らせることができた。

学校全体の取組として、校舎内に「生活総合広場」を設け、授業で行った環境にかかわる学習をまとめたものを掲示したり、児童が行ったSDGsに関する取組を自由に書いて掲示できるスペースを設けたりして、SDGsへの理解を深めることができた。

② 人権に係わる教育

いじめ防止担当教諭・人権教育主任を中心に、いじめや差別の防止、命を大切にする心を育む教育に力を注いでいる。助産師による「命の授業」や人権擁護委員と連携した「人権教室」を開催し、一人一人が大切な存在であることを伝え、お互いを尊重し、協力して物事に取り組む心情や態度の育成を図った。「ヒーローマン活動」や「いっしょに遊び隊」など、児童主体のいじめ防止・なかよし活動を継続して行い、人権尊重・協力・協働の精神を育んでいる。また、今年度はコロナ禍の中で、感染症対策のためソーシャルディスタンスを保ちながらも、いかに心を寄せ合って活動するか、コロナ差別について自分がどのように行動するかなど、改めて人権について考えなおすことができた。

③ 防災に係わる活動

本校では、例年、年間8回の避難訓練を行っている。(今年度については、感染症対策のため、避難経路を確認する活動のみ。)自分で自分の身を守る力、主体的に判断し行動する態度の育成を目的としている。児童は、避難訓練の予告があってもなくても、速報が出た際に自ら命を守るためにどうすればよいか判断し、正しい行動の仕方ができるようになってきている。

また、3年生の総合的な学習では地域の安全について調べ、5年生ではそれを発展させて防災に関する学習「地震から身を守る備えをしよう」を行っている。児童が主体的・協働的に校内の防災設備について調べたり校区内の安全マップを作成したりし、安心・安全で持続発展の可能性を高める社会について学習を行った。

④ 持続可能な未来に係わる学習

6年生の総合的な学習の時間では、小学校でのESDの集大成として、持続可能な未来に係わる学習「未来を見つめて」の学習を行っている。子ども新聞や写真ニュースの記事をもとに10年後の世の中や自分自身の姿(職業等)について考え、持続可能な未来に向けて取り組むべき課題を設定し、主体的・協働的に調べたり、意見交流で考えを深めたりしたことについて、プレゼンテーションソフトを活用してまとめている。

今年度から、4年生の総合的な学習の時間を利用して、中庭再生プロジェクトを立ち上げた。本校の中庭には100周年時に作られたメダカが住む記念池や果樹のある樹があるが、普段は児童の立ち入りが禁止されて、親しみのあるもとは言えない状況になっている。これを再生し未来につなげるべく環境整備を進めることになった。4年生を中心に、理想の中庭を考え、さらに整備を進めていく予定である。

来年度の活動計画

これまでの活動や実践を継続・深化・発展させる。校内研修の中に、ESDやSDGsに関する研修も位置づけ、ESDの視点を取り入れたカリキュラム・マネジメントを進めていく。ESDカレンダーをもとに、教科等横断的な視点で学習計画を立て、「課題設定→情報収集→整理分析→まとめ表現」の学習過程を重視した更なる授業改善を図る。また、SDGsとのつながりを意識しながら、ねらいのより明確な授業を工夫する。さらに、児童の主体的・協働的な活動を取り入れるようにする。

これらの実践を通して、持続可能な社会の担い手の育成を図る。

県内外のユネスコスクールとのネットワークの構築に努めたい。