2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 世界遺産・地域の文化財等, 健康

本校は、「国際社会の平和的、民主的発展に貢献できる人を育てる」を学校ミッションに掲げ、サイエンス教育・グローバル教育・ICT教育に力を入れている。そうした中で、個々の教育活動が“点”の状態とならないよう「SDGsで“つなぐ”キャリア教育」をコンセプトに、ESDの観点から従来の教育内容を再構築し、学校全体でESDに取り組む方法を現在模索している。今年度は、教育のあらゆる場面でSDGsとの関連性を意識することを目標に、①教員への啓発活動、②SSHに係わる教育、③教科教育、④国際交流活動を行った。

① 教員への啓発活動
SDGs関連資料を学内ネットワークに置き、教員がいつでも閲覧可能な状態としたり、ユネスコスクールから通知されるSDGs関連の研修案内を教員全員にメール配信するなどした。また、本校の教育活動を「見える化」しSDGsと結びつけたパンフレットの作成や、それを用いてSDGsについて学ぶ校内研修会を実施した他、各教員の取り組みを共有するSDGs教育実践報告書の作成を行い、教員相互の連携と各自の意識を高めた。

② SSHに係わる教育
NASAの元宇宙飛行士を招聘しての講演会や、琵琶湖に隣接する優位な地域性を活かし、他校と共同での水環境ワークショップを実施した。そのような教育環境の中、高校サイテック部がロボカップ世界大会で準優勝するなどの顕著な成果も現れた。

③ 教科教育
現在、年次進行で3年間の継続的な探究科目を設置しており、今年度は高校1年「Thinking Design (探究基礎)」を開講した。ESDで重視したい「批判的思考力」や「問題設定・解決力」、「協働する力」や「先を見通す力」などの育成に取り組み、3年次には卒業研究・卒業論文といった成果物を完成させることを目指している。

④ 国際交流活動
今年度はユネスコスクール海外校との交流を積極的に行った。韓国中学生との
Letter Exchangeやアートマイル国際交流壁画共同制作プロジェクトへの参加 (相手国:パキスタン)は新たな試みとなった。その他、マレーシア、中国、台 湾、ポーランドの中高生を受け入れ、多文化共生社会を体感するとともに、今後の在り方を考えることができた。

来年度の活動計画

 今年度に引き続き、「ホールスクールでESDを推進する」とはどういうことか、ということを念頭に置き、本学の教学理念である「平和と民主主義」を具現化するため、生徒主体の探究的学習の発展を目指したい。具体的には、次年度は“3年間の継続的な探究科目”の実施2年目に突入し、高校では文理に分かれた本格的な研究活動が始まる。これを「ESDで育みたい力(日本国内委員会ウェブサイトより)」を育成するためのコア科目と位置付け、生徒が教科横断的に課題解決力を養っていく環境を整えることとする。一方「探究」はあくまでもコア科目であり、日常の様々な学習が生徒個々の探究活動に示唆を与えるものでなければならない。その目的のため、横断的な学びを促すツールとしてSDGsを用いる教育実践を各所で実施しているという点を再度教員間で徹底し、継続することとしたい。また「ESDに対する教員の理解が進まない」(『年次活動調査考察』より)という全国のユネスコスクールが抱える問題は、本校が抱える問題でもある。従って、次年度も各教員による実践報告書の作成や校内研修会を実施し、相互の連携を密に図る。さらに、生徒による学びの成果も、他校との交流や学外コンテストの応募などを通じ、積極的に発信していく。