2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等

本校は、「国際社会の平和的、民主的発展に貢献できる人を育てる」を学校ミッションに掲げ、サイエンス教育・グローバル教育・ICT教育に力を入れている。そうした中で、個々の教育活動が“点”の状態とならないよう「SDGsで“つなぐ”キャリア教育」をコンセプトに、ESDの観点から従来の教育内容を再構築し、学校全体でESDに取り組む方法を模索してきた。今年度も昨年度に引き続き、教育のあらゆる場面でSDGsとの関連性を意識することを目標に、①教員への啓発活動、②SSHに係わる教育、③教科教育、④国際交流活動を行った。

①教員への啓発活動

教員がSDGsを学んだ先にどのような教育を生み出すことが可能か、ということを共有すべく、夏休みに校内研修会を実施した。今年度は学園内にSDGs推進本部が立ち上がったことから、SDGsを軸とした新たな高大連携の在り方を模索することができた。また、昨年度に引き続き、各教員の取り組みを共有するSDGs教育実践報告書の作成を行い、教員相互の連携と各自の意識を高めた。

②SSHに係わる教育

 琵琶湖に隣接する優位な地域性を活かし、高大連携の一環として水環境ワークショップを開催するとともに、滋賀医科大学において8回の連続講座と1日実験実習を行う医療基礎セミナーを実施した。こうした教育環境の中、中学生が第7回科学の甲子園ジュニア全国大会に出場したり、高校サイテック部がロボカップ世界大会で総合3位に輝いたりなどの顕著な成果も現れた。
③教科教育

現在、年次進行で3年間の継続的な探究科目を設置しており、今年度は高校2年生必修「理数探究Ⅰ」「文社探究Ⅰ」を開講した。これをコア科目とし、1年次に履修した「Thinking Design(探究基礎)」での学びを踏まえ、ESDで重視したい「批判的思考力」や「問題設定・解決力」、「協働する力」や「先を見通す力」などの育成に取り組んだ。

④国際交流活動

 今年度は新たにグローバルコースが新設されたことから、多くの生徒が海外での研修に参加した。■イオンワンパーセント・Asia Youth Leaders in ハノイ■ 立守GlobalLeadership Program「ピーススタディプログラム」(ポ—ランド・ドイツ)■ StudentEnergy Summit in ハワイ■ Summer Life Changing Experience(SLICE)■ トビタテ!留学JAPAN(アメリカ・カンボジア)などがあげられる。また今年度もアートマイル国際交流壁画共同制作プロジェクトに参加(相手国ルーマニア)した他、アメリカ、中国、アラブ首長国連邦、ポーランドの中高生を受け入れ、多文化共生社会を体感するとともに、持続可能な社会の在り方を考えることができた。

来年度の活動計画

 本校では、SDGsの達成に必要な態度や能力を、①自分の領域に留まらず、社会につながり将来に学び続ける挑戦心を持つ人(Beyond Borders)、②豊かな教養と科学的思考力をもち、自ら課題を設定し解決できる人(Scientific Thinkers)、③異なる文化を尊重し、国際的課題に対して公正で建設的な議論や協働活動ができる人(Global Competency)、④他者や未来社会への思いやりをもち、新しい価値創造のために貢献できる人(Creating a Future)として定義し、探究型・課題解決型の学びの指標の一つとしている。昨年度開講の「Thinking Design」、今年度開講の「理数探究Ⅰ」「文社探究Ⅰ」に続けて、次年度は高校3年「理数探究Ⅱ」「文社探究Ⅱ」等を開講し、異分野をつなげる力と新たな物事にチャレンジするアントレプレナーシップ教育につなげたい。またこれに伴い、従来のような定期考査中心に学力定着を図る指標から、ルーブリック評価や教科・科目に応じたパフォーマンス評価等、新たな評価指標を構築していく予定である。