2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 気候変動, エネルギー, 環境, 平和, 人権, 持続可能な生産と消費, 食育, その他の関連分野

連光寺小学校のある地域は、古くからの歴史や里山が残っている。ESDに取り組む以前から、こうした地域の良さをいかした教育活動を行ってきたが、ESDとして一層地域との結びつきを深めたり、地域の外にも児童は目を向けてたりして行動するようになった。6年間を通して、発達段階や学習活動のつながりを考えてESDで能力・態度を育て、学年間のつながりのある生活科・総合的な学習の時間のカリキュラムをつくりあげることがきた。今年度は、ESDの評価研究を中心に取り組みを行った。ポートフォリオ評価とルーブリックの活用がESDの評価に適していることを確認することができた。
1 ESDで育む6つの能力・態度
<知識及び技能>
ア 環境や社会の仕組みを理解する。イ 学び方を身に付ける。
<思考力・判断力・表現力等>
ウ 課題をつかみ考え判断し解決する。
エ 価値を見いだし思いや考えを伝える。
<学びに向かう力・人間性等>
オ 人・自然・社会に関心をもち、意欲的に関わる。
カ 協力してよりよい社会をつくろうと行動する。
2 各学年の取り組み
どの学年も、育成する能力・態度に合った活動を計画し、問題解決のプロセスを活用して活動を行った。
①1年生の主な学習活動「多様な自然体験」
一年間、季節を追って校庭や学区の野原や公園で、生き物や樹木、草花などに触れ合ったり、友達と一緒に、自然や身の回りの物を利用した道具で遊んだりしながら、自然と関わる楽しさや自然の不思議さに気付く活動をしている。
②2年生の主な学習活動「まちたんけん」
一年間を通した「まちたんけん」の活動では、地域の公園などを中心に、関心をもって探検して地域の人々との交流することで、地域と自分との関わりに気付く。「連光寺のすてきなことを伝えたい」という思いを大切にして発表活動をする。
③3年生「トライトライ」
一年間の活動を通して、総合的な学習の時間の学び方の基本を身につける。連光寺の歴史や自然をテーマに探究活動を進め、主体的に「課題発見・計画・実施・発信・行動」に取り組むことを通して、仲間と協働で活動したり、自分たちの思いや考えを発信したりする力を養っている。e-ポートフォリオを試行した。
④4年生「川は自然の宝箱」
多摩川での共通体験を行ない、それぞれの興味や関心にそって、個人の追究テーマを決める。テーマには、魚・石・水質・鳥・植物などがあり、課題別にグループで活動していく。専門家の方に調査方法を教えてもらい、探究活動を進める。
⑤5年生「連光寺SATOYAMAプロジェクト」
川の源である地域の里山を舞台に、前の学年で学習したことをもとに、さらにESDを発展させていくのが5年生の探究活動である。地域の谷戸田での米作りと環境保全活動。さらに、個人のテーマをもち、里山での動植物の調査をしながら、里山の価値や環境を守ることについて探究活動を進めた。地域の方々や専門家の先生方に協力してもらっている。
⑥6年生「未来に優しいエネルギー」
これまでの学習を活かし、さらにグローバルな視点をもつことを目指した。風力発電や太陽光発電などに取り組むことで、自然エネルギーの可能性を探り、持続可能な社会の在り方を考える。さらに、国連「持続可能な開発目標SDGs」について学びながら、これからの社会について考え発信した。子どもたちが発電した電気で、駅前にイルミネーションを点灯させ、環境保全を訴えた。

 

来年度の活動計画

今年度は、ポートフォリオ評価とルーブリックの活用について研究した。ESDの評価方法について一定の手応えを得たが、全学年で充実した評価活動にするために評価の研究を継続する必要がある。特に、一人一台のタブレットPCを活用したe-ポートフォリオの活用を図ることを活動の中心としたい。児童が自己の成長を自らつかみ、適切な自己評価をすることがより主体的なESD活動につながると考えている。