2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・地域の文化財等, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校は、加賀産業道路沿いで小松市南部に位置し校区の里山はたけのこの産地でもある。最近は、大型商業施設が近郊にでき、人口も少し増える傾向にあるが、全校児童125名の小規模校である。学校の周辺には田畑が多く、住民意識は素朴で教育に理解があり、地域ぐるみで子どもたちを育てる雰囲気が残っている。

平成29年3月14日に日本ユネスコ国内委員会から「ユネスコスクール」に認定されたこともあり、「ボランティア活動普及事業」を持続可能なまちづくりの視点で捉えることも考えてきた。ユネスコの「世界遺産や地域の文化財等に関する学習」の観点と結びつけ、地域の伝統文化とふれあえる機会を設定してきた。「ふるさと学習」を通して伝統文化の継承と郷土愛の育成をめざすとともに、その活動発表と交流が持続可能なまちづくりにつながっていくと考えている。

「ふるさと」から学ぶ活動

(1)お山(学校周辺の里山)

お山は子どもたちの遊び場である。3年生はお山の植物の調べ学習を行い、秋には、親子で奉仕活動として掃除を行っている。

(2)がめつき音頭

蓮代寺には川がないため農業用の溜池がいくつもある。4年生は、大切な水を確保するため、土手が崩れないよう、数人で固める仕事が江戸時代の後半から昭和の始めまで行われていたことを学習した。その重労働が「がめつき」と呼ばれ、その時、元気を出そうと歌われたのが「がめつき音頭」であると学んだ。

(3)蓮代寺太鼓

毎年、5年生児童は、地域講師の山本先生から長年に渡り地域に伝わっている「蓮代寺太鼓」の打ち方や太鼓の由来について学んでいる。加賀一向一揆の蓮台寺城の戦いに関連する歴史についても学んでいる。

(4)地域の農業

5年生は、地域の向出先生の指導を受けて、田植えや稲刈りを行った。

ふるさとで昔行われていた手作りを体験することは、地域の農家が苦

労した米作りについて知る良い機会となった。

3年生は、近くのりんご園を訪ね、りんごの成長収穫の喜びを学ぶ

ことができた。地域で作物を育て食べる「地産地消」の考え方にも

つながった。

来年度の活動計画

残そう、伝えよう地域の伝統文化~持続可能なまちづくり~

地域の伝統文化を継承していくことは、持続可能なまちづくりには欠かすことができないものであると考えている。

各学年の学習内容に応じて「ふるさと学習」を展開してきたことにより、子どもたちは、地域の多くの人々とふれあうことができた。そして、その活動を通してふるさとを大切にしようとする「郷土愛」を育むことができたのではないかと考えている。また、開かれた学校をめざし、参加型のコミュニティースクールに近付けたのではないかと考えている。

 「ふるさと学習」の継続は、ふるさとの良さの再発見につながり、このまちに住み続けていきたいという気持ちを持つことなると考えている。また、子どもたちは、まちを守り続けてきた人々に対して敬意を持つことができるのではないかと考えている。

「地域の伝統文化への考えはグローバルに、その伝承は地域から発信する。」を合い言葉に、今後とも実践していきたい。