2024年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, エネルギー, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 食育

※羅臼町立知床未来小学校は、羅臼町立羅臼小学校と羅臼町立春松小学校が統合し、令和8年度に開校しました。

(旧)羅臼町立羅臼小学校

1.本校のESDの特徴

「時代の変化に対応できるよう、個性を磨きながら人間性を豊かにしていく児童を育てる」をテーマに教育活動を実践している。

本校は、教育過程特例校の指定を受け「知床学(海洋教育)」を教育課程に位置付けている。探究的・体験的な学習を通して地域の自然や環境、産業などに関心をもち、よりよく課題を解決する資質・能力の育成を目指すとともに、「ふるさと 羅臼」に対する愛着や誇りを育み、地域に貢献できる人材の育成を目指している。

2.活動事例

A.クマ学習

知床財団の協力のもと、第3学年、第5学年においてクマ学習を行った。写真や映像、模型などを活用し、触れる・考える・知るといった学習活動を通して、「羅臼町でのクマの被害」「羅臼町が抱えるクマに関する課題」「ヒグマとの共存の方法や出会った時の対処法」など、人とクマの暮らしが隣り合っている羅臼の現状を学んだ。なお、クマ学習は、羅臼町幼小中高一貫教育で系統的に教育課程に位置付け学習を展開している。

B.漁業に関する学習

第4学年において、地域の料理サークルや漁協青年部の協力の協力のもと、「ホッケのかまぼこ作り」や「鮭フレーク作り」等を通して羅臼の漁業について学んだ。また、地元の漁師の方からお話を聞いたり、加工場を見学したりすることを通して、羅臼の漁業の特徴や課題について学びを深めた。

第5学年において、「羅臼昆布」を探究課題として学習を展開した。「羅臼昆布の美味しさの秘密」等について、羅臼漁協や昆布漁師の方の協力を得て、取材や体験的な活動を通して情報を収集した後、「羅臼昆布図鑑」やポスターにまとめ、道の駅等に掲示してもたった。また、羅臼町海洋教育発表会でプレゼンテーションを行い、町内の小・中・高校生や地域の方々に、学んだことを発信した。

 

C.ブルーカーボン学習

根室振興局の協力のもと、第6学年においてブルーカーボン学習を行った。第5学年での昆布学習と関連付けて考えることで、羅臼町が進めているブルーカーボンの取組について理解を深めた。

3.成果と課題

知床財団や漁協組合等、地域の方々との連携を継続してきたことで、外部講師の方々にも知床学(海洋教育)やESDの理念が浸透してきており、学習活動の充実に繋げることができた。

一方、教科等横断的な視点から教育課程を整理することで、より一層効果的に学習を進めることができる。時代や地域の実情を踏まえながら、教育課程の改善を図っていく必要がある。

(旧)羅臼町立春松小学校

本校は、「自然豊かな羅臼町に生まれ育った子どもたちが、ふるさとへの誇りと愛着をもち、社会の急激な変化や困難な場面に直面しても、多様な人々との対話や協同を通じて、自らの夢や目標の実現に向け、人生を切り開いていく」ことを学校教育目標として、ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を通して「豊かな関わりを通して学習する理念と方法」と捉え、ESDの実践を通して「自立の力と共生の心を育む」力の育成を目標とした。

具体的には、海洋、環境、防災、生物多様性を柱に、①知床の海に係る活動、②環境に係る学習、③地震と津波に係る学習、④熊に係る学習を行った。

  • 知床の海に係る学習

水産業が盛んな地域である羅臼町の水産業について学ぶため、市場や道の駅販売店見学などの校外学習を行うと共に、漁業に携わる女性団体「美活塾」の協力を得て、羅臼で獲れる魚介類のさばき方を教えてもらう調理体験活動、漁業協同組合青年部の協力を得て、水産自然や環境を守りながら漁業を営む人々の苦労や願いを知ると共に、これからの水産業の在り方を考えた。

  • 環境に係る活動

自分達が使う水道水の用途や量、送られてくる経路、水源を確保するための取組について浄水場の見学を通して学んだ。また、豊かな自然による水の確保について、ポイ捨てなどのゴミが悪影響を及ぼしていることを学んだ。

  • 地震と津波に係る学習

幼稚園や地域の方と合同避難訓練を実施すると共に、6年生を対象に北海道教育大学釧路校の境教授とその研究室学生の協力を得て、地震により発生した津波についての学習を行った。この学習は「国後島があれば、津波の被害はないのだろうか」のテーマの下、大がかりな津波発生実験装置を使い、「普通の波」と「津波の波」の違いについて考え、地震が発生した際の自分がとるべき行動について学んだ。

  • 熊に係る学習

世界自然遺産の地に住む子ども達が「自然豊かな羅臼」の価値について考え、それを守り維持する重要性について学ぶため、「知床財団」の協力を得て、熊に遭遇したときの対処方法、熊を取り巻く生態環境について学んだ。

来年度の活動計画

(旧)羅臼町立羅臼小学校

ブルーカーボン学習について教育課程への位置付けを見直したり、地域の教育資源の活用について充実を図ったりするなど、教育課程を改善することで、これまでの「知床学(海洋教育)」の成果を継承するとともに、更なる充実を図っていくことを通して、「ふるさと 羅臼」への愛情と誇りをもち、地域に貢献できる人材の育成を目指していく。

(旧)羅臼町立春松小学校

基本的に今年度の取組である、海洋、環境、防災、生物多様性を柱に活動を継続する。

主に、「総合的な学習の時間」や「知床学(海洋教育)」を中心に各教科と関連付け、横断的・総合的な学習を行うことを通して、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目指す。

特に、海洋資源や自然環境について学ぶ取組について、町内の小中高校生が一同に会し、「ユネスコスクール発表会」にて、地域への積極的な情報発信に取り組むと共に、学習内容の充実を図る。

また、「知床学(海洋教育)」の推進のため、沖縄県西表島の竹富小学校との地域学習交流を通して学習内容の定着を図る。