2019年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 海洋, 気候変動, 環境, 世界遺産・地域の文化財等
本園では、身近な自然での体験を重ねる中で、その素晴らしさや豊かさに気付き、積極的にかかわろうとする、また発見したものや体験したことを生活の中で生かしていこうとしたり、自分達の住む羅臼が好きになり、自分達が大人になった将来も今あるこの環境を大切にしていこうとする幼児を育成することを目指し、豊かな体験活動に取り組んできました。
具体的には、①身近な自然と触れる中で、その美しさ・不思議さなどを全身で感じ取る体験を大切にする。②身近な動植物に関心をもち、生命の尊さに気付き、自然を大切にする心を育てる。③地域の人々と交流し、地域の産業や自然について理解を深め、豊かな人間性を育てる。④自然や社会のすばらしさを知り、ふるさとを愛する心を育てる活動を行いました。
①身近な自然と触れる中で、その美しさ・不思議さなどを全身で感じ取る体験を大切にする。
【実践例】
~ルサ・フィールドハウスやビジターセンターなどの施設見学~
地域の施設や自然環境に興味や関心を広げる目的で、地域の自然について学べる「ルサ・フィールドハウス」や「ビジターセンター」の施設見学を行いました。施設では、クジラやシャチの鳴き声などを聞くことができる装置があり、子ども達は興味をもって聞いていました。2階には、双眼鏡が置いてあるので海を眺めることができ、運がよければクジラ類を観察することができるようです。子ども達は、うれしそうに海を眺めたり、たくさんの剥製に触ったりしながら自分達が住む町の動植物に愛着をもつことができました。
ビジターセンターには、年に数回、施設見学を行いました。幼稚園から少し離れていることもあり、普段はなかなか利用することができない施設ですが、その施設には知床に住む動物の剥製、知床や羅臼の歴史や動物について説明しているパネルが展示されています。施設内には巨大なスクリーンもあり、知床の自然についての映像を見ることができ、興味や関心をもちながら自然について学びました。
②身近な動植物に関心をもち、生命の尊さに気付き、自然を大切にする心を育てる。
【実践例】
~クマ学習~
知床財団の方が来園し、「クマ学習」を行いました。クマは、時には人を襲う、怖いものというイメージがありますが、実は木の実や草を食べる動物であることや臆病な一面もあることも学びました。知床財団の方がもってきたクマの剥製(毛皮)を触ることができ、クマに抱きつき、「お友達になっちゃった」という子もいました。羅臼町では、町中にクマがでたという話がよく聞かれます。クマと共存していく中での気をつけることや出会ったときにどうすればいいかのお約束(あさはゆき)についても勉強しました。
③地域の人々と交流し、地域の産業や自然について理解を深め、豊かな人間性を育てる。
【実践例】
~市場見学や海上保安庁来園~
市場見学では、毎年見学を行い、どうして羅臼には300種類の魚がいるのか、おいしい魚がとれるのか漁協の方から教えてもらいました。市場見学の後は、漁協直営の「海鮮工房」に行き、せりで売られた魚が商品として並んでいるのを見ることができました。また、たくさんのお客さんが、地元の海から捕れる魚を買っている様子を見て、羅臼の海の大切さや海を守るという気持ちが生まれました。
また、海上保安の方が幼稚園に来園した際は、海の環境問題についての紙芝居を見せてもらい、海の環境問題(プラスチックのゴミ問題)や海を守るための人達ががいろいろな活動をしていることを知りました。海をきれいにしようとする気持ちや自分達がどうしたら海を守っていけるのかなど、改めて感じることができました。
④自然や社会のすばらしさを知り、ふるさとを愛する心を育てる活動
【実践例】
~郷土資料館見学~
町内にある郷土資料館を訪れ、羅臼の歴史について学びました。施設には、羅臼に関する昔の資料・昔に使われていた物や模型、動物の剥製などが展示されていて。施設の職員の方からお話を頂きながら施設内を回り、自分達の住む羅臼について学びました。
来年度の活動計画
(主な活動)
春~生き物探し、食べられる野山の草、野菜を育てよう
夏~クマ学習、郷土資料館見学、市場見学、海で遊ぼう
秋~秋の生き物探し、畑でとれた野菜で料理を作ろう、漬物作り
冬~雪や氷で遊ぼう、ビジターセンター見学など
その他~ 海洋教育(昆布学習)