2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 気候変動, 環境, 文化多様性, 食育

本園では、身近な自然での体験を重ねる中で、その素晴らしさや豊かさに気付き、積極的にかかわろうとする、また発見したものや体験したことを生活の中で生かしていこうとしたり、自分達の住む羅臼が好きになり、自分達が大人になった将来も今あるこの環境を大切にしていこうとする幼児を育成することを目指し、豊かな体験活動に取り組んできました。

具体的には、①身近な自然と触れる中で、その美しさ・不思議さなどを全身で感じ取る体験を大切にする。②身近な動植物に関心をもち、生命の尊さに気付き、自然を大切にする心を育てる。③地域の産業や自然について理解を深め、豊かな人間性を育てる。④自然や社会のすばらしさを知り、ふるさとを愛する心を育てる活動を行いました。今年度、予定していた活動ができないこともあったが9

 

①身近な自然と触れる中で、その美しさ・不思議さなどを全身で感じ取る体験を大切にする。

~園庭遊び・散歩活動~

今年度は感染症対策のため、年間計画どおりに園外保育や施設見学などを行うことができず、日々の保育の中で、幼児にどんな力をつけてほしいか、どのような体験ができるかなどに着目しながら保育を行ってきました。主に、散歩活動では同じ場所を何度も訪れることで、自然の変化に気付いたり、楽しんだり、自然の不思議さ、美しさなど感じていました。その感じたことを言葉で、友達や教師に伝え合う姿が増えてきました。

 

②身近な動植物に関心をもち、生命の尊さに気付き、自然を大切にする心を育てる。

~クマ学習~

今年は知床財団の方が来園しての「クマ学習」を行うことができず、教師が講師となり、全園児に「クマ学習」を行いました。昨年度までは年長児しか「クマ学習」を行っていませんでしたが、他のクラスの年中・年少児も興味をもって話を聞き、クマは時には人を襲う、怖いものというイメージがありますが、実は木の実や草を食べる動物であることや臆病な一面もあることも学びました。人間が餌を与えることで町中に降りてしまい、そのために銃で撃たれてしまう現実を知り、悲しんでいる子もいました。

羅臼町では、町中にクマがでたという話がよく聞かれます。クマと共存していく中での気をつけることや出会ったときにどうすればいいかのお約束(あさはゆき)についても勉強しました。

 

③地域の人々と交流し、地域の産業や自然について理解を深め、豊かな人間性を育てる。

・昨年度の経験(昆布番屋見学、市場見学、5年生との昆布学習、津波授業)から、羅臼の海や魚、昆布について考えたりする幼児が増え、地元への愛着が育まれてきた。年長児は、「大人になっても、この町がきれいにであってほしい」と、町内のごみ拾いを自分達で計画して行いました。

 

④自然や社会のすばらしさを知り、ふるさとを愛する心を育てる活動

・散歩活動(町探検)をし、商店街、市場・港、神社などを訪れ、自分達の住んでいる町の建物や施設に興味を持ったり、地域の人との交流を楽しんだりしました。地域の方も幼稚園に訪問し、幼稚園児との触れ合いを楽しみ、地域の方々も幼稚園児の成長を温かく見守ってくれています。

来年度の活動計画

(主な活動)
春~生き物探し、食べられる野山の草、野菜を育てよう、町探検

町内ゴミ拾い

夏~クマ学習、郷土資料館見学、市場見学、海で遊ぼう、町探検

秋~秋の生き物探し、畑でとれた野菜で料理を作ろう、漬物作り
冬~雪や氷で遊ぼう、ビジターセンター見学など

その他~ 海洋教育(昆布学習)