2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校では,各教科との関連を図りながら,地域の教育資源を活用し,「ふるさと羅臼」を包括的にとらえる「知床学(海洋教育)」の学習を通じ,SDGsの17の目標を重点にした総合的な学習の時間を展開した。

 

  • 知床の人・物・自然からの学び

専門的な知見をもつ漁協職員,知床財団職員や漁業を生業とする保護者を講師として招き,直接体験を通じて学んだ。具体的な学習として第1・2学年では,地域の自然や仕事について活動を通して学び,第3・4学年では,地域の自然や産業について自ら課題を設定し,地域の方へのインタビュー等を活用した調べ学習で課題解決する学習,第5学年では羅臼昆布を題材として地域産業について学び,第6学年は,これまでの学習で学んできた羅臼のよさを行動とともに発信する活動につなげた。

② 地域の良さを実感する活動

全学年の児童を対象に,直接体験を通して学ぶ「羅臼探検隊」を組織した。羅臼川を主な活動場所として,川遊びや魚取り,ゴミ拾いなどを行った。また,川に鮭が遡上する季節には,鮭の定置網の水揚げの様子を見学するなどの活動を行った。この組織は,地域住民や大学生などが児童と一緒に直接体験を行ことで,児童はよりくわしく地域のすばらしさを知ることができた。また活動に参加する大人の姿から将来自分が地域住民の一員として,活動する姿を考える機会になっていた。

③ つながる「羅臼昆布図鑑」の学び

第5学年では羅臼昆布を題材として,児童が自然環境や昆布業などのグループを作り,実験や調査を通し課題解決を行った。そしてそれぞれのグループの学習を1冊の「羅臼昆布図鑑」として刊行し,外部に発信した。

これらの学習を通じ,児童は羅臼昆布についての知識をもつだけでなく,昆布という題材を通し,学びのつながりの中でより地域への愛着を深め,自分が大人になったとき,地域を支えようとする気持ちを育むことができた。

さらには,様々な方との対話・交流からコミュニケーション能力を伸ばし高めることができた。

④ 「ふるさと羅臼」を守る活動へ

第6学年では,「羅臼に残したもの」をテーマに活動を行った。

リーフレット等を作成し発信するグループ,ボランティアを募り地域の温泉の清掃活動を行うグループ等をつくり,それぞれが地域の魅力を伝える活動を行った。

6年間の活動で,一つの気づきを次の学びにつなげ発展させることができるようになった。また具体的な活動を企画し行動することを通し,協働する喜びややりがいを実感する学びとすることができた。

来年度の活動計画

これまで取り組んできた「知床学(海洋教育)」を継続して取り組み,児童に地域社会の一員として地域を守っていくことの大切さやどのように行動すればよりよい方法で地域を持続させていくことができるかを考えさせ,ふるさと羅臼を愛する児童に育てたい。そのために,羅臼の人材や施設を積極的に活用し,人との繋がりや専門的な話,実体験を通して学びを深めていきたい。