2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

気候変動, エネルギー, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 福祉, 持続可能な生産と消費

本校の学校教育目標は、「豊かな心をもち、自ら考え行動する子供を育てる」である。これは、ユネスコが提唱する『学びの4本柱』(知ることを学ぶ、為すことを学ぶ、人間として生きることを学ぶ、共に生きることを学ぶ)とも理念を共有するものである。ユネスコスクールの活動としては、学びの4本柱を学習の中に位置付け、教育活動を行った。その具体について、6年生の活動を通じて以下に報告する。

6年生の総合的な学習の時間のテーマは「自分らしさをみつけよう!~今できることは何かを考え、自分の可能性を伸ばそう~」である。そこで、1・2学期は「津沢の町を笑顔にしよう!~キッズショップにチャレンジ~」と題して、地元の朝市での出店活動を通じて、町の人に笑顔になってもらうことを目標として活動に取り組んだ。

①知ることを学ぶ(複雑な世界の理解に備え、将来の学習のための基礎を作る)
子供の多くは、買い物で買い手の立場になったことはあるが、売り手の立場になったことはない。そこで、小矢部市商工会津沢支所女性部の方々を招き、仕入れや値段の付け方、陳列等、商売の方法について学んだ。子供は、普段何気なく買っているお菓子や洋服がどのようなプロセスを経て手元に届いているのか、より実感をもって理解することができた。

②為すことを学ぶ(グローバル化する経済や社会において機能するためのスキルを身に付ける)
より多くのお客さんに来てもらうために、子供はそれぞれの店ごとにチラシ作りを行った。チラシを製作する際は、相手の目につくように値段の数字を大きくしたりイラストを入れたりするなど、子供は本物のチラシがどのように作られていたかを意識し、印象的なチラシになるよう工夫して作ることができた。
また、休み時間を利用して、教室へまで足を運んだり、廊下を通る人に声をかけたりしながらチラシ配りも行った。その際に子供は、下学年には平易な言葉で話しかけて楽しいイメージが伝わるようにし、上学年には特徴的な商品や値段について具体的に伝えるなど、相手に応じた関わり方を学ぶことができた。

③人間として生きることを学ぶ(個人がそれぞれの知的・社会的な可能性を生かせる、バランスの取れた情緒と身体を育む。)
活動を円滑に進めていくために、子供たちで役割分担が必要となった。そこで、リーダー性があり全体をまとめるのが得意な子供は社長、人とコミュニケーションをとることが得意な子供や字やイラストが得意な子供は営業担当、計算が得意な子供は会計担当など、自分たちの強みを生かしながら役割分担を行い、活動を進めた。この活動を通じて、互いの長所や特徴等、一人一人のよさについて改めて認め合う機会となった。

④共に生きることを学ぶ(個人や社会が平和的に共存できるよう、社会のあらゆるレベルでの人権・民主主義・異文化理解と尊重・平和関係に触れる)
朝市の主な客層は、地域の方々、保護者、子供である。そこで、それぞれの客層の立場になり、どのような物を欲しているか、店ごとに話し合った。話合いでは、製作する商品について意見が一致しない店もあったが、「津沢の町を笑顔にする」というテーマに立ち戻り、「相手も自分たちも笑顔になる」ということを意識し、粘り強く話し合いながら商品製作を進めた。
そして、当日の朝市では多くの来客があった。商品の売買を通じて「すてきな商品だね」「ご購入ありがとうございます」等のコミュニケーションが生まれ、商売にはお金と物のやり取りだけでなく、温かい心の交流や、交流を通じた地域や社会との親密性の醸成があることに気付いた。

   

来年度の活動計画

ユネスコスクールの理念の実現に向けて、来年度も総合的な学習の時間を中核に据えて、以下の活動を展開していく予定である。
3年生・・・わんダフル津沢~わたしたちのふるさと すてき発見!~(地域の文化財)
4年生・・・よりより環境へ!自分たちができることにチャレンジ(環境)
5年生・・・ハートほっとの輪を広げよう~大切な人を笑顔にしたい~(福祉)
6年生・・・自分らしさを見つけよう!~今できることは何かを考え、自分の可能性を伸ばそう~(キャリア教育)