2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 人権, 福祉

「地域に愛着をもち,自ら活動できる大清水っ子」をテーマに,総合的な学習や教科などでESD活動を進めている。ESD活動を「他者とかかわり協力・協同して実践する」「地域社会に主体的に参加する」「多面的に物事を考え自ら実践する」態度や能力を育てる場ととらえ,地域のさまざまなキャリアをもつ方々との交流を行っている。

①防災にかかわる活動(6年)

昨年度の6年生が作成した防災ポスターを見て,子どもたちは「学校にも危険なところがあるんだ」と考え始めた。校内を調べてみると,安全対策が取られていることがわかった。一方,家庭では「家具が固定されていない」「非常食がない」等,対策が取られていないところが多かった。非常用持ち出し袋の必要性について考えたり,出前授業での起震車体験や避難所体験をしたりすることを通して,近い将来におこるといわれている南海トラフ地震を自分事として考えることができるようになってきた。さらに,学習や体験を通して学んだことから新聞を作成し,家庭や全校に呼びかけた。これらの活動を通して,防災について多面的に考え,情報を発信する力を育てることができた。

② 地域にかかわる活動(3年)

「どうして大清水校区はショウブを大切にしているのだろう」という疑問から,家の人にインタビューしたり本などで調べたりした。地域の方を招いて,大清水校区には,昔,大きな湧き水があってノハナショウブが群生していたこと,開拓の時代があったことなどの話を聞いた。その後,「自分たちもショウブを大切にしていこう」と,地域の方に教わりながら,一人一鉢のハナショウブを植えて育てている。また,1年生にもショウブについて知ってもらおうとクイズを考え,教室を訪問して発表した。一連の活動を通して,子どもたちに校区を大切に思う心を育むことができた。

③ 福祉・人権に係わる活動(5年)

総合「支え合って生きる」の学習では,地元の高齢者施設との交流を計画していたが,感染症の状況を踏まえて中止となった。さまざまな体験活動が制限された中で自分たちにもできることはないか,施設の方に相談して考えた。そして,「遊び道具を作って,お年寄りに楽しんでもらおう」という取り組みを行った。5年生全員でお年寄りが安全に楽しく遊べる道具を作り,施設へ届けることができた。施設のお年寄りには,5年生の作った遊び道具で楽しく遊んでいただいた。施設からお礼の手紙が届いたことから,子どもたちは,すすんで関わり合い,助け合うことがよりよい社会づくりにつながることを学び,社会に参画する力を育むことができた。

 

来年度の活動計画

コロナ禍の収束が見通せない中であるが,来年度も子どもたちが自ら問題を見つけ,活動に結びつくことができるような内容を考えて実践していく。そして,活動がその年で終わることなく持続し,活動によって得られた知識や経験が子どもたちの「生きる力」となるように内容の充実を図っていく。そのために,地域との関わりを継続し,新たな学びにつながるように学習を展開していく。また,子どもたちが活動するたびに得られた思いや学びを学年の実態に合わせてさまざまな形式でまとめ,地域に発信することで,子どもたちの成就感や自己肯定感を育成していく。