2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 環境, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 食育

本校は「心豊かで,共に学び,しなやかに生きる子どもの育成」を学校教育目標として,

ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野のうち②持続可能な開発および持続可能なライフスタイルを通して,児童が現代社会の課題に対して主体的に考え,課題解決に向けて積極的に行動していこうとする実践力を身に付けさせていくことを目指している。

本年度は,数ある中で特に二つの実践例を紹介したい。

 

1.震災遺構見学などの防災・減災学習

本校では,東日本大震災以降10年以上,被災地である山元町を訪問し,児童が復興支援に携わったり,当時の被災地の様子を見学したりする活動を行ってきた。本年度は,防災・減災を目指した学習に重点を置いて活動に取り組むことにし,まず震災遺構である旧山元町立中浜小学校を5年生が見学した。当該施設の中に実際に入って,当時中浜小学校の低学年の担任だった方を語り部としてガイドしていただきながら,当時の震災の様子について説明を受けたり,町の中の案内を受けながら避難体験活動を行ったりした。こうした活動を通して,東日本大震災後に生まれた児童にとって,こうした体験談を踏まえた見学は,大変大きな刺激となった。その後,見学のまとめを行った5年生が4年生に伝える活動を行ったり,学習してまとめたものを昇降口に掲示したりして全校児童に防災・減災の意識の大切さを広げた。

 

2.ジェンダーレスの運動着の導入

本校では,スクールカウンセラーが毎年高学年を対象にLGBT教室としてジェンダーの問題を取り上げた授業を行っている。その授業を受けて,昨年度,児童会で児童自らが本校の運動着の問題を取り上げた。本校の運動着は,男子が青,女子が赤と,性別によって分かれており,その男女によって運動着の色を分けるべきではないということを提案した。それをきっかけに,6年生が保護者の会議に参加して意見を伝えたり,運動着のメーカーがSDGsにどれだけ貢献しているかを自主的に調べたりするなどして,2022年10月に男女統一したジェンダーレスの運動着の導入を実現することが決定した。2023年度から新しいデザインの運動着が導入される予定である。児童がSDGsの一つである「ジェンダー平等」を実生活に結び付けて課題解決に向けて積極的に取り組んだ事例である。

KODAK Digital Still Camera

 

 

来年度の活動計画

次年度も5年生を対象に震災遺構見学を継続して行う。防災・減災災害復興支援活動として5年生が山元町へ訪問し,減災・防災,被災地の再生,社会への担い手としての自覚などについて学習する。これまでの活動に加えて,特に避難体験を実施したい。津波を想定して児童がグループで地図を元に考え安全な場所へ避難することを経験し,減災・防災の意識を全校児童に広げていきたい。
6年生は,今年度同様に総合的な学習の時間で,未来へつなぐ学習を行う。次年度は,それに加えて,製造業で働く職人を講師にし,精密独楽やストラップ作りの体験を行う。体験だけでなく,若手職人の話を聞く場を設け,働きがいのある職業について考えたり,産業や技術革新の基盤について考えたりする学習を行う予定である。