2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 減災・防災, 環境

本校は「心豊かで,共に学び,しなやかに生きる子どもの育成」を学校教育目標として,
ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野のうち②持続可能な開発および持続可能なライフスタイルを通して,児童が総合的・多面的に考えて行動していくような普遍的な力を身に付けることを目標とした。
本年度は,下記のとおり大きく2つの活動を実践した。
1 災害復興支援活動
2012年より毎年5年生が山元町へ行き,東日本大震災の津波による被害の様子を知
るとともに,山元町の農家を手伝う奉仕作業を継続して行ってきている。
2021年6月1日に山元町へ5年生16名と6年生15名が訪問した。
山元町では,まず減災・防災について学ぶことを目的として,東日本大震災で震災遺構となった旧中浜小学校を訪れた。山元町の語りべの会の方に,震災当時の状況や津波などの災害からどのように身を守るかについて説明していただいた。さらに,語りべの会の方がバスに同行して山元町内を案内し,津波の恐ろしさや復興の現状についても説明していただいた。
次に,「夢いちごの郷」といういちご農園へ行き,苗づくり作業の手伝いをした。いちご農園では,奉仕作業をするだけでなく,震災からいちご農園をどのように復興してきたかについても学習をした。この活動を通して,児童自身が未来の社会の担い手であり,持続可能にしていくための町づくりについて考える貴重な機会となった。
2 総合的な学習の時間「自分の未来探しの旅へ」
減災・防災,海の豊かさ及び自分の将来について考えるために,本年度から6年生が総合的な学習の時間「自分の未来探しの旅へ」という学習を行った。「自分の未来探しの旅へ」では,修学旅行での学習を中心に位置付けており,内陸部に住む本校の児童が,松島町の様々な人々との関わりの中で将来に向けて自己の生き方について考えていくことを目標として修学旅行の計画を立てた。修学旅行(2021年11月18日,19日)では,東日本大震災の被災地である松島町の防災施設等の方々との交流から減災・防災について学んだ。その一つである震災防災学習施設「キボッチャ」では,被災体験をした方からの話を聞き,災害に合った場合に役立つ縄の結び方や簡易担架の作り方について学んだ。
また,修学旅行に当たっては,宮城県立松島高等学校(以下,松島高校)の生徒とオンラインで事前に交流し,将来に向けての生き方について考えた。松島高校は,県内唯一「観光科」のある高校で観光業に将来携わろうとする生徒を集めており,観光科の生徒は,カリキュラムの一環としてボランティアで観光案内をしている。被災地である松島町で観光業について学び,積極的にボランティア活動を行っている松島高校の生徒と交流をしたことは、本校の児童にとって大変良い刺激となり,将来について考える貴重な機会となった。修学旅行で松島町に訪れた際に直接交流もする予定だったが,コロナ禍で修学旅行の期日が変更となったために今回は直接交流することができなかった。それでも,本校の児童は,総合的な学習の時間として学んだことをまとめ,令和4年2月に松島高校の生徒に向けて発表する予定である。

【震災遺構 旧中浜小学校の見学】

【いちご農園の手伝い】

【松島高校とのオンライン交流】

来年度の活動計画

次年度も災害復興支援活動として5年生が山元町へ訪問し,減災・防災,被災地の再生,社会への担い手としての自覚などについて学習する。これまでの活動に加えて,特に避難体験を実施したい。津波を想定して児童がグループで地図を元に考え安全な場所へ避難することを経験し,減災・防災の意識を高めていきたい。
6年生は,今年度同様に総合的な学習の時間で,未来へつなぐ学習を行う。次年度は,それに加えて,鉄工所の職人を講師にし,精密独楽やストラップ作りの体験を行う。体験だけでなく,若手職人の話を聞く場を設け,働きがいのある職業について考えたり,産業や技術革新の基盤について考えたりする学習を行う予定である。