2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等

本校は,昨年度に引き続き、「大野町だいすき~受け継ごう!伝えよう!わが町の自慢~」をテーマとして,活動し続けていくこととした。特に、SDGsの11と14を中心に「地域の伝統文化・環境・生物多様性等について学ぶことで,その価値を捉え,地域を愛する心情を深めるとともに,自身の考え方や生き方に深まりを持たせる教育」と捉え,生活科や総合的な学習の時間を核とした以前のESDの実践を通して,言語能力や情報活用能力,問題発見・解決能力等の育成を目標とした。 具体的には,地域の自然や伝統芸能,伝統産業等を教材として,生物多様性に係わる活動,地域の伝統文化,文化遺産に係わる活動,食育に係わる活動を行った。

生物多様性に係わる活動

5年生は「大野町の自然を調べよう」という課題で,私たちが住んでいる大野町を流れる川は綺麗なのか調べる活動を引き続き,行った。海洋教育の一環として,能登里海研究所の浦田先生に,海洋ゴミについての授業をしていただいた。そして学んだ事を基に,地域の金石港についても調べ,まとめたものを,能登町立小木小学校とTV会議で発表し合った。その交流では,お互いの研究結果の共通点と相違点を見出し,お互いの海に対して結局は一つの海なのだ,と理解を深め合うことができた。そして,今後,「3Rに心がける」「ポイ捨ては絶対してはいけない」等,自分にできることを考えることができた。

地域の伝統文化,文化遺産に係わる教育

1年生から6年生が地域に伝わる太鼓,獅子舞,悪魔祓いといった伝統芸能について学習し,演奏の仕方や演じ方、その心構えについても学んだ。学習の成果は,「伝統芸能発表会」で発表した。保護者や地域の方々には,人数制限を行ったり,児童同士は,教室でのリモートで見合ったりしてコロナ禍であるからこそできることを精いっぱい行った。 4年生は金沢の偉人について学習した。特に,地域の偉人である大野弁吉や銭屋五兵衛について,地域の偉人の偉人たる所以を知ることができた。さらに児童は個別に,自分たちが調べたい偉人について,書籍やインターネット上で調べたり,金沢ふるさと偉人館へ見学に行ったりして,生き方や偉業を深く追求していった。最後には、ICTを活用して、ひとりひとりが感銘を受けた偉人について,まとめ発表し,掲示することができた。

食育に係わる学習

3年生は和菓子や茶道について調べたり,体験したりした。和菓子の種類や作法に関わる思いについて触れた後,茶道について,お茶会を開いておもてなしの心を学んだ。和菓子職人,茶人という方々は,相手を大切に思うおもてなしの心を持っていることに気付き,自分達も相手を大切に思う気持ちを持つことができた。そのことが、作法や日頃の行いに表れてこなければならないことも,大切なこととして学ぶことができた。また,地域の和菓子店へ見学に行った。見学では,様々な代々受け継がれる型道具を使って作っていることや毎日たくさんの和菓子を作っていること,和菓子職人の思い等をインタビューから明らかにすることができた。その後,和菓子作りを実際に体験した。体験することによって,はじめて「職人」とは,素早く同じものをたくさん作ることができる高い技術を持った人のことであると実感することができた。

来年度の活動計画

令和4年度も今年度と同様,「大野町だいすき~受け継ごう!伝えよう!わが町の自慢~」を活動テーマとして学習を進める。

具体的には,地域の自然や伝統芸能,伝統産業等を教材として,①生物多様性に係わる活動,②地域の伝統文化,文化遺産に係わる活動,③食育に係わる活動を行う。地域の自然や伝統・文化をテーマとした学習のさらなる充実に向け,学校と地域が協力しながら持続可能な開発目標に向けて取り組んでいく。