2019年度活動報告
本年度の活動内容
減災・防災, エネルギー, 環境, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費
※大牟田市立白銀中学校は、大牟田市立田隈中学校の一部及び大牟田市立橘中学校と大牟田市立甘木中学校が統合し、令和7年度に開校しました。
(旧)大牟田市立田隈中学校
本校は、「将来の生き方を思い描き、社会に貢献する」を学校理念(※もしくは活動テーマ)として、ESDを大きな夢を抱き未来を創る子どもの育成と捉え、ESDの実践を通して課題解決力、新たな知識や価値観や行動力・体系的な思考力の育成を目標とした。
具体的には、健康・福祉、人権・平和、世界遺産・地域遺産を柱に、①福祉事業に係わる活動、②平和学習に係わる教育、③職場体験に係わる学習、④地域に係わる学習を行った。
① 健康・福祉事業に係わる活動(SDGs1,2,3,10,17)
車いす生活で肢体が不自由な方々との交流を通して、「障がい」について理解を深めることにより、積極的に関わる意欲を高め、困難なこともチャレンジすることが大切だと考えることができた。また、認知症の学習では、身の回りに住む高齢者の助け合いに必要なことはどんなことか、症状を理解して地域で支え合う事の大切さを学ぶことができた。食育では給食時間に食材の栄養価の説明し、残食をゼロにする取組を実施した。
② 平和学習に係わる教育(SDGs16,17)
ゲストティーチャーを招いて、SDGsの研修を受けた後、広島平和記念公園・平和記念資料館を見学して、戦争の記録を直視し、様々な資料について自主的に調べ、施設の方ら話を聞いた。SDGsとして各自が目標を設定し、平和について知識を深め、これからの自分にできることを考え、今後の生活で実践ができることに取り組んだ。
③ 職場体験に係わる学習(SDGs3,8,9,11)
様々な職場を体験させていただき、地域の働く方々から勤労の意義を教えていただくことにより、社会に貢献する喜びを知ることができた。
④ 地域に係わる学習(SDGs4,9,11)
世界産業遺産をもつ大牟田市の一員として、歴史とともに日本が誇る文化遺産を修学旅行を通して学習した。文化財等を見学し、その歴史を学び沢山の人々が関わり継承していくことの大切さを感じることができた。
(旧)大牟田市立橘中学校
本校は、学校教育目標を「志を持って 自ら学び 未来を切り拓く生徒の育成」とし、総合的な学習の時間を中心に、持続可能な開発のための教育の重点目標として、探究的な見方・考え方を働かせ、地域の人、もの、ことに関わる総合的な学習を通して、目的や根拠を明らかにしながら課題を解決し、自己の生き方を考えることができるようにするために、以下の資質・能力を育成することとした。
(1) 地域の人、もの、ことに関わる探究的な学習
(2) 地域の人、もの、ことの中から問いを見出し、その解決に向けて仮説を立てたり、調査して得た情報を基に考えたりする力を身に付けるとともに、考えたことを、根拠を明らかにしてまとめ・表現する力を身に付ける。
(3)
具体的には、福祉体験学習、職場体験学習、保育体験学習、環境保全体験学習を柱に、①認知症や高齢者に係わる学習、②将来の生き方に係わる学習、③生命尊重や思いやりに係わる学習、④環境保全に係わる学習を実施した。
さらに今年度は、防災・減災学習として「夜の防災・減災学習会」を生徒、保護者、地域の方々、行政の担当者で実施する。
① 認知症や高齢者に係わる学習(福祉学習)
1年生において、福祉に関する現状と課題の学習を経た上で、校内でアイマスク体験や車いす体験、歩行体験などの高齢者疑似体験を行い、高齢者との接し方やバリアフリー化の必要性等を学んだ。その後、まとめの学習として認知症の方や高齢者の方の気持ちを思いやることや身のまわりの施設や福祉環境の整備の重要性を体験から学んだ。
② 将来の生き方に係わる学習(職場体験学習)
2年生において、自分の興味・関心や適性ついて考え、「働く」ということがどのようなことであるかを学習した上で、大牟田市内の30の事業所に分かれて、職場体験学習を行った。その中で、社会人としての責任や人とのつながりについて考え、挨拶や礼儀、自分のことだけでなく人のことを考えて行動することを身につけると共に、「働く」ことの喜びや大切さや苦悩、地域の現状や地域の事業所の活躍を肌で感じることにより、地域の素晴らしさや地域の将来の展望を考える機会にすることができた。さらに、改めて自分の将来を見つめ、自分にできる社会貢献を考えることができた。
③ 生命尊重や思いやりに係わる学習(保育体験学習)
3年生において、少子高齢社会の現状や将来親になること、また自然や社会の中での生命尊重の重要性を考えながら、地域の10の保育園・認定こども園に分かれ、保育体験実習を行った。乳幼児の特性や注意することを学習した後、各班で年齢に合わせた設定保育のために、遊び道具の作製や設定保育の進行等を考えた。体験を通して、生命の尊さに改めて気づき、乳幼児と接する中で、コミュニケーションの大切さや言葉遣いや目線や姿勢の大切さ、優しく思いやりの気持ちや行動をとることの必要性を実感することができた。体験後のまとめの学習で、保育の現状や将来の自分について見つめ直す機会となり、進路学習とのつながりもつくることができた。
④ 環境保全に係わる学習(環境保全体験学習)
環境保全については、大きな2つの取り組みを行った。1つは、「クリーンアップ大作戦」と題し、全校生徒と保護者と職員で、校区内の清掃活動を行った。地域の環境に増えながら、ゴミ拾い活動をすることにより、地域の環境保全に関して保護者を含めて考えることができた。2つ目に、「外周一周ゴミ拾い大作戦」と題し、生徒会役員が全校生徒に呼びかけ、放課後ボランティアでのゴミ拾い活動を行った。生徒は自分の校区内にまだゴミが沢山あることを実感し、環境保全について考えると共に、自分には何ができるかを考え行動する機会になった。
(旧)大牟田市立甘木中学校
本校は、実社会や実生活とのかかわりを重視した「生き方」に焦点を当て、各学年の発達段階に応じた体験活動を展開し、生徒に主体性や創造性を身につけさせることをテーマとしている。具体的には、キャリア教育を軸としている。1年生では、「大牟田市の世界遺産」について学習した。宮原抗や三池港が世界遺産として登録されるまでの経緯やこれから大事にしてほしい事などたくさん話を聞くことができた。2年生では、「地域に学ぶ活動」として、実際に地元の企業や商店で働くことを体験した。地元の企業で体験することにより、地域で体験し、地域で学び、地域を愛する心を育てている。3年生では、「将来を見つめる活動」として、自分の進路に向けた学習を行った。どのような進路があり、それぞれの進路先でどのようなことを身に付けることができるのかを学習している。このことにより、自分の夢を見つけ、それを実現させるために、どのような資質・能力を身に付けるべきかを考えさせている。中学校3年間を通して、地域で体験し、地域のことを学び、地域で自分の将来を見つめることにより、よりよい生き方、よりよい人間関係を育み、また、自分の成長と地域の発展が密接に関係していることを考えさせ、この大牟田の将来を真剣に考える生徒を育てていきたい。
① 地域の文化について考える活動(1年生)(SDGs8、11)
地域の工場見学等を通して地元の人とのかかわり、それらを経験することで、学ぶこと・働くことの意義や役割およびその多様性を理解し、幅広く情報を活用して、自己の将来の進路や生き方の選択に生かすための学習を行った。
② 地域に学ぶ活動(2年生)(SDGs8、17)
地域の様々な職種について調べ、グループごとに職場での体験活動を行い、他者の多様な価値観を尊重し、自己の個性を発揮しながら、様々な人々とコミュニケーションを図り、協力・共同して物事に取り組むための学習を行った。
③ 将来を見つめる(3年生)(SDGs8、17)
自分の適性を知り、より具体的な進路について考え、進路実現のために、現在の自分をみつめる機会とした。夢や希望を持って将来の生き方や生活を考え、社会の現実を踏まえながら、前向きに自己の将来を設計する力を育成すること、そして、自らの意志と責任でよりよい選択・決定を行うとともに、その過程での課題や葛藤に積極的に取り組むための学習を行った。
来年度の活動計画
(旧)大牟田市立田隈中学校
1学年は、福祉事業と平和学習に係わる活動
地域学習では、大牟田検定による学習(SDGs9,11)
福祉学習では、車いす体験学習と認知症の学習(SDGs3,10,17)
平和学習では、GTを招いての平和と人権についての学習(SDGs10,16,17)
2学年は、職場体験と地域に係わる活動
地域学習では、大牟田検定による学習、地域事業所にて職場体験学習
(SDGs8,9,11,17)
平和学習では、修学旅行時に広島平和公園での学習(SDGs10,16,17)
3学年は、福祉事業に関わる活動
キャリア教育では、様々な職種のGTによる講話(SDGs4,8,9)
地域学習では、大牟田検定による学習(SDGs9,11)
福祉学習では、幼児教育の体験学習(SDGs3,17)
(旧)大牟田市立橘中学校
防災・減災学習として、1年生生徒を対象とした「夜の防災・減災学習会」を計画している。本校の近隣にお住まいの方々、保護者と協力し、防災グッズの利用や防災・減災に必要なことについて、講話、グループ討議や体験学習を行う。
世界遺産学習として、奈良や京都を訪問し、それぞれの世界遺産にふれ、そのよさを体得する学習を行う。また、地元の世界遺産との共通点や相違点を学び、これらの学習成果を発表するとともに、京都で大牟田の世界遺産のよさをアピールしていく。
また、本年度に引き続き、高齢者が多い地域の事情を鑑みて、独居高齢者宅訪問や認知症に関わる学習を引き続き実施していく。【SDGs3】これらを通して、持続可能な地域社会を創造する生徒を育てていきたい。また、国内外のユネスコスクールとの交流を通して、様々なつながりを尊重する態度を培うとともに、地元のよさを再発見したり、そのよさを発信したりするスキルや地域活性化の代替案を作成する力の資質・能力を教科指導と併せてつけていきたいと考える。
(旧)大牟田市立甘木中学校
本校では、3年間を通した学習と同時に、各学年でもそれぞれにSDGsを目指した学習を実施していく。
(全学年)
・人権学習や国際理解を通して、人と人とのよりよい人間関係を構築し、
コミュニケーションを積極的に行う態度や他者と協力する態度を育てる。(SDGs10、16)
・中学校3年間を、キャリア教育を軸として、地域のことを体験し、地域で学び、地域で自分の将来を見つめることにより、よりよい生き方、よりよい人間関係を育み、また、自分の成長と地域の発展が密接に関係していることを考えさせ、この大牟田の将来を真剣に考える生徒を育てる。(SDGs8、17)
(第1学年)
・将来の夢や職業について学習する。地元の農業や漁業について学んだり、動物園の園長を招いて講演を聴いたり、地域の防災についても考えさせる。(SDGs8、13)
・福祉体験学習を通して、「ともに学び、ともに生きる」理念を学習し、
すべての人々がこの社会の中で誇りを持って、心豊かで幸せな生活を送
ることができるような心を育てる。(SDGs3)
(第2学年)
・他の地域や文化に触れ、さまざまな生活体験や社会体験、自然体験等を通して、これからの地域社会において必要な「生きる力」を育てる。(SDGs17)
(第3学年)
・進路学習を通して、様々な人たちとのコミュニケーションをとり、多様な価値観を持つ人々と協力、協働しながら社会に貢献することができる「創造性豊かな能力」を育てる。(SDGs17)
(生徒会)
・エコキャップ運動や校区内での定期的な挨拶運動・清掃活動を行い、環境や環境問題に対する興味・関心を高め、必要な知識・技術・態度を身につけさせ、自分たちの未来につなげる心を育てる。(SDGs7、12)