2022年度活動報告
本年度の活動内容
減災・防災, 気候変動, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, その他の関連分野
※大牟田市立白銀中学校は、大牟田市立田隈中学校の一部及び大牟田市立橘中学校が統合し、令和7年度に開校しました。
(旧)大牟田市立田隈中学校
本校は、「将来の生き方を思い描き、社会に貢献する」を学校理念として、ESDを大きな夢を抱き未来を創る子どもの育成と捉え、ESDの実践を通して「課題解決力、新たな知識や価値観や行動力・体系的な思考力の育成」を目標とした。
例年、健康・福祉、人権・平和、世界遺産・地域遺産を柱に、①福祉事業に係わる活動、②平和学習に係わる教育、③職場体験に係わる学習、④地域に係わる学習、⑤地域とつながる活動を行っている。
(ア) 健康・福祉事業に係わる活動(SDGs1,2,3,10,17)
車いす生活で肢体が不自由な方々とパラリンピックの競技でもある車椅子バスケットやボッチャの交流を通して、「障がい」について理解を深めることにより、積極的に関わる意欲を高め、困難なこともチャレンジすることが大切だと考えることができるようにしている。
食育では、基本的な生活習慣と朝食の大切さ、給食においてその時間に食材の栄養価の説明をし、残食をゼロにする取組を実施した。
(イ) 平和学習に係わる教育(SDGs16,17)
毎年、8月に行われる平和学習で、実際に戦争を体験した方が描かれた紙芝居を各クラス動画にして流した。日本の近隣の国に視点を向けて、他国から受けた日本人捕虜や差別といったものを学び、「戦争を忘れてはいけない」という意識が高まった。
(ウ) 防災に係わる学習(SDGs3,8,11)
災害の種類や, 「自助・公助・共助・N助」の4助といった防災・減災に関する基礎知識について理解を深めた。その発展の場として、被災した際に必要な備えについて考え、「防災新聞」を作り、自分なりにその解決策を調べ、まとめる活動に取り組んだ。また、簡易的な段ボールベットを作成し、災害時に役立てようとする姿があった。
(エ) 地域に係わる学習(SDGs4,9,11)
子ども大牟田検定に向けて、世界産業遺産をもつ大牟田市の一員として、歴史とともに日本が誇る文化遺産について学習し、大牟田の石炭産業と近代化遺産について教材集等で学び、一人一人が郷土大牟田に誇りを持ち、ふるさとを愛し、それを守り発展させるために自分にできることを考え、行動しようとする気持ちが高まった。
(オ) 地域とつながる活動(SDGs11,17)
「花」を通して日頃からお世話になっている地域の方々や小学校と連携したとつながり、「感謝」の気持ちを伝える「フラワープロジェクト」の取り組みを行っています。生徒会役員や環境委員が中心となって、ノースポールやひまわりの種を本校昇降口前の花壇にまき、毎朝の水やりや定期的な草取りを行い、季節ごとに花が咲くのを楽しみにしています。


(旧)大牟田市立橘中学校
ユネスコスクールとしての活動の概要
本校は、「志を持って、自ら学び、未来を創造できる生徒の育成」を目標として、①批判的な力②未来像を予想して計画を立てる力③多面的・総合的に考える力④コミュニケーションを行う力⑥つながりを尊重する態度⑦進んで参加する態度の育成を目標としている。
具体的には、防災教育、福祉教育、生き方(キャリア教育)を柱に大牟田の町について考え持続発展に関わる学習を行った。

特徴的な活動事例の紹介
地域の防災について考えよう
1年生では、防災についての学習に取り組んだ。橘中学校のすぐ横には白銀川が流れており、2年前の豪雨では川があふれ運動場や周辺の道路、また体育館の床下まで浸水するなど大変な状況であった。
それらの経験をふまえて、防災対策室の方より講話をしていただき、実際に調節池公園を見学し市が取り組んでいる水害対策などを学んだ。また、学校で準備している防災グッズについて使い方や必要性について考え、災害の情報をいち早く知るための手段や、防災についての心構えについてタブレット端末を使いながら学んだ。学習した内容については、「防災新聞」としてまとめた。

食に関わる人に学び 「朝食のおとも」を考えよう。
2年生では、OMUTA-BRIGEに協力していただき、子どもたちと地域の方々が対話しながら地元をアピールできる商品を開発し、実際に販売するまでを体験する社会参加型の学習として取り組んだ。まず、講師の方々に食物に関する仕事に就いたいきさつや、食に対する想いを語っていただいた。子どもたちは、働くことの意義や食に対する想いについて学ぶことができた。その後、子どもたちの視点や発想で、大牟田をアピールできる「朝食のとも」(朝食として食べることができるもの)をグループで考え、プレゼンテーションを実施した。子どもたちは食べ物に対する思いを込めて(朝から手軽に食べることができる・栄養のバランス・地域の特産)商品を考え、アイディアを生み出し様々な商品を考え出すことができた。なお、プレゼンテーションでは関わっていただいた方々に審査・講評をいただき、自分たちの取組について振り返った。


「朝食のおとも」を商品化し販売しよう。
2年生で取り組んだ、「朝食のおとも」の活動を経験した中から、代表15名によって具体的な商品化に取り組んだ。子どもたちにアンケートをとったり意見を聞いたりしながら、子どもたちがミーティングをくり返し、「レジェンドバーガー」(大蛇山をイメージ)・「シグナルロール」という2つを商品化して、実際に調理の仕上げに関わり諏訪公園の「肉祭り」において販売した。販売体験や宣伝広告のチラシ等など講師の方に様々なアドバイスをいただきながら、自分たちでアイディアを出し、取り組むことができた。
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来年度の活動計画
(旧)大牟田市立田隈中学校
次年度も、引き続き、新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、通常とは異なった様々な取組をしていくことが想定される。体験活動自体をすすめていくことは、かなり困難になると思われるので、オンラインを活用した交流や、ゲストティーチャーを招いての活動を設定していきたい。
1学年は、福祉事業と平和学習に係わる活動
地域学習では、大牟田検定による学習(SDGs9,11)
福祉学習では、GTを招いての車いす体験学習(SDGs3,10,17)
平和学習では、GTを招いての平和と人権についての学習(SDGs10,16,17)
2学年は、防災学習と地域に係わる活動
地域学習では、大牟田検定による学習、GTを招いてのキャリア学習(SDGs8,9,11,17)
防災学習では、さまざまな災害を想定した学習(SDGs3,8,11)
3学年は、福祉事業に関わる活動
キャリア学習では、様々な職種のGTによる講話(SDGs4,8,9)
地域学習では、大牟田検定による学習(SDGs9,11)
福祉学習では、幼児教育のGTを招いての体験学習(SDGs3,17)
全学年(生徒会活動)は、フラワープロジェクトを通して、地域とつながる活動
(SDGs11,17)
(旧)大牟田市立橘中学校
令和5年度は、今年度の取り組みをもとに体験活動や探究活動に取り組んでいきたい。
1 3年間を通しての防災教育・福祉教育・キャリア教育の系統的なカリキュラムに
なるように見直しを図っていく。
2 地域の「ひとやもの」と関わりをもち、最大限活用できるようにする。
3 さまざまな体験活動や協働学習を促進し、子どもたちの能力を広げていく。

