2018年度活動報告
本年度の活動内容
エネルギー, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育
※大牟田市立御木中学校は、大牟田市立田隈中学校の一部及び大牟田市立歴木中学校と大牟田市立白光中学校が統合し、令和7年度に開校しました。
(旧)大牟田市立田隈中学校
本校は、「志をもち、自立し、たくましく」を学校理念として、ESDを大きな夢を抱き未来を創る子どもの育成と捉え、ESDの実践を通して課題の解決力、新たな価値観や行動力の育成を目標とした。
具体的には、健康・福祉、人権・平和、世界遺産や値域遺産等を柱に、①福祉事業に係わる活動、②平和学習に係わる教育、③職場体験に係わる学習、④地域に係わる学習を行った。
① 健康・福祉事業に係わる活動(SDGs1,2,3,10,17)
学習と車いす生活で肢体が不自由な方々との交流を通して、「障害」について理解を深めることにより、積極的に関わる意欲を高め、困難なこともチャレンジすることが大切だと考えることができた。また、認知症の学習では、身の回りに住む高齢者の助け合いに必要なことはどんなことか、症状を理解して地域で支え合う事の大切さを学ぶことができた。食育では給食時間に食材の栄養価の説明し、残食をゼロにする取組を実施した。
② 平和学習に係わる教育(SDGs16,17)
教育委員会指導主事によるSDGsの研修を受けた後、大刀洗平和記念館を見学して、戦争の記録を直視し、様々な資料について自主的に調べ、語り部の方から話を聞いた。SDGsとして各自が目標を設定し、平和について知識を深め、これからの自分にできることを考え、今後の生活で実践ができることに取り組んだ。
③ 職場体験に係わる学習(SDGs3,8,9,11)
様々な職場を体験させていただき、地域の働く方々から勤労の意義を教えていただくことにより、社会に貢献する喜びを知ることができた。
④ 地域に係わる学習(SDGs4,9,11)
世界産業遺産をもつ大牟田市の一員として、歴史とともに日本が誇る文化遺産を修学旅行を通して学習した。文化財等を見学し、その歴史を学び沢山の人々が関わり継承していくことの大切さを感じることができた。
(旧)大牟田市立歴木中学校
本校では、教育活動を通して、他人との関係性、社会との関係性、自然環境との関係性を認識し、「福祉体験(SDGs3)」、「職場体験(SDGs8)」、「保育体験(SDGs4)」の交流体験及び進路学習(SDGs8)から様々な課題の発見と解決に向けた主体的・協働的な学びを通して実生活や社会で生かされる思考力・判断力・表現力を身につけることを目指しています。生徒たちは学習を進めていく中で「考え」たり「感じ」たりしたことから課題を見つけ、班目標、個人目標を設定し、実践につなげることがねらいです。また、生徒同士や地域に住む人たちとの思いや願いを共有し、「つながり」「かかわり」を大切にしながら、地域に対する誇りを持つことで新たな自分を発見し、地域に貢献できる資質や能力を育成することを目指しています。
① 認知症や高齢者に係わる学習(福祉学習)SDGs3
12ヶ所の高齢者福祉施設へ5~6人の班ごとに分かれて訪問し、高齢者の方とのふれあいや介護を体験した。また、高齢者介護施設で働く人々と行動を共にすることで介護がただ食事やお風呂の世話をすればいいだけのものではなく、高齢者の方や介護施設で働く人の生き方や大切にしたい思いなどを学びました。福祉体験学習後の生徒の感想「おばあちゃん、おじいちゃんとお話をしたり、ゲームをしたり、歌を歌ったりして楽しめました。お話をしたりするとおばあちゃん、おじいちゃんの顔はとても笑顔になっていて、私も嬉しい気持ちになれました。」
② 職場体験に係わる学習(職場体験学習)SDGs8
2~4人の少人数でグループを編成し、グループごとに職場体験を行わせていただく事業所へ電話連絡をして打合せの日程を調整し、事業所へ説明を聞きに行くことで仕事の概要を知り、事業所で実際に働くことで、働くことの大切さや意義、大変さや喜びについて学習しました。職場体験学習後の生徒の感想では「職場体験は大変だったけど、楽しかった。」や「仕事の大変さがよくわかりました。」など職場体験に真剣に取り組んだ感想が多くみられた。
③ 保育体験学習に係わる学習(保育体験学習)SDGs4
南関子どもの丘保育園の保育士の方から事前学習として講話をしていただき保育について学習しました。その学習の後、各クラスの代表が体験を行う保育園や幼稚園に事前打合せに行き、設定保育(自分たちで計画してゲームなど保育をする時間)に取り組みました。
(旧)大牟田市立白光中学校
本校は、「徳・知・体が調和的に発達し、人間性豊かな生徒を育成する」を学校教育目標とし、持続可能な開発のための教育(ESD)を本校教育の中心と捉え、ESDの実践を通して、①批判的に考える、②未来像を予想して計画を立てる、③多面的、総合的に考える、④コミュニケーションを行う、⑤他者と協力する、⑥つながりを尊重する、⑦すすんで参加する、などの能力や態度を育成することを目標としている。
そして、生徒が地球規模の課題を自分のことと捉え、課題を見いだし、課題の解決に向けた新たな価値観や行動を生み出し、持続可能な社会の担い手として、持続可能な社会を創造していくことのできる学習や活動を系統的、発展的に計画、実践している。
主な学習内容は、①福祉学習、②世界遺産学習、③生き方(進路)に係わる学習であり、総合的な学習の時間(白光タイム)を中心に、全教科、領域において横断的、総合的な取組を推進した。
① 1年生「福祉学習」
第1学年は、SDGsとして「3、すべての人に健康と福祉を」「11、住み続けられるまちづくりを」「16、平和と公正をすべての人に」の3つに重点化し、「福祉学習」に取り組んだ。具体的には、高齢者や認知症に対する理解を深めるために、認知症学習「絵本教室」や「寸劇づくり」、実際に高齢者福祉施設を訪問し、高齢者とふれ合う「高齢者福祉体験学習」などを計画・実施した。
さらに、高齢者擬似体験学習(車いす、アイマスク体験等)を踏まえ、誰もが住みよい町づくりに向けての行動化を目指した学びを深めた。
② 2年生「世界遺産学習」「生き方(進路)に係わる学習」
第2学年は、SDGsとして「4、質の高い教育をみんなに」「8、働きがいも経済成長も」「11、住み続けられるまちづくりを」の3つに重点化し、「世界遺産学習」と「生き方(進路)に係わる学習」に取り組んだ。
具体的には、大牟田の宝である世界文化遺産や石炭に関する講話を大牟田市役所や有明高専の講師の方から聞いたり、近代化産業遺産や世界文化遺産である「宮原坑」や「三池炭鉱専用鉄道敷跡」「三川坑跡」「石炭産業科学館」などを実際に回り、自分の目で見たり、確かめたりしながら学習を深めた。さらに、修学旅行で訪れる京都や奈良の世界遺産に関する調べ学習や自主研修へと発展させた。
また、「職場体験学習」では、地域の暮らしや産業・経済を支えているさまざまな職場に生徒が出向き、実際に働くことをとおして、自分の生き方や進路を考えることができた。
③ 3年生「生き方(進路)に係わる学習」「福祉学習」
第3学年は、SDGsとして「3、すべての人に健康と福祉を」「4、質の高い教育をみんなに」「8、働きがいも経済成長も」「11、住み続けられるまちづくりを」の4つに重点化し、「生き方(進路)に係わる学習」「福祉学習」に取り組んだ。
具体的には、「上級学校訪問」では、実際に高校を訪問し、授業を体験したり、高校生活の話を聴いたりして、高校生活をイメージすることができた。また、「進路ガイダンス」では、様々な職業に関する話を専門家や担当者から聴くことで、将来の進路を具体的に考えることができた。
また、「保育体験学習」では、幼稚園や保育所をグループに分かれて訪問し、幼児とふれ合う中で、自分の成長を振り返るとともに、他者への思いやりや互いに支え合いながら生きていくことの大切さを実感することができた。
来年度の活動計画
(旧)大牟田市立田隈中学校
1学年は、福祉事業と平和学習に係わる活動
地域学習では、大牟田検定による学習(SDGs9,11)
福祉学習では、車いす体験学習と認知症の学習(SDGs3,10,17)
平和学習では、大刀洗平和記念館の見学(SDGs10,16,17)
2学年は、職場体験と地域に係わる活動
地域学習では、大牟田検定による学習、地域事業所にて職場体験学習(SDGs8,9,11,17)
世界遺産学習では、修学旅行時に奈良・京都での学習(SDGs4,9,11,17)
3学年は、福祉事業に関わる活動
キャリア教育では、様々な職種のGTによる講話(SDGs4,8,9)
地域学習では、大牟田検定による学習(SDGs9,11)
福祉学習では、看護科による医療体験、幼児教育の体験学習(SDGs1,3,17)
(旧)大牟田市立歴木中学校
本校のESDの重点目標
・自分の生活と地域の事象との関わりについて探求することを通じて課題をとらえ総合的な分析力・実践力・解決策など生きる力の育成を図る。
本校の各学年のESDのねらい
1年生 福祉と生き方学習(SDGs3)
・福祉体験学習において介護や福祉について、現代社会が抱える課題や現実問題を見つけ、理解し、課題克服へ向けて思考する。
2年生 自己実現とキャリア教育(SDGs8)
・職場体験学習を通し勤労の意義を感じ、将来の職業生活との関連について考える。
3年生 保育体験と自己実現教育(SDGs4)
・保育体験や高校調べを行い、自己実現をめざして自ら向上させるための取り組みを行う。
(旧)大牟田市立白光中学校
大牟田市は、大牟田版SDGsを設定しており、重点目標を3、4、7、11、12、13、14、15、16、17としている。本校では、生徒や地域の実態、これまでの実践を踏まえながら、平成31年度は、白光中学校版SDGsとして、「3、すべての人に健康と福祉を」「4、質の高い教育をみんなに」「8、働きがいも経済成長も」「11、住み続けられるまちづくりを」「16、平和と公正をすべての人に」「17、パートナーシップで目標を達成しよう」の6つを設定し重点的に取り組む予定である。
<学年ごとの学習計画>
【1年生】(SDGs: 3、11、16、17)
認知症学習「絵本教室」、寸劇づくりの取組(5~6月)、
高齢者福祉施設体験学習(10~11月)高齢者擬似体験学習(1~2月)
【2年生】(SDGs: 4、8、11、17)
職場体験学習(5~6月)、世界遺産学習(10~2月)
【3年生】(SDGs: 3、4、11、16、17)
上級学校訪問(5~6月)、保育体験学習(10~11月)生き方(進路)に関する学習(12~2月)
<その他、地域や大牟田市と協力した取組>
○「認知症SOSネットワーク模擬訓練」(大牟田市全校区対象:9月)
○「認知症サポーター養成講座」における寸劇発表(1年生参加:9月)
○ボランティア活動(吹奏楽部、白光クッキー社、代表生徒合唱など)
それいゆ祭(5月)、明治校区ふれあい祭(6月)、白川まつり(9月)
手鎌ふれあい文化祭(12月)
○「ユネスコスクール子どもサミット」白光クッキー社収益金の寄贈(1月)