2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 平和, 福祉

本校は,学校教育目標「豊かな人間性をもち,主体的に考え行動する子供の育成」の達成に向けて,教育活動全体を通してESD教育を推進している。特に,大牟田市動物園との関わりを大切にした生活科と総合的な学習の時間の学習を展開し,自己の生き方を深める子供たちの育成に重点を置いている。
4年生の総合的な学習の時間「自然観察ウォッチング」の学習では,校区内にある延命公園の自然と繰り返し関わる活動を通して,人と自然とのより良い関わり方についての考えを深める学習を行っている。まずは,延命公園に出掛けて様々な生き物に出会い,生息している様々な生き物を調べていくという課題を設定した。次に,ネイチャーガイドの方々と一緒に様々な生き物に触れて,実感を伴った理解を深め,様々な情報を収集した。収集した情報について,思考ツールを活用しながら,それぞれの生き物の特徴や価値を整理・分析した。最後に,まとめた内容を校内外に発信する中で,これからの自然との関わり方について自己の生き方を考える活動を行った。深刻な自然破壊が問題となっている今,今回の学習において子供たちが学び考えた内容は,生物多様性についての理解を深める価値ある取組である。
5年生の総合的な学習の時間「広げよう 見つけよう わたしたちのまちの宝」の学習では,校区内にある大牟田市動物園のヒト・モノ・コトと繰り返し関わる活動を通して,人と動物とのより良い関わり方についての考えを深める学習を行っている。
まずは,強い思いや願いをもって動物園で働く方々と関わり,動物園の魅力を調べていくという課題を設定した。次に,動物園の飼育員の方々に繰り返し関わり,動物福祉の考え方に基づいた「環境エンリッチメント」と「ハズバンダリートレーニング」についての情報を収集した。収集した情報について,思考ツールを活用しながら,発信する対象に合う内容や方法を整理・分析した。最後に,まとめた内容を校内外に発信する中で,これからの動物との関わり方について自己の生き方を考える活動を行った。人の福祉はもちろん,動物の福祉も守ることの大切さが喫緊の課題となっている今,今回の学習において子供たちが学び考えた内容は,福祉についての理解を深める価値ある取組である。

来年度の活動計画

令和5年度は,さらにESDをさらに推進していくことができるように,各学年で身に付けるべき資質・能力を明確にした学習を展開していきたい。そのために,以下の点に留意していく。
1. 生活科と総合的な学習の時間における学習内容の関連を図るだけではなく,各学年の発達段階や実態に応じ,身に付けさせる資質・能力を3観点から明確にする。
2. 活動ありきではなく,育成したい資質・能力を身に付けることにつながるように,活動の内容や方法を設定し,子供たちの課題意識をもって取り組めるようにする。
3. ゲストティーチャーとの事前の打ち合わせの際には,教師側が打ち合わせの視点を明確にもっておき,子供たちに指導したり支援したりしてほしい内容を的確に
伝えることができるようにする。また,単元の終末段階で目指す子供の姿を共通理解し,同じ方向に向かって子供たちと関わることができるようにする。
4. 子供たちの思いや課題意識を大切にしながら単元を構成し,一単位時間の授業を構想していく。生活科の学習では子供たちの思いや願い,総合的な学習の時間では,
子供たちの課題意識を明確にし,思いや願い,課題を解決することに向かう活動を子供たちが主体となって設定することができるように,教師が意図的・計画的に
指導・支援を行っていくことができるようにする。