2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 気候変動, エネルギー, 環境, 国際理解

1 本校のESDで目指すもの
(1)ESDのねらい
身近な自然環境と日々の暮らしのかかわりに着目して横断的・総合的に学習を進めることによって,問題を自分事として受け止め,解決の方策を探ろうとする主体的,創造的な態度を養う。また,自ら課題を見つけ,探究的に学習を進めていくことによって,自ら考え,主体的に判断し,仲間と協働して,より良く問題を解決するような資質や能力を育成する。さらに,学習成果をまとめたり発表したりすることによって,自分の思いや願いを相手に伝える経験を重ねさせ,自己の生き方を考えることができるようにする。
(2)本校のESDで育てたい資質・能力
・地球規模の環境問題や気候変動に関する基本的知識の理解
・批判的に考える力       ・未来を予測して計画を立てる力
・多面的,総合的に考える力   ・コミュニケーションを行う力
・他者と協力する態度      ・つながりを尊重する態度
・進んで参加する態度
2 本年度の実践について
本校では,ESDを学校教育の中核に据えて,校内研究の主題を「自分の考えをもち行動する子供の育成」とし,教育活動に取り組んでいる。面瀬川が育む環境に関わることを基本として,学びを深めることで,自分たちの生活の在り方を見つめ直し,地域のより良い未来について考え,持続可能な社会の構築を担う人材の育成を目指している。
今年度重点化し,特に成果のあった実践について,以下に表記する。
〇生活科,総合的な学習の時間と他教科等の連携を意識した学習活動
3年生の総合的な学習の時間「さぐろう面瀬の生き物のひみつ」の学習では,学校ビオトープや面瀬川にすむ生き物の調 査・飼育・観察を通して,生き物の生態や,生き物と周辺環境との関わりなどを体験的に探究した。理科や国語科などの学習との関連を生かして単元を組み立て,総合と教科の往還的な学習を進めた。学校ビオトープ,面瀬ふれあい農園,面瀬川と学習フィールドを広げながら,連続的・発展的に学習活動を展開したことで,児童は理科で身に付けた力を活用,発揮しながら生き物と触れ合ったり観察したりすることができた。また,日常的に観察できるような環境(学校ビオトープの活用,水槽等の設置)を整えたことで,児童は地域の自然の豊かさやすばらしさを実感し,自然保全への思いを高めていた。2学期末の参観日には,学習のまとめとして作成したリーフレットを使い,保護者に学習の成果を発信した。

 

〇地域の教育資源(人・もの・こと)を活用した探究的な活動
5年生の総合的な学習の時間「学ぼうふるさと気仙沼の海」の学習では,恵まれた地域の海辺の自然環境と水産業を中心とする人間の営みとの結びつきという視点から学習を展開した。海辺の生物を調査・観察して,海洋における生き物の生態系を探究したり,地域の水産業を体験しながら海辺の自然環境と人間生活の関わりを追究したりする学習(気仙沼湾の養殖施設見学やマグロ船の見学等)を通して,児童は,地域の人々の生活が地域及び地球規模での自然環境に支えながら成り立っていることを総合的にとらえていた。今年度は,日本サスティナブルシーフード協会の協力も得て,カツオ一本釣り漁やMSC認証についての学習会も行った。漁業をめぐる環境配慮の状況が変化していることを学び,将来の海の環境と人間の生活について考えを深めていた。これらの体験活動をもとに個々に課題を設定し,探究活動へとつなげた。

 

来年度の活動計画

今年度の実践を基に,探究的な活動になっているかの視点で見直しを図り,カリキュラムをブラッシュアップしていく。 児童の興味・関心に応じた柔軟性のある学習や,児童が探究の達成感を味わうような問題解決的なプロセスを十分に保障できるよう,単元構成や探究過程の改善を図る。全職員で協議したり専門家の助言を生かしたりしながら,目指す児童の育成に向けてさらなる質的向上を図っていく。