2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, 貧困

本校は、「自立 貢献」を学校教育目標とし、「SDGsの達成に向けたESDの実践による『生きる力』の育成」を学校経営の最重点としている。その資質・能力を育むために、探究型授業の基本プロセスによる、主体的・対話的で深い学びの実現に取り組んだ。

 

1 今年度、新たに実施した取組の紹介

○キリバス共和国との交流

国際理解と気候変動の学習の一環として、地球温暖化の影響を最も受けやすいキリバス共和国との交流

を通して、私たちができることを考えた。日本キリバス協会のケンタロ・オノ氏の講演を含むSDGsの

ワークショップと、キリバスの中学生とのオンライン交流を行った。交流後に生徒が振り返った「住む所

がなくなるというのは自分たちも日本にいられなくなるのと同じこと。そういう状況にならないためにも

頑張るって思うだけでなく、行動に移すというのも大事」という言葉が印象的であった。

○ワールドピースゲーム(WPG)

3年生、29名がESDの総まとめとして、5日間、合計15時間に渡ってワールドピースゲームに取り組ん

だ。4つの国と国際機関等に分かれ、23のクライシスを解決しつつ、各国の資産も増やすことが勝

利条件となるゲーム。複雑に絡み合ったクライシスを交渉と宣言によって解決していく。生徒は「問題を

起こしている国だけではなく、全世界で解決に向けて話し合うことが大切だ。」と語った。

 

2 関係諸機関と連携し、ESDの資質・能力と生活への活用力の育成を目指す、総合的な学習の時間

○食育、持続可能な生産と消費に係わる学習(1年生)

生命の源である「食」について、給食由来の有機肥料を使って農作物を育て、収穫したり、エコクッキ

ングを行ったりするなどして、食への意識を高めさせた。また、日本で大きな問題となっているフードロ

ス問題に向き合い、賢い消費者として生きていくための意識付けを行い、豊かな農業県に生き、それを持

続していこうとする姿勢が大切であることを確認した。

○エネルギー・気候変動に係わる学習(2年生)

再生可能エネルギーの可能性を学ばせながら、持続可能なエネルギー供給バランスについて考えを深める

ことができた。また、ESDデザイン研究所の高橋敬子さんを講師に迎え、「気候変動のミステリー授業」

を行った。3つの事例と、様々な地球上の出来事のつながりを考えて図に表し、発表した。生徒は「気温

が1度上昇しただけで世界中に影響がおよぶということは恐ろしいなと思いました。原因を作っているの

は人間。このことに気づいた人が、みんな行動に移していけば解決に近づく。」と振り返った。

11月下旬には、一級建築士の松塚智宏さんを迎えて「エコシティをつくろう」の授業を行った。

「50年後の大仙市を『みんなにとってやさしく、持続可能な街にするにはどうすればいいか』」を

考えた。

○国際教育 未来のために私たちができることを探究する学習(3年生)

これまでの環境・エネルギー学習、食育の学習を通して、持続可能な社会の在り方を考え、自分たちが

できることを発表しあった。また、ESDのまとめとして、東北地方ESD活動支援センターとの連携によ

るキリバス共和国とのオンライン交流会やワールドピースゲームを行った。

 

3 生徒会活動 

昨年度、秋田県SDGsパートナーに登録された。今後も生徒会が中心となる活動にSDGsの理念をとり入

れた活動を行った。

例:冬休み中に生徒がSDGsを意識した生活ができるように、各委員会が次のような目標を定めた。

・総務委員会 冬休み中は、基本的に歩いて学校に来るようにする。(SDGs7,11,13)

・生活委員会 SNSの使い方〔気をつける 使いすぎない 変なコメントを書かない〕(SDGs4,10,16)

 

4 SDGs国際理解集会

大仙市でALTを務めている先生を迎えて、母国の紹介やSDGsに関わることについてお話していただい

た。生徒たちはさらに自分の考えを広げることができた。

 

5 地域との交流を深めた「アルミ缶回収活動」と「小中合同あいさつ運動」

毎年、地域の方に協力していただき、アルミ缶回収活動を行っている。集まったアルミ缶で得た

資金を生徒会活動に活用している。また、小学校に出向いてのあいさつ運動を中学生がリードし行

った。この2つの活動で、地域の方々との交流を深めることができた。

 

6 「第23回環境美化教育優良校等表彰『最優秀賞 文部科学大臣賞』」と「あきたSDGsアワード

2022』受賞

○「第23回環境美化教育優良校等表彰『最優秀賞 文部科学大臣賞』」

公益社団法人食品容器環境美化協会が主催する表彰で、本校が最優秀賞4校中、文部科学大臣賞

に選出された。この表彰は、各都道府県から1校ずつ推薦されて審査が行われた。長年に渡って行っ

てきたアルミ缶回収やクリーンアップ、給食由来の肥料を使った野菜栽培を軸とした食育、キリバ

スとの交流、様々なジャンルの講演会や出前授業の実施などが高く評価された。また、保護者や地

域の皆さんの協力体制も高い評価につながった。

○「あきたSDGsアワード2022」

「県内企業等によるSDGs達成に向けた取組の普及及び質の向上を促進するため、SDGs達成

に資する優れた取組を行う県内企業等を表彰する」という目的で実施されたアワードで、本校が

表彰対象団体となった。

 

 

 

 

来年度の活動計画

・全教科等での共通実践事項の徹底による、授業改善の継続

・SDGsを意識したさらなる生徒会活動の活性化と生徒による社会参画

 

1年生

・「有機肥料で育てる野菜」栽培

・環境と食についての出前授業(博士号教員による授業)

・エコクッキング

・食品ロスに関する体験学習

 

2年生

・緑のカーテンプロジェクト

・風力発電所見学

・地域企業でのワークスクーリングでエコ実践

・気候変動ミステリー授業

 

3年生

・修学旅行での自然・環境に係わる最先端科学技術見学

・海外の学校とのオンラインでの交流

・ワールドピースゲーム

 

全学年

・国際教養大学等の留学生との交流

・アルミ缶、古紙回収

・地域団体と一緒のクリーンアップ

・角間川盆踊り参加

・SDGsを意識した講演会の実施とワークショップ