2018年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

環境, 国際理解, 平和, 人権

※おくの義務教育学校は、ユネスコスクールであった奥野小学校と牛久第二中学校が統合し、令和2年度に開校しました。

(旧)奥野小学校

本校は,「今日よりいい奥野をつくろう」を活動のテーマとして,ESDをふるさとの良さを学び伝えるとともに,ふるさとの一員としてふるさとをより良くするための実践活動を進めるものと捉え,持続可能な住みやすいふるさとづくりのために主体的に活動し実践していく態度の育成を目標とした。
具体的には,環境・郷土教育と国際理解教育と関連させた活動を柱に①学校や周辺のビオトープに生息する生き物に係る学習,②奥野の自然や川周辺の現況に係るい学習,③奥野の歴史や文化に係る学習,④3~5学年の学習を基盤として奥野地区の自然や歴史,文化の良さを捉え直し,持続可能な奥野地区まちづくり未来構想図に係る学習,⑤月1回程度オーストリアのオレンジ市の生徒とスカイプで情報交流や年2回近隣大学留学生と英語を介し交流を行い学習を行った。

①学校や周辺のビオトープに生息する生き物に係る学習
奥野地区には,奥野小学校と近隣中学校と会社所有のビオトープがある。外部 講師を招き,それぞれに生息している生き物を観察し,同市他地区のビオトープに生息する生き物とを比較することで奥野地区の生き物が生息していく環境の良さを再発見する。

②奥野の自然や川周辺の現況に係る学習
奥野地区は豊かな森林や小川に恵まれている。外部講師を招き,森林・小川それぞれに抱える課題の現況を調査探求する。拾ってきたゴミを分類し,その状ら森林保護について自分たちができる活動について考え牛久市長に提言した。

③奥野の歴史や文化に係る学習
奥野地区には多くの神社・史跡が存在する。外部講師を招いて現地調査し,それらの歴史的価値のすばらしさについてまとめる。多くの地域の方々に調査報告を行い,奥野地区の歴史的遺産を再確認し共有した。

④3~5学年の学習を基盤として奥野地区の自然や歴史,文化の良さを捉え直し,持続可能な奥野地区まちづくり未来構想図に係る活動
自然環境・歴史的文化等の奥野地区の価値ある遺産を再確認してきたことで,これからの奥野地区の「未来構想」にどのように生かしていくかを可能な限り考え,提言として情報発信した。

⑤海外との英語を介しての交流に係る活動
月1回程度,オーストラリアのオレンジ市の生徒とスカイプ交流を行った。学年選抜や学級単位,クラブ活動として,自己紹介や学校・地区紹介を行い,現地の状況について交流を行った。
年2回の近隣大学留学生と英語を介して交流を行い異文化理解を深めた。

(旧)牛久第二中学校

本校は、「夢と自信をもち,おくのを支え,未来にはばたく生徒の育成」を学校教育目標として、ESDを地域の課題解決のための地域と連携した学習による地域貢献とその活性化を目指す諸活動と捉え、ESDの実践を通して地域に主体的に貢献しようとする態度,地域貢献に必要な手段・方法の理解・習得,地域貢献の方法を選択し実行する力の育成を目標とした。

具体的には、環境・地域教育、英語・国際理解教育の二つを柱とし、①環境・地域に係わる学習や活動、②国際理解に係る学習や活動、③自他の人権に関わる取組を行った。

① 環境・地域に係わる学習や活動

〇歩く会
生徒の通学区兼居住地域である「おくの(奥野)」を深く知るために、5月に恒例行事として、「歩く会」を実施した。行程内で古くからある寺社仏閣や地域信仰について、地域の方や奥野小地区社会福祉協議会の方、市の文化芸術課の方から解説を受け、理解を深めた。また、NPO法人「アサザ基金」の協力を得て、現存する自然環境の状態について解説をしていただいたり、耕作放棄地や放置竹林に焦点を当てて地域の課題を把握したりした。

〇古民家活用による地域活性化プランづくり
SDGsの目標11に関する取組である。1年生の総合的な学習の時間では、過疎化と少子高齢化の進む地域の課題を解決することを目的とした学習を展開している。1年生の総合的な学習の時間において、学区内の古民家を題材として、古民家を基点とした地域活性化のためのプランを考案した。地域の方を招いて、住民としての願いをうかがったり、古民家の所有者であるアサザ基金からアドバイスを受けたりしながら具体的な活性化プランづくりを行った。

〇おくのふれあいまつり
隣接の奥野小学校とともに、地域活性化を目的とした「おくのふれあいまつり」の運営に携わった。今年度は地域で活動する団体が実行本部となったが、中学生は保育園児や小学校児童との異年齢交流を目的として、遊びのブースを企画し、運営を行った。

②  国際理解に係る活動

〇JICA訪問活動
3年生がつくば市にあるJICAの施設を訪問し、国際理解プログラムを体験するとともに、スタッフの方に奥野地区の特徴や日本文化について英語で紹介するなどの交流活動を行った。世界情勢や国際問題について学んだことをもとに、総合的な学習の時間において、個人テーマを設定し、調べ学習を行った。SDGsの目標1と4に関わらせて、ユネスコの「世界寺子屋運動(書きそんじハガキキャンペーン)」にも参加する。

〇外国語宿泊研修
2年生が、神田外語学院の研修施設である「ブリティッシュヒルズ」(福島県)において、外国語宿泊研修を実施した。英国式の調度品や建築様式、生活様式にふれ、実体験することを通して異文化理解を深めた。そして、現地スタッフや外国人講師との英語による日常会話やレッスンを通して、英語に親しむとともに、言語活用・運用能力の向上を図った。現在行っているオーストラリアのオレンジ市の学校とのskypeによる交流活動において、今後さらに生かすことを目的としている。

③ 自他の人権に関わる取組

〇「リスペクト・アザーズ」運動
生徒総会において、今年度の学校全体の取組として生徒会から「リスペクト・アザーズ」について提案があった。自他の人権を尊重することの大切さについて訴えを行った。

〇人権教育親子学習会
12月10日の「世界人権デー」にあわせて、12月14日にNPO法人フォーチュン・ネクストから講師を招いて、人権についての「親子学習会」を開催した。

来年度の活動計画

(旧)奥野小学校

平成31年度は,「今日よりいい奥野をつくろう」を活動のテーマとして今年度の活動を継続し発展させる。具体的には,①学校や周辺のビオトープに生息する生き物に係る学習②奥野の自然や川周辺の現況に係る学習③奥野の歴史や文化に係る学習④3~5学年の学習を基盤として奥野地区の自然や歴史,文化の良さを捉え直し,持続可能な奥野地区まちづくり未来構想図に係る活動⑤自然や歴史,文化の良さを生かしたまちづくりについて,海外との英語を介した交流活動に取り組む。

(旧)牛久第二中学校

1 環境・地域教育(SDGsの目標11を中心とした総合的な学習の時間における活動)

〇第1学年
小学校での地域学習をベースに、中学生の視点での地域の自然や歴史、風土や文化への理解をさらに深めるとともに、課題把握を行う。無秩序な自然管理と開発、少子高齢化の問題をとらえ、地域活性化の手立てを考案し、実践する。

〇第2学年
1年生での古民家を基点とした活性化プランを実践し、改善を図りながら、地域の方々と連携して取り組む。その中で、キャリア教育とタイアップして「地域に生きる人」をクローズアップし、地域産業や消費生活、地域就労について取り扱い、まちづくりについて考察し、提言する。

〇第3学年
これまでの2年間の学習の総括的な活動として、地域貢献を主軸に、地区社会福祉協議会と地域住民の住みよい暮らしのために協働して活動したり、たとえば独居老人宅への訪問活動取組などの事業に参画したりといった具体的な取組を展開する。地域福祉の視点での具体的な活動にも取り組みたい。

2 英語・国際理解教育

〇第2学年
外国語宿泊研修を継続して実施する。研修体験から英語を学ぶ目的意識をもたせるとともに、積極的かつ意欲的なコミュニケーションの能力を培う。ここでの生活体験から異文化理解を図るとともに、自国文化の理解を深める。また、この学習経験が3年生での修学旅行における「古都・京都」における日本文化の理解に繋げていく。さらには、ユネスコスクールのネットワークを利用して、海外の学校間との交流活動に発展させたい。

〇第3学年
イギリス、オーストラリアの2国だけでなく、世界の国々について理解を深めることを目的としたJICAの施設訪問を継続実施する。プログラムを取捨選択し、前期と後期の1回ずつ訪問したい。積極的な情報発信による交流活動の実現を図り、具体的な相手を想定、もしくは対峙した場面での言語運用・活用能力の育成を図りたい。