2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 食育

本校では、生活教育を基盤とした問題解決的学習過程による授業を通して、子どもの問題解決力を高めている。その中で、ESDを「持続可能な社会の実現のための教育」と捉え、ESDの実践を通して、「問題を見いだす力」「問題の解決に向けて、自らの意志に基づいて行動する力」「自分の意見に偏らず、仲間と議論する力」「広い視野でよりよい方法を模索する力」の四つの力を育むことを目標とした。

本年度の実践として、持続可能なエネルギー供給や消費について(2年)、ジェンダーで拓く未来(2年)、外国人観光客と地域住民との交流をとおした観光事業と国際理解(3年)の3点を紹介する。

持続可能なエネルギー供給や消費について~電力自由化の是非に着目して~

子どもは、これからのエネルギーの供給や消費のあり方について考える中で、電力自由化により、電力の切り替えの選択が可能になった一方で大手電力会社が各地域の電力を供給している現状に変わりがなく、消費者側のメリットに疑問を抱く。そして、「どうすれば電力自由化が価値あるものになるのか」という問題を見いだす。追究を進める中、脱炭素社会を目ざすうえで、再生可能エネルギーの利用を増やす必要性に気づくが、再生可能エネルギーだけで電力供給はできないという不安な面も浮き彫りになる。仲間と議論する中で、再生可能エネルギー中心の電力供給を行うためには、消費者が電力自由化を理解し、自立した選択をしなければならないと考える。それが持続可能な電力供給・消費につながると捉え、未来の電力供給や消費の在り方について専門家へ発信した。

ジェンダーで拓く未来(家庭分野)

ジェンダー意識がどのようにつくられているのか考える中で、幼少期の環境から男女を区別する刷り込みが行われていることを認識する。そして、「性の区別とジェンダーの使い分けをどう考えればよいのだろうか」という問題が見いだす。追究を進める中で、名簿や整列など環境面において家族や先生など周りの大人がジェンダーフリーを意識した接し方が重要になると考える。また、性の区別について、生活や命に関わることは必要であると考える。そして、性に関して必要なことは伝えながらも、周りがジェンダーの固定概念を植え付けないような配慮が必要性を実感し、未来のジェンダーフリー教育の在り方を展望した。

外国人観光客と地域住民との交流をとおした観光事業と国際理解

インバウンド観光事業に着目し、「愛知県のどのような観光コンテンツを外国の人に発信していくべきか」という問題の追究を行った。子どもは、外国人観光客を増やすために「体験」「自然」「食」などを推進していくべきと考えた。その後、外国の人との交流をとおして、商品を買うなどモノ消費を促すのではなく、愛知だからこその体験・経験型のコンテンツや、体験型の消費を促すことで地域住民との交流を生むことが必要と気づいた。そして、今後の愛知のインバウンドにおいて、外国人観光客と地域住民との文化交流を含んだ愛知の独自性を発揮できる観光コンテンツの必要性を観光協会の方へ発信した。

来年度の活動計画

私たちは、「よりよい社会を自分たちの手で実現したい」という夢を子どもに抱かせることで、「持続可能な社会」を現実のものとしていくと捉えている。そのためには、生活教育を基盤とした問題解決的学習過程による授業を通して、子どもの問題解決力を高めることが重要であると考える。

令和4年度においても引き続き、生活教育に基盤を置いていく。その中で、問題解決的学習過程による授業実践を展開していく。令和4年9月27日(火)には、本校にて、授業公開を開催し、9教科の授業を公開し、三河地区、愛知県内、更には全国へと広く実践を紹介していく予定である。