2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 平和, 福祉, 持続可能な生産と消費, 食育

本校は、「未来に目を向け、問題解決力を高める児童の育成」を活動テーマとし、ESDを「よいことを未来につないでいく活動」と捉え、生活科・総合的な学習を軸としたESDの実践を通して、子どもたちの問題解決力の育成を目標とした。具体的には、地域を愛する心、生きる力、安全・安心な環境づくりを柱に、防災に関わる教育、食に関わる教育、地域に関わる学習、平和に関わる学習を計画していた。しかし、令和2年度は新型コロナ感染拡大のため、予定していた学習を進めることが困難な状況となった。地域の人との交流が十分にできず、授業時数のゆとりのない中、①食に関わる教育、②地域に関わる教育を実践した。

  • に関わる教育

2年生は、生活科で「やさい、だーいすき」の実践を行った。生活科の単元「花や野菜を育てよう」に当たる単元であるが、子どもたちの野菜嫌いという課題を克服し、野菜を食べることが好きになるように、地域の野菜博士に元気でおいしい野菜作りの方法を学び、栄養教諭に野菜パワーについて教えてもらったり、カレーを作って自分たちで食べたりする、という内容である。本年度は、野菜の育て方に詳しい校務主任とともに野菜を育てた。できた野菜を家庭に持って帰り、調理して食べたことを教室でスピーチし、友達の体験を共有すことで、意識して野菜を食べるようになった。

  • 地域に関わる学習

4年生は、社会科の「郷土の発展につくす」という単元をESDの視点で捉え、「先人の苦労と努力を未来につなげる」総合的な学習に取り組んだ。かつては漁業が盛んだった地域が、どうして現在のような農業が盛んな地域へと変化してきたのか、昔の地図や郷土史から疑問に思ったことを調べ、さらには地域の古老から聞き取り調査をして追究していく。例年なら工場を建てることに反対した昔の人の思いを、地域のゲストティーチャーから話を聞いているのだが、学校での調べ学習と、同居の祖父母にインタビューをすることで情報を得た。犬の散歩中に出会ったおじいさんにインタビューした児童もいた。校外学習で校区の海を見に行き、地域のことに詳しい教頭先生の説明を聞いて、アサリがたくさんとれた豊かなかつての海に思いをはせた。そして、自分たちが調べてわかったことを新聞やプレゼンテーションにまとめ発信した。学びを発信してよかったという自己肯定感の高まりを感じた。

来年度の活動計画

一昨年度の令和元年度に実践してきたESDの取り組みを、引き続き3年度も継続して行っていく。協力していただいた地域ボランティアや地域の団体にも続けて協力をお願いしていきたい。そして、子どもたちの学びを、家庭や地域に発信していきたい。
子どもたちが学びたいと思って問題解決に向かい、情報や考えを共有しながら学びを深めていけるような展開をめざしたい。また、生活科や総合的な学習の単元としてだけでなく、他教科とも関連させながら、教科横断的な展開を図っていきたい。