2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

海洋, 気候変動, エネルギー, 持続可能な生産と消費

大谷中学校では,ふるさとのために私たちにできることをしようという思いから「ふるさとを知り,ふるさとを愛し,ふるさとを創る心を育てる」をテーマに環境保全活動を行っている。
ESDを地域の自然や環境,暮らしを守り,持続可能な地域づくりに貢献するものと捉え,ESDの実践を通して地域の課題を見いだし他者と協調しながら,その課題解決に取り組む力の育成を目標とした。
具体的には,大谷の海を柱に,2・3年生が中心となって「海と地域の活性化(海と地域づくり)」にいての探究活動を実施した。
海に関わる活動
海洋教育の中で,地域を元気に活性化するためにはどうするかを子供達に考えさせ,調査や探究活動を実施しながら,「私たちにできること」を考えて行動させる活動を実施した。6月には東京海洋大学客員研究員の山川先生による海で起きている諸問題について講話をいただいた。その後,その問題を解決するために,私たちにできる地域が元気になる取り組みは何かを考えて,様々な人とつながりながら,探究的に学習を進めた。
例えば地域で磯焼けの問題となるウニをソフトクリームとして商品化するというもの。その名前,イメージと味のギャップなどが相まって,道の駅に人が多く集まり,観光客が地域経済を回すことにつながると考えていた。また,ウニが入った水槽を置いて,その水槽を見ながらウニソフトを食べたら面白いのではないか。ウニは厄介者と思われがちであるが,中身を開けたらおいしい実が詰まっており,実は資源であるという,ほやぼーやに対するヒール役として大谷のキャラクターに設定し,地域を有名にしようとする案など,様々なアイデアを出すことができた。それだけでなく,ウニの殻を利用してランプをつくり道の駅で飾ったら多くの人を呼び寄せる事ができるのではないかと,実際にウニランプの作成をした。さらに,地球温暖化問題を軽減するための具体的な行動として,プラスチックの削減に目を付け,給食のストローを紙ストローや個人持ちのストローにしてみてはどうかという案が出た。紙ストローを試験的に使用してみた感覚やストローの値段の調査など提案できうる資料や検証を行った。ウニ味のソフトクリームや水槽設置,ウニランプなどは道の駅の駅長さんに提案し,実現に向けて検討をいただいているところである。
このような活動を通して,地元をどうすれば元気に活性化することができるかという視点で,様々なアイディアを出し,地域の道の駅の駅長さんに提案することができたこと,また「地域の一員として地域を愛し,生まれ育った住む場所の未来を考えて行動できたか」というアンケートの項目では,「地域に貢献しようとする気持ちが高まった」,「もっと大谷地区を元気にしたい」,「自分たちにできることは何かという視点で地域の事を考えることができた」など記述から,地域社会に貢献しようとする態度の高まりが見られた。

 

 

来年度の活動計画

次年度の計画
総合の年間指導計画に沿って環境保全活動を継続していく予定である。
次年度は「大谷の海」の1本柱で進めることとした。内容は,総合や海洋教育主任を中心に検討し,生徒がより興味を持ち,意欲的に活動できるものにする。次年度も継続して地域を元気に活性化するためにはどうするかを子供達に考えさせ,調査や探究活動を実施しながら,「私たちにできること」を考えて行動させる活動を実施する。全校で海を中心に持続可能な社会を目指す探究学習を進める上で,学年ごとにカテゴリーを設定して取り組ませようと考えている。
例えば1年生であれば「海と食」。海と食に関わりのあることをテーマとし,地域資源に注目しながら地域を元気にするためにはどうするかを考えて行動させたい。2年生では「海と観光」をテーマとし,地域にたくさんの人を呼び寄せるために,私たちにできることは何かを考えて行動させたい。3年生は義務教育の集大成として,「大谷地区が元気になるために提案し,行動しなさい」というテーマを与え,様々な視点から海と地域のまちづくりに注目し,行動させたいと考えている。