2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 気候変動, 環境, 持続可能な生産と消費

大谷中学校では,ふるさとのために私たちにできることをしようという思いから「ふるさとを知り,ふるさとを愛し,ふるさとを創る心を育てる」をテーマに環境保全活動を行っている。

ESDを地域の自然や環境,暮らしを守り,持続可能な地域づくりに貢献するものと捉え,ESDの実践を通して地域の課題を見い出し,他者と協調しながら,その課題解決に取り組む力の育成を目標とした。

具体的には,大谷の海を柱に,1年生は【環境保全】,2年生は【資源活用】,3年生は【経済活性化】「海と地域の活性化(海と地域づくり)」についての探究活動を実施した。

海に関わる活動

海洋教育の中で,地域を元気に活性化するためにはどうするかを子供達に考えさせ,調査や探究活動を実施しながら,「私たちにできること」を考えて行動させる活動を実施した。4月には宮城県水産試験場の鈴木先生による海で起きている諸問題について講話をいただいた。その後,地域を活性化する活動を行っている「大谷海岸道の駅の駅長さん,農業者,漁業者,浜わらすの方々」からそれぞれの取り組みを聞き,私たちにできる地域が元気になる取り組みは何かを考えて,様々な人とつながりながら,探究的に学習を進めた。

例えば,活用すれば価値があるのにもかかわらず捨てられてしまっている地域資源に注目し,メカジキのフン,アワビの殻を用いてアクセサリーを制作した。地域資源の活用が図られれば,大谷地域に数多くの観光客を呼び寄せることができると考え,大谷海岸道の駅の展示スペースに置いてもらったり,道の駅で開催されたイベントで,観光客の方に渡すことができた。また,メカジキやマンボウの肉を利用したレシピを考案し,気仙沼市内の有名な飲食店や高級食パン店とコラボレーションも実現した。飲食店では,昼食の弁当にメカジキを材料としたメカカツが採用された。高級食パン店では,メカカツサンドを共同開発し,商品化に結びつけた。

地元をどうすれば元気に活性化することができるかという視点で,様々なアイディアを出し,地域の道の駅の駅長や地元飲食店に提案することができた。また「地域の一員として地域を愛し,生まれ育った住む場所の未来を考えて行動できたか」というアンケートの項目では,「地域に貢献しようとする気持ちが高まった」,「もっと大谷地区を元気にしたい」,「自分たちにできることは何かという視点で地域のことを考えることができた」などの記述が見られた。こうした点からも生徒たち中心に地域社会に貢献しようとする態度の高まりが見られた。

来年度の活動計画

総合的学習の時間の年間指導計画に沿って環境保全活動を継続していく予定である。

次年度は継続して「大谷の海」の1本柱で進めていく。内容は,総合的学習の時間や海洋教育主任を中心に検討し,生徒がより興味を持ち,意欲的に活動できるものにする。次年度も継続して地域を元気に活性化するためにはどうするかを子供達に考えさせ,調査や探究活動を実施しながら,「私たちにできること」を考えて行動させる活動を実施する。全校で海を中心に持続可能な社会を目指す探究学習を進める上で,学年ごとにカテゴリーを設定して取り組ませる。