2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災

本校は,「自覚・立志・健康」を学校理念として,ESDを持続発展可能な社会を構築する担い手となる生徒の育成を図る場と捉え,ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野を取り入れたESDの実践を通して,持続発展可能な社会に向けて自分のできることを考えさせることを目標とした。

本年度は「ユネスコスクールが重点的に取り組む3つの分野」のうち「②持続可能な開発および持続可能なライフスタイル」に関連させて,東日本大震災について学ぶ機会を設定した。「やまもと語り部の会」に所属する,本校の元教頭で震災遺構・中浜小学校の震災当時の校長であった井上剛氏を招き,ESD講演会を行った。

ESD講演会は密集防止のため,学年ごとに行った。1学年は体育館での講演会方式,2・3学年は各教室でのオンデマンド方式で実施した。講演会では,中浜小学校長としての震災の経験を,写真を使いながら説明していただいた。2階建ての校舎の屋上に避難して2階天井の高さに当たる10メートルの津波から学校にいた90名全員が生還したこと,生き残る可能性があることにかけて幸運が重なったことで命が助かったこと,屋根裏倉庫の寒く食料もない中であるもので工夫をして一晩を過ごしたこと,状況を児童にも端的に伝えながら前向きな声がけをしたこと,過去の備えが未来の人々の生命を救うことがあることなどをお話しいただいた。

本校のある大河原町は海がないものの,令和元年東日本台風(台風19号)で大きく被災した地域である。講演後の生徒の感想には,「地震や津波の恐ろしさを再認識した」「全員の命が助かったのは幸運が重なったおかげだ,という言葉が印象的だった」というものに加え,「身のまわりでおこる災害に普段から備えていきたい」「災害をなくすための仕事に就きたい」といった未来を見据えた感想も多く見られた。

       

ESD講演会のようす                   1学年のようす

 

 

 

 

 

来年度の活動計画

今年度の活動を継続することを基本とし,反省点を改善しながら実施する予定である。

各教科の学習や学活,道徳,総合的な学習の時間などでも,災害やエネルギー問題,国際理解,ボランティア活動等に関連した事項を取り上げ,つながりをもたせた学習にしていきたい。また,JRC委員会,児童生徒健全育成ボランティア,ボランティア部といった校内における団体の横のつながりをさらにもちながら,外部機関ともうまく連携して活動の幅を広げられるよう努める。