2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等

 

本校は、「ふるさとから世界へ」を活動テーマとして、ESDを踏まえた特色ある学校教育活動を通し、様々な視点で物事を捉えさせ、自らの考えを深めると共に、感性を培い、さらにESDの実践を通して自ら考え、判断し、表現できる力の育成を目標とした。具体的には,「郷土の自然や文化」を柱に、①郷土の自然に係わる教育活動、②郷土の伝統工芸に係わる教育活動、③郷土の芸術に係わる教育活動、④郷土の武道に係わる教育活動等を行った。

①  郷土の自然に係わる学習活動

本校では小原科として自然に係わる活動(ESD)を地域のボランティアと中学校1年生で協働して位置づけ実施している。本年度は地元ボランティアの指導で「森」をテーマに水源地実地踏査を行った。本校は全国でも珍しく山からの湧水を飲料水としている。その成り立ちについて実際に確認し、環境を守ろうとする意識付けを図った。また中学3年生の修学旅行自主研修においても小原と関連する秋田「六郷湧水群」を訪れ、SDGsの一環として「水」について学習した。

②   郷土の伝統工芸に関わる学習活動

郷土の伝統文化を尊重し、継承していこうとする意欲・態度を育てるため、地域のボランティアサークルと連携し、全校生徒で「白石和紙作り体験」を実施している。具体的には地域にこれまで継承されてきた製法で、「うちわ」「ペーパーウェイト」自らの「卒業証書」を作った。特に卒業証書作りは、手作りのぬくもりの感じとれる良い作品となった。また白石の凝灰岩を用いた「だるまづくり」も行った。これらの活動を通して、生徒は白石和紙や地元の原産の石の良さを味わうとともに、伝統文化を継承することの大切さを実感している。

③  郷土の芸術に係わる学習活動                      

白石市内在住の和太鼓の奏者を講師として招き,全校で和太鼓演奏に取り組んで9年目となる。使用する和太鼓は小原地区内の各自治会で使われなくなったものを活用している。生徒たちは地域の思いや願いを心で感じながら、熱心に練習に取り組んでいる。演奏は例年、地区民文化祭、市内の音楽祭で発表している他、地域の依頼があれば演奏している(本年度は新型コロナウィルス感染拡大防止のため地域行事は中止)。生徒は人々を感動させる喜びと小原の伝統のすばらしさを実感しながら日々の練習に取り組んでいる。

④ 郷土の武道に係わる学習活動

小原地区の各神社では古くから「百矢納め」という弓道の神事が奉納されてきた。そこで地域の伝統行事を継承すべく地域から講師を招き、保健体育科の学習の一環として「弓道」の学習に取り組んでいる。心身の鍛錬はもとより、武道の礼法も学習し、その美しい所作を肌で感じ取りながら弓をひくことは、生徒に日本古来の伝統を継承する自負心と武道をたしなむ日本人としてのアイデンティティーを確認することのできる貴重な機会となっている。

来年度の活動計画

本校では総合的な学習の時間の指導として「ふるさとから世界へ」を継続テーマとし、ユネスコスクールとしての活動を中心にして継続して進める。年度末には本年度の活動反省をもとに時数や内容等の見直しを図り、次年度の活動へとつなげていく。郷土の自然、伝統文化を継承し、その教育的意義を整理、体系化しながら本校の「小原科」として特色ある教育活動として位置づけ定着を図っていきたい。