2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

世界遺産・地域の文化財等

 本校は、「ふるさとから世界へ」を学校理念として、ESDを自ら表現できる力と捉え、郷土の伝統・文化を学ぶ活動を通して、郷土の先人が伝承してきた伝統・文化の価値を感じると共に、守り、継承しようとする心情を養うことを目標とした。
 具体的には、郷土の歴史や芸術文化の継承と創造を柱に、地域人材を活用した「郷土の芸術文化に係わる活動」を行った。

  郷土の芸術・文化に係わる活動

(1)  「和太鼓」体験活動

市内在住の和太鼓奏者を講師として招き、全校で和太鼓演奏に取り組んで、7年目となる。使用する和太鼓は小原地区内の各自治会で夏祭りなどの際に、使われていたものであるが、人口減少などにより使われなくなってきたものを活用している。生徒たちは地域の方の思いが詰まった和太鼓を使うことで人々の地域を思う心を感じながら、熱心に練習に取り組んでいる。演奏は例年、地区民文化祭、市内の音楽祭で発表しており、今年度は他からも出演依頼があり、和太鼓のもつ響きのすばらしさを地域内に広めつつある。聞く人の喜ぶ姿を見て、生徒は人々を感動させる喜びと小原の伝統のすばらしさを感じている。

(2)「白石和紙作り」体験活動

地域の伝統文化を尊重し、継承していこうとする意欲を育てるため、地域のボランティアサークルと連携し、全校生徒で「白石和紙作り体験」を実施した。具体的には、地域にこれまで継承されてきた製法でうちわ、ペィパーウェイト、自らの卒業証書を作った。特に卒業証書作りは、手作りのぬくもりの感じられる良い作品となった。これらの活動を通して、生徒は和紙のすばらしさ共に、伝統文化を継承することの大切さを実感している。

 

 

(3)「伝統武道 弓道」体験・調査活動 

小原地区の各神社では「百矢納め」という弓道の神事が奉納されて
いる。しかし、後継者不足から、規模が縮小されてきている。地域から
講師を招き武道の時間に全校で弓道の学習を行っている。小原の伝
統について学び、武道の礼法にのっとり、心身の鍛錬にも努めてい
る。今年度は1年生の総合の時間で、現在も神事を行っている方にお
話を伺い、調べ学習、発表会を実施した。継承されている小原の伝統
に思いをはせながら、生徒は日本武道の精神と美しい所作を表現で
きている。

来年度の活動計画

本校では、次年度も総合的な学習の時間や美術・体育の時間にこれらの活動を位置づけ、学習活動を展開する。郷土の歴史や芸術文化の継承、創造は価値ある活動である。地域を理解し、地域の方から学び、共に伝統を守っていく活動を尊ぶ生徒の育成を目指し、地域と協働した活動を進めていく。単なる継承にとどまらず、広く他地区に紹介する活動を行い、他地区での同じような活動にも目を向けさせ、日本文化についての理解を深めさせていきたい。