2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

減災・防災, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 人権, 福祉

本校は、「私たちはどのようにすれば、人や自然に優しい街づくりができるのだろう」を活動テーマとして、ESDを21世紀に向けて誰も置き去りにしない社会づくりのための教育と捉え、ESDの実践を通して「人や社会と積極的に関わり、これからの社会を前向きに生き抜く力」の育成を目標とした。
具体的には、総合的な学習の時間において、福祉、地域、文化を柱に、①高齢化社会に関わる活動、②住みやすい地域社会に関わる活動、③受け継がなければならない文化に関する教育を行った。
・ 高齢化社会に関わる活動
新居浜市地域包括支援センター職員を講師に招き、認知症サポーター講座を実施した。新居浜市、北中校区の高齢化の現状と課題についての講話を受    け、その後、認知症の方との具体的な接し方をロールプレイ形式で学習した。生徒たちは、自分たちが住んでいる地域の現状を理解した上での活動であったので、自分のことと捉え意欲的な活動となった。
・ 住みやすい地域に社会に関わる活動
今年度は、新型コロナウイルス感染症感染防止対策のため、積極的に校外に出かけての調査活動が実施できなかった。そこで、誰も置き去りにしない社会の担い手の育成をねらいとして「2030SDGsカードゲーム」を行った。講師としてSDGs新居浜KITEの方を招き実施した。ゲームを通して、生徒たちは環境問題や経済問題など、これから生きていかなければならない社会の課題について考えることができた。
公民館活動が行っている防災学習会にも参加した。地域の危険箇所や自然災害時に実際に浸水する箇所の確認、避難所での生活の仕方や防災備品について学習した。生徒たちは、活動を通して、それぞれの家庭で準備しなければならないことや、中学生として自分より小さい子どもたちにしなければならないことを考えることができた。
・ 受け継がなければならない文化に関する教育
未来社会の在り方を考える上で、先人が築き上げてきた文化を理解し、継承していくことは大変意義のあることである。国際化社会が進めば進むほど、日本人としてのアイデンティティを確立することは大切である。そこで、今年度は、総合的な学習の時間を利用し、「歌いつごう日本の歌」事業を実施した。地域の声楽家、ピアニストを講師に招き、コンサートを行った。歌を聴くだけでなく、歌詞やその曲が作られた時代背景についての説明を受けながらのコンサートであった。音楽という文化に触れるだけではなく、歴史にも触れることができるコンサートであった。
社会科と連携して、ふるさと学習展への応募を積極的に進めた。「工都・新居浜」に生きる市民として、別子銅山を中心とする住友の産業遺産等について学習を進めることは重要である。ふるさと学習展への応募を通して「広瀬宰平」や「伊庭貞剛」について学習を深めることができた。

来年度の活動計画

今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響のため制限された活動となったが、その分SDGsカードゲームなど新しい取組に挑戦した1年であった。来年度は、年間計画の見直しを進め、従来の活動と今年度の活動を組み合わせ、より効果的な学習活動を進めることが必要である。
また、今年度は、ESDの活動をSDGsの17の目標と関連させて活動を行った。教科だけでなく、生徒会活動や特別活動においてもその内容を見直し、SDGsの目標との関連付けを進めていきたい。
市では「誰ひとり取り残さない新居浜市」を掲げ、ESDの推進に当たっている。市の取組との連携についても進めていきたい。