2019年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費

 本校は、「かがやくひとみの 野向っ子」を学校教育目標として、ESDは児童が地域や地域の人々とつながり、地域を支える根幹になる活動と捉え、ESDの実践を通してふるさとに誇りと愛着を持ち、ふるさとについて発信する力の育成を目標とした。

具体的には、①地域とのつながりに係わる活動、②文化とのつながりに係わる活動、③人とのつながりに係わる活動を行った。

①地域とのつながりに係わる活動

 地域の特産物であるえごまの栽培を行った。地域の方に植え付けや世話、収穫の方法を教えていただいた。また、6年生がえごまについてのパンフレットを作り、修学旅行先で「野向のえごま」をPRした。パンフレットを配るとともに、えごま油の販売を行った。1月には「勝山年の市」でも、えごまの販売をする予定である。

 地域の方に講師をお願いし、学校の裏山にある遊歩道の動植物について学習した。野向地区かつやまっ子応援ネットワークにも協力していただき、遊歩道散策をしながら枝や木の実などの材料を集め、工作をした。また、他の地域の生物環境も学び、平泉寺町の池ヶ原湿原での観察会を行った。

②文化とのつながりに係わる活動

本校では十数年前より、雅楽に取り組んでいる。地域に雅楽会があり「後を引き継いでもらいたい」という願いがある。児童は地域の方や上級生に教わりながら熱心に練習を重ねていた。学校行事で演奏発表をするとともに公民館との共催で「親子雅楽体験」を取り入れた。雅楽の衣装の着付け体験、発表、そして発表の後は保護者が児童の楽器を吹く体験をする機会を設けた。保護者たちは吹くことの難しさを感じながらも雅楽体験を楽しんでいた。

同じ学校規模の複式校である小山小学校と交流をした。小山小学校児童は、「鍬踊り」を披露し、本校児童は「雅楽」を発表した。児童は、お互いの地域に根ざした伝統芸能を見合い、興味深げに鑑賞していた。発表している時の児童の顔は、どちらも誇らしげであった。

③人とのつながりに係わる教育

地域の高齢者の方と一緒に草取りを行った。鎌の使い方を教わりながらコミュニケーションを図ることができた。それに加え、各地区で行われている「シルバーサロン」で高齢者との交流を行った。話したり遊んだりしているうちに、年をとった時の体について理解し、相手のことを考えて交流ができた。また、交流の後にシニア体験を試みた。児童は、目や耳、手指の不自由さなどを体験し、高齢者の大変さを感じると共に、介助の体験を通してどう動いたらよいか、何をすると相手が助かるかを考えていた。

5,6年生は保育園訪問を行った。歌の発表や読み聞かせのほか、ゲームを考え、園児達に楽しんでもらうことができた。普段は活発な児童たちも相手が小さな園児とあって、体の動きや声の大きさなどを考えながら活動していた。また、交流しているうちに自然と笑顔になり、途中からは、おんぶや抱っこをして触れ合う姿が見られた。

来年度の活動計画

今年度の活動を、令和2年度も継続的に行っていきたい。これまで以上に、野向町の方々との交流を深めるとともに、児童が自ら積極的に関わっていけるような機会作り、働きかけをし、充実した交流にしていきたい。

<令和2年度活動計画>

・えごまの栽培

・えごま加工品の販売

・トウモロコシの栽培

・ジオパークめぐり

・学校裏山の遊歩道の活用

・雅楽に挑戦

・保育園や老人介護施設訪問

・地域の行事への積極的な参加