2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 人権, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, ジオパーク

本校は、「豊かな心でたくましく生きる子の育成」を教育目標としている。人や地域との関わりを重視しながら、ユネスコスクールの重点分野である「持続可能なライフスタイル」や「文化遺産の尊重」を意識したESD活動を行っている。

その一つは、特産物を通した人や地域との関わりである。本校のある野向町は過疎化が進んでいるが、その中でも特産物であるエゴマの生産や販売を通して、地域を活性化させようという取り組みがある。そうした取り組みに関わり、当事者としての意識を持つことは、住み続けられるまちづくりについて考えることにつながる。

今年度も地域の方にお願いしてエゴマの栽培を体験させていただいた。苗植え、水やり、刈り取りの他に、エゴマの実を落とす作業や選別作業も体験した。唐竿(からさお)や唐箕(とうみ)などの道具を使った体験を通して、児童は昔の人の苦労や知恵、工夫などについて学んだ。また、脱穀・選別して天日干しにしたエゴマの実を地域のNPO法人に引き取ってもらった。今後はエゴマ油を搾油し、販売してもらうことを計画している。

もう一つの活動の柱は、日本文化の一つである「雅楽」である。野向町では百年ほど前に地域の雅楽隊が結成され、今日でも「雅楽会」が活動している。総合的な学習の時間に雅楽会の方を講師として招き、雅楽を教わっている。講師の高齢化により指導が困難となってきたため、今年度から活動が縮小される予定であったが、地域の方には「雅楽の伝統を受けついでいってほしい」という願いがあり、今年度も講師を引き受けてくれた。そうした地域の方の想いにふれながら地域の伝統を受けついでいくことは、本校の教育目標である「豊かな心を持ち、たくましく生きる子」を育てることにつながるものと考える。

さらに、今年度は地域に残る歴史やいわれなどを中心に、いろいろな場所を訪ねたり調べたりして、地域探究を深めた。この取り組みを通して、昔の野向町の暮らしについて知ったり、地域の暮らしと地理的特性とのつながりについて考えたりした。かつての豪雪災害や昨年度の豪雨災害の爪痕にも触れ、児童はこれらの出来事を後世に伝えていきたいという想いを持つことができた。

来年度の活動計画

次年度も、継続して地域を大切にした活動を行っていきたい。地域の特産品であるエゴマの栽培活動を中心に、伝統、福祉、防災などの観点から地域のことを考えたり、地域の人と関わりを深めたりしていきたい。また、学んだことをもとに動画を作成し、他校の児童と交流したり、地域の人に見てもらったりして発信を充実させていきたいと考えている。雅楽については活動を縮小するが、これまでに学んだことをもとに、今後も引きついでいけることはないかを考えていきたい。