2021年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費, 健康, 食育, ジオパーク

本校は、学校教育目標「豊かな心でたくましく生きる子の育成」をめざし、人や地域との関わりに重点を置いてESD活動を行っている。

その一つは、特産物を通した人や地域との関わりである。過疎が進んでいる本地区において、自分たちの住む地域を持続させるためにも地域のことを知り発信することは、たくましく生きる力にもつながると考える。本校のある野向町では、地域をあげてエゴマを栽培している。そこで、今年度も地域の方にお願いしてエゴマの栽培を体験させていただいた。苗植え、水やり、刈り取りの他に、エゴマの実を落とす作業や選別作業も体験した。唐竿(からさお)や唐箕(とうみ)などの道具を使った体験を通して、児童は昔の人の苦労や知恵、工夫などについて学ぶことができた。また、脱穀・選別して天日干しにしたエゴマの実を地域のNPO法人に引き取ってもらった。今後はエゴマ油を搾油し販売してもらうことを計画している。また、今年度はエゴマの他にも野向町で特産化しようとしている「丹波産黒豆」の栽培にも挑戦した。黒豆の特徴や育つ環境などについて知ることで、児童達は黒豆に対する知識を深めることができた。

もう一つの活動の柱は、日本文化の一つである「雅楽」である。地域に「雅楽会」があり、総合的な学習の時間に講師として招き、楽を教わっている。地域の方には「雅楽に触れてもらいたい、伝承していってもらいたい」という願いがあり、児童達に文化やその良さを伝えてくれている。カタカナや漢字で書かれた譜面を見て洋楽との違いを感じられるのもまた雅楽をしている醍醐味であると感じる。

さらに、今年度は学校の裏山にある遊歩道を活用した活動を行った。近年、サルやクマなどの野生動物の出現により遊歩道への立ち入りが制限されているが、今年度は時期を見て、遊歩道にある遊具の状態を確認したり看板を作って設置したりした。児童は環境や植物、動物の活動の痕跡を見つけ、親しむことができた。

来年度の活動計画

次年度も、継続して地域を大切にした活動を行っていきたい。地域の特産品であるエゴマと丹波黒豆の栽培活動を中心にし、それに加えて、さらに収穫したエゴマや丹波黒豆の活用や販売にも取り組みたいと考える。一方で、雅楽は講師の高齢化により、指導が困難となってきたため、雅楽は来年度からは活動は縮小される予定である。そこで、今度は地域に残る歴史やいわれなどを中心にいろいろな場所を訪ねたり調べたりし、地域探求を深めたいと考えている。