2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 減災・防災, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等

当校は「ふるさとを愛し、思いを伝えられる子の育成~情報を読み取り、整理し、表現する力を高める授業づくり~」をテーマとして、研究・実践を進めている。そして、本校が長年にわたり取り組んできた「町学習」が、ESDの理念と合致していることから、平成24年度より、ユネスコスクールに申請し、教育活動を続けてきた。教育の不易は「ふるさとを愛する子供」そして「人・もの・こと」との関わりの中で自らを成長させる子供」の育成であると考える。私たちは、子供が過ごす小学校生活の6年間をかけて、地域を学び、地域で学び、地域に愛着をもてる子供を育てたいと願う。
具体的には、①地域文化②環境③防災を柱に学習を行った。
① 地域文化に関わる町学習(5年生)
子供が、地域の遺産 「人・もの・こと」に触れ、学び、そして、次世代へ継ぐ気持ちが育むことを目標に実践を行う。子供は、なじみある地元の祭り「西尾祇園祭」が、長い伝統や地元の人の思いに基づいて継承されていることを知る。そして「西尾祇園祭」の意義や価値に気付いた子供は、西尾市には、他にももっと地域の遺産があるのではないかと地域の魅力への追究を進めた。これまで気付かなかった地元のよさを自らの手で見付け、愛着を深めるとともに、次世代へ伝えたいという思いをもった。ESDの視点から「伝統文化の保護」等についての学びを深めることができた。また、こうした地域の伝統文化に対する学びを通して、自分たちの住む地域への愛着を深めることができた。
② 環境に関わる町学習(4年生)
子供が、校区を流れる川の環境保全に努め、自然を愛する気持ちを育むことを目標に、地域の川を対象に実践を行う。子供は、地域の二の沢川を調査していく中で、地域を流れる川のよさと課題に気付いていく。自然の中に、大量の外来種がいることや大量のごみがあることなどの現状を知り、専門家の話を聞くことで、命のつながりやかけがえのない環境について熟考する。そして、自分たちにできることは何かを考え、学級や学年で伝えたいことを周りに発信する活動を行った。
③ 防災に関わる町学習(6年生)
自分たちにできる防災・減災を考え、実践・行動していく力を身に付けることを目指した。防災士を招き、地元の防災事情やいざというときの身の守り方などの話を聞き、被災者の困り事から課題を設定し、課題解決のために防災・減災について調べたり、「防災・減災会議」を行ったりすることで、課題に対する最適解を導き出す活動を行った。自分たちの手で自分たちの地区を守ろうという思いを高めるとともに、次代を担う自覚を芽生えさせることができた。

来年度の活動計画

令和5年度も、これまでの「地域文化」「環境」「防災」に関する実践を引き継ぎ、子供の実態と学習指導要領の主旨を踏まえながら、カリキュラムマネジメントを図り、単元を構想する。町の「人・もの・こと」との出会いによって心を揺さぶられ、主体的に問題解決に取り組んでいく実践を継続していくことで、持続可能な社会に向けて主体的に行動する子供を育成したい。