2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 世界遺産・地域の文化財等, 人権

本校は、「ふるさとを愛し、より良い自分を求め、自立できる生徒の育成」を学校教育目標に掲げ、地域に絡むユネスコ活動を通して環境等について考える力や共に協力して問題の解決にあたる力の育成を目標としている。具体的には、「ふるさと学習」を柱として、①書き損じハガキに係わる活動、②様々な地域教材に係わる学習、③山門水源の森に係わる学習について毎年取り組みを行っている。

  • 書き損じハガキに係わる活動

本校では、ユネスコが呼びかけている「世界寺子屋」運動に賛同し、書き損じハガキ回収活動を続けている。この取組は20年以上続いている。今年は、コロナ禍であり、できるだけ人の接触・密集を避けるため、1月下旬に行っていた西浅井町の全家庭を自治会生徒会が分担してまわり、書き損じハガキの回収を行う取り組みを、3月の資源回収活動に合わせて行う予定である。毎年、集まるハガキは、4000枚程になり、長浜市全体の約半数を占めている。このハガキは、カンボジアなどのアジア4カ国に寄付され、学校建設や教材購入に充てられる。

  • 様々な地域教材に係わる学習

地域には、北陸と京都を結ぶ商業の起点となった「塩津港遺跡」と国宝「菅浦文書」の歴史教材がある。これらの研究をされている方を講師としてご教授いただくことで、生徒の郷土愛や地域への誇りや自身が育まれる。しかし、本年度は、新型コロナ感染症防止対策のため学習会を中止した。次年度、条件が整えば再開する予定である。

  • 山門水源の森に係わる学習

本校では、毎年、山門水源の森に係る環境学習について、「山門水源の森を次世代に引き継ぐ会」の方を講師としてお招きし、1年生では自然観察、2年生ではササユリの播種作業、3年生では林床整備を通してふるさとを守り育てることの大切さを学んでいる。しかし、春に行う活動が休講であったため、実施時期を10月に移し実施した。また、自校教材である「山門湿原を守った生徒たち」を活用した道徳の授業では、体験活動とつなげて、保全活動についての大切さを学ぶ機会とした。生徒たちは、これらの活動により山門の湿原や森は人が入り続けなければ荒れてしまい、生物多様性を保持できなくなることを学んだ。そのことより、「山門水源の森を守っていくのは、次の世代である自分たちである」との自覚・認識を高めることができた。そして、小学校から9年間継続して学習してきたことにより、ふるさと愛やお世話になった講師の先生方への感謝の気持ちが育った。

来年度の活動計画

令和3年度については、感染症の拡散状況を見ながらではあるが、例年同様①書き損じハガキに係わる活動、②様々な地域教材に係わる学習、③山門水源の森に係わる学習の3つを年間計画に位置づけ、積極的に取り組んでいく予定である。この3つの活動は、すべて地域と深く関わる内容の学習であり、学校教育目標である「ふるさとを愛し、より良い自分を求め、自立できる生徒の育成」を達成するためには必要不可欠な教育活動である。「持続可能な地域」を実現するために、地域に出向き、地域の協力を得ながら健全な子どもの育成を図りたいと考えている。