2018年度活動報告
本年度の活動内容
生物多様性, 環境, 平和, 人権, 世界遺産・地域の文化財等
本校は、「ふるさとを愛し、仲間と共に心豊かでたくましく成長する生徒の育成」を学校教育目標として、ESDの地域学習を通じた環境教育の一環と捉え、ESDの実践を通して環境について考える力や共に協力して問題の解決にあたる力の育成を目標とした。具体的には、「ふるさと学習」を柱として、①書き損じハガキに係わる活動、②様々な地域教材に係わる学習、③山門水源の森に係わる学習を行った。
①書き損じハガキに係わる活動
本校では、ユネスコが呼びかけている「世界寺子屋」運動に賛同し、書き損じハガキ回収活動を続けている。この取組は10年以上続いている。今年も、2月初旬に西浅井町の全家庭を自治会生徒会が分担してまわり、書き損じハガキの回収を行う予定である。毎年、集まるハガキは、4000枚程になる。このハガキは、カンボジアなどのアジア4カ国に寄付され、学校建設や教材購入に充てられる。
②様々な地域教材に係わる学習
地域におられる、薬師寺金堂の建設に携わった宮大工をされている方を講師としてお招きし、お話を聞かせていただいた。生徒にとっても地域で活躍されている方がいることがわかり、地域に自信や誇りが感じられたようである。その修業時代のお話や仕事への厳しい姿勢など直接お聞きする中で、自分の将来設計(生き方)について深い学びがあった。
③山門水源の森に係わる学習
山門水源の森についての学習は、「山門水源の森を次世代に引き継ぐ会」の方を講師としてお招きし、1年生では自然観察、2年生ではササユリの播種作業、3年生では林床整備を通してふるさとを守り育てることの大切さを学んだ。自校教材である「山門湿原を守った生徒たち」を活用した道徳でも、「引き継ぐ会」の代表者をゲストティーチャーとしてお招きし、体験活動とつなげて、保全活動についての大切さを改めて学ぶことができた。これらの活動により、このまま人の手が入った湿原や森は、人が入り続けなければ荒れてしまい、生物多様性を保持できなくなることを学んだ。また、「山門水源の森を守っていくのは、次の世代である自分たち」との自覚・認識を高めることができた。
来年度の活動計画
平成31年度についても、例年通り山門水源の森における体験学習、保全活動を続けていく予定である。また、書き損じハガキの回収や、地域の歴史について学ぶ予定である。特に、西浅井にある菅浦文書が国宝の認定を受けたことにより、講師を招きより深く学習に取り組めると考えている。地域の方に講演していただく「キラリ生き方学習」は、創立50周年記念行事の「記念講演」として実施する予定である。
地域と深く関わる内容での学習を進めることで、学校教育目標である「ふるさとを愛し、仲間と共に心豊かでたくましく成長する生徒の育成」が達成できると考えている。