2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 環境, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等

本校は、「ふるさとを愛し、より良い自分を求め、自立できる生徒の育成」を学校教育目標に掲げ、ユネスコ活動を通して、地域の歴史や文化、環境について考える力や共に協力して問題の解決にあたる力の育成を目標としている。具体的には、「ふるさと学習」を柱として、①書き損じハガキに係わる活動、②様々な地域教材に係わる学習、③山門水源の森に係わる学習について毎年取り組みを行っている。

①書き損じハガキに係わる活動
本校では、ユネスコが呼びかけている「世界寺子屋」運動に賛同し、書き損じハガキ回収活動を続けている。この取組は20年以上続いている。今年度も昨年度と同様に、コロナ禍のため感染症予防対策を万全に行い、できるだけ人の接触・密集を避けて実施する。1月下旬に行っていた町内全家庭への訪問を控え、3月の資源回収活動に合わせてハガキ回収ボックスを設置して行う予定である。毎年、集まるハガキは、4000枚程になり、長浜市全体の約半数を占めている。このハガキは、カンボジアなどのアジア4カ国に寄付され、学校建設や教材購入に充てられる。

②様々な地域教材に係わる学習
地域には、北陸と京都を結ぶ商業の起点となった「塩津港遺跡」と国宝「菅浦文書」の歴史教材がある。また、びわ湖の北部に位置し、農業や漁業をはじめ地場産業にも力を入れている地域である。様々な方面で活躍されている方を講師としてご教授いただくことで、生徒の郷土愛や地域への誇りや自身が育まれる。今年度は、11月の「ふるさと学習の日」に、地域のネガティブをポジティブに「Rice is Comedy」~地元の元気を取り戻そう~というテーマで、地元西浅井で米作りに尽力されている清水氏と、長浜ユネスコ協会会長の片山氏を講師にお迎えし講演をいただいた。

③山門水源の森に係わる学習
本校では、毎年、山門水源の森に係る環境学習として、「山門水源の森を次世代に引き継ぐ会」より講師をお招きし、1年生は「自然観察」、2年生は「ササユリの播種」、3年生は「調査活動と林床整備」を通して、ふるさとを守り育てることの大切さを学んでいる。今年度は、冨岡氏を講師にお願いし、1・3年生を6月、2年生を11月に実施した。また、自校教材である「山門湿原を守った生徒たち」を活用した道徳の授業では、体験活動とつなげて、保全活動についての大切さを学ぶ機会とした。生徒たちは、これらの活動により山門湿原や森は人が入り続けなければ荒れてしまい、生物多様性を保持できなくなることを学んだ。そのことより、「山門水源の森を守っていくのは、次の世代である自分たちである」との自覚・認識を高めることができた。そして、小学校から9年間継続して学習してきたことにより、ふるさと愛やお世話になった講師の先生方への感謝の気持ちが育った。

来年度の活動計画

令和5年度については、例年同様①書き損じハガキに係わる活動、②様々な地域教材に係わる学習、③山門水源の森に係わる学習の3つを年間計画に位置づけ、積極的に取り組んでいく予定である。また、この3つの活動に加え、エコキャップの回収にも力を入れたいと考えている。どれも地域と深く関わる内容の学習であり、学校教育目標である「ふるさとを愛し、より良い自分を求め、自立できる生徒の育成」を達成するためには必要不可欠な教育活動である。「持続可能な社会」を実現するために、地域に出向き、地域の協力を得ながら健全な子どもの育成を図りたいと考えている。