2022年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・無形文化遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 持続可能な生産と消費, 食育

本校は同志社大学の創立者である新島襄の教育理念に基づいた教育を、新島襄ゆかりの地である群馬県(上州)安中にて行うために創立された学校である。新島襄の教育理念は「キリスト教主義」「自由主義」「国際主義」の3つの側面から理解される。ユネスコスクールが取り組む3つの分野は本校の建学の精神に合致するものと考えている。生徒が神から与えられた使命に目覚め、その実行のために備えられた能力を伸ばし、自治自立の精神に満ちた人間となることを育成目標としている。

1.地球市民および平和と非暴力の文化

毎朝実施される朝の礼拝において、キリスト教が伝統的に継承している「隣人愛」「平和と非戦」について日々生徒に向けて語っている。ウクライナ戦争発生時には生徒が自主的に募金活動を行い、戦争反対の意志を表明した。

2.持続可能な開発および持続可能なライフスタイル

群馬県は農林業が盛んな自然豊かな地である。ともすれば都会中心の価値観を持ちがちな生徒に地産地消の素晴らしい文化があることを伝えている。学園のすぐ近くに「新島学園ファーム」を持ち、農作業を教育の中に取り入れている。今年度は菜種と大豆を栽培した。菜種から菜種油を取り、大豆は創業家である湯浅家が経営する醤油製造販売業「有田屋」で醤油の原料となる予定である。

3.異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重

新島襄は日本の国際人の草分け的存在である。本校も海外との交流プログラムを多く導入している。新型コロナウイルス流行のため毎年行っているアメリカ・ボストン短期研修とオーストラリア研修は中止とした。国内にいる留学生のサポートにてグローバルイングリッシュキャンプを実施し、多文化理解を深めることができた。また従来、男子用、女子用と区別されていた制服の規制をジェンダー平等、性の多様性理解の視点から「男女共用」のものを一部指定した。性や個性の多様性を念頭においたあるべき制服について模索を続けていく。

SDGsの17個の目標に関するカードを生徒が作り、校内の様々な箇所に掲示。理念の普及に努めた。

来年度の活動計画

ユネスコスクールが取り組む3分野について、2022年度の活動を引き継ぎつつ取り組んでいく。来年度は新型コロナウイルス流行による行動規制が緩められる見込である。しばらく中止していたアメリカ研修、オーストラリア研修などの海外留学プログラム、フィリピン医療ボランティアへの参加協力や栃木県にあるアジア学院でのボランティアキャンプなどの国際的奉仕活動を再開する予定である。多文化理解や奉仕活動に重点を置いた活動をより積極的に進める一年としたい。

SDGsの理念についても、授業展開、朝の礼拝メッセージの中に積極的に取り入れ、ユネスコスクールの理念の実現のために努力していきたい。