2020年度活動報告

本年度の活動内容

活動分野

生物多様性, 海洋, 減災・防災, 気候変動, エネルギー, 環境, 文化多様性, 世界遺産・地域の文化財等, 国際理解, 平和, 人権, ジェンダー平等, 福祉, 持続可能な生産と消費

本学は、大学の3つの柱(大学の特色)に、「持続可能な社会づくりに貢献できる教員の養成」を位置づけ、ESDを指導することができる教員の養成と、現職教員への研修に取り組んでいる。

①現職教員の研修に係わる活動

2020年度より小学校において「持続可能な社会の創り手」の育成を明記した学習指導要領が全面実施となり、中学校・高等学校においても順次全面実施となる。しかし、ESDやSDGsに関する教員の認知度は高いとはいえず、現職教員に対する研修は喫緊の課題である。そこで本学では2015年度にESDティーチャープログラムを開発し、奈良だけでなく、全国各地で全5回の研修を実施している。今年度は、大牟田市、山形市、長浜市、本学附属中学校において開催した。これまでに全国に75名のESDティーチャーを輩出している。また、今年度からは、ESDティーチャーを対象としたオンライン交流・研修会も開催し、相互に刺激し合うことで、ESDの質的向上を図っている。

②ユネスコスクールの交流に関わる活動

本学は、令和2年度文部科学省委託事業「ユネスコ未来共創プラットフォーム事業」受託し、令和2年度ユネスコスクールオンライン近畿地方大会を日本ESD学会近畿地方研究会と連携して開催した。ユネスコスクール子ども宣言の作成を目的とした子ども会議、教員等によるESD実践交流会、参加者によるユネスコスクールの現状と課題をテーマとした意見交流会、ESD講演会といった内容で、11月1日、8日にプレ大会を開催し、15日には、近畿各地の小・中・高校生によるESDの取り組みを交流する子どもフォーラムも開催した。オンラインでの開催ということで不慣れな運営にもかかわらず、参加していただいたみなさんが前向きにご参加いただいたことで、意義のある大会となった。また、ここで作成した「ユネスコスクール近畿子ども宣言」と「ユネスコスクールの現状と課題」については、第12回ユネスコスクール全国大会で発信させていただいた。

来年度の活動計画

1.ESDティーチャープログラム

①次年度も要請のあった地域、学校において、ESDティーチャープログラムを実施する。
②ESDティーチャーを対象としたオンラインによる交流・研修会を開催する。

2.ESDに関わる授業づくりセミナーの開催

①本学及び、森と水の源流館(奈良県川上村)、奈良県立万葉文化館、春日山原始林などで、学生及び現職教員等を対象とした授業づくりセミナーを開催する(場合によってはオンラインによる開催)。
②春日山原始林は本学と隣接する世界遺産でありながら、これまで教育フィールドとして活用できていなかった。春日山原始林におけるフィールドワークを複数回開催することで、学生や教員等にとって春日山原始林を身近な存在とし、ESDの素材として活用を促す。

3.ESDに関わる授業について

本学では教養科目に「ESDと学校教育」「ESDと生活科・総合的な学習の時間」「ESDと世界遺産」の3つの科目を設けている。これらの授業において、現職教員をゲストティーチャーに招くことで、現場感覚のある授業を実施する。